DeNA編集部

2017.10.10

約75億回の「面白さ」を提供!『怪盗ロワイヤル』が愛されている理由

モバイルゲーム黎明期の2009年9月にリリースされ、今年で8周年を迎えた『怪盗ロワイヤル』。8年間を数字で振り返るとともに、今なお多くのプレイヤーに愛され続けている秘密を、DeNA Games Tokyoで『怪盗ロワイヤル』を担当するプロデューサー(以下、怪盗P)にインタビューしました。

「プレイヤーがどういう方たちなのか、とプレイヤー像を想像することを大切に。そして、その方たちに喜んでもらえるゲームにするためには、どうすればいいかを今も昔もずっと考え続けています。今回は私達がどんな思いで『怪盗ロワイヤル』を運営をしてきたのか、少しだけお話させていただければと思います。」(怪盗P)

※数字は全て2017年10月10日現在。人数は延べ人数です。

総プレイヤー数=約1,450万人。東京都の人口の約1.5倍もの人々に愛された

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――1,450万人ということは、東京都の人口の約1.5倍にあたります。これだけ多くの人に愛された理由はどこにあるとお考えでしょうか?

怪盗P:常にプレイヤーのことを考える「ユーザーファースト運営」の成果だと考えています。

――プレイヤーを理解するために、どんなことを大切にしていますか?

怪盗P:『怪盗ロワイヤル』のプレイヤーは、最近始めた方より、長く遊んでいただいている方が多いんです。はっきりした数字は出せませんが、感覚としてプレイヤーの多くが5年以上遊んでくれています。その方たちに対して、いかに目新しいものを提供できるか、と考えながらも、あまり目新しすぎるものばかりだと受け入れてもらえない可能性もあるので、バランスを取るのがとても大切です。新しい施策に挑戦するのはもちろんですが、既存の施策をアレンジすることで新しさを生み出しています。割合としては既存のプレイヤーを大切にするという意味でもアレンジする方が多いですね。

――最近はプレイヤーにインタビューを行っていると聞きました

怪盗P:はい。先日、プレイヤーの意見をもっと具体的に知りたいと思い、直接インタビューをさせていただきました。現在かなりアクティブにプレイしている方に来ていただいたのですが、とても貴重なご意見をたくさんいただきました。ゲームに投入した施策が意図通りに受け取られていることもあれば、私達の予想していなかった形で遊んでらっしゃることがあることもわかりました。

例えば、最近の話ですと、GvG(※)で防衛側のチームのために15秒の猶予時間を施策として取り入れました。元々防衛側のための時間であるはずが、攻撃側がいかにその15秒を大切に使うか、仲間と事前に相談して決めている、ということがわかりました。私達の予想に反して、この15秒を攻撃側のプレイヤーにとって作戦の1つとして使われていたのです。

※Guild vs Guild。プレイヤーのグループとグループで戦うゲームシステム。

また、SNSの書き込みを読んだり、自分もプレイヤーとして他のプレイヤーとゲーム内で会話をしてみたり、計測している数字も毎日細かくは見ていますが、そこからは拾いきれないプレイヤーの行動が見えたことは大きな収穫です。

――施策を考えるときも、このプレイヤー像に当てはめているのでしょうか?

怪盗P:施策を考えるときは、プレイヤーの層を分けて考えています。例えば、1日ずっとプレイしてくれる方もいれば、時間の空いたときに10分だけ、という方もいますからね。プレイヤーの分け方は、どれだけ時間をかけてプレイしてくれているのか、アクティブ率(コスト消費)を指標にしています。具体的には、大きく見るときは3セグメントに分け、それぞれの施策においてどのセグメントのプレイヤーをターゲットにしているのか、どんなUX(ユーザー体験)を届けられるのかを明確に考えるようにしています。イベントで上位のランキングを取りたいプレイヤーもいれば、取りたいけれど取れないプレイヤーもいます。その方たちには、自分のステータスを上げられる別のUXを設計したりしていますね。

もちろん、それぞれのセグメントに対して「狙い」があることは前提として、他のセグメントのプレイヤーへの影響も検討します。例えば、ある施策はアクティブ率の高いプレイヤーにとっては嬉しいけど、その分、他のプレイヤーが楽しめていないのではないか、など、プレイヤー全体のバランスを深く考えるようにしています。やはりこのバランス調整は難しいですね。

――どのようにバランスを調整されていますか?

怪盗P:『怪盗ロワイヤル』は対人戦です。もし敵がコンピューターなら、全員が勝者になって、誰に対しても喜んでもらえるように設定することは可能です。でも『怪盗ロワイヤル』はプレイヤー同士で戦ってもらうので、勝った人に対して負ける人が必ず出てくるんですよね。もちろんほとんどのプレイヤーは勝ちたいと思ってゲームをプレイしてもらってるはずなので、負ける人もいる、ということは常に考慮していなければいけない点だと思ってます。

ただ、負けっぱなしの状態は辛いと思います。勝ったらアイテムを10個もらえるイベントがあるとして、負けても5個はもらえる、といった救済をすることはあります。これなら勝っても負けてもプレイすることでうま味しかないですからね。とはいえ、勝ち負けがあるのがゲームなので、あえて配慮しないこともあります。

お宝バトル=約75億回。世界中の人々が1回以上バトル?

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――75億回も「お宝バトル」が行われたということですか?

怪盗P:『怪盗ロワイヤル』はプレイヤー同士が戦う「お宝バトル」を軸にしたゲームです。通常「お宝バトル」は1回2〜3分で決着がつきますが、75億回も行われたとなると時間に換算して225億分となります。年に換算すれば4万2802年、日にちなら1562万5000日、と大きすぎてわけがわかりませんね(笑)。

――世界の人口が約70億人以上なので、75億だと1人1回プレイしても足りないくらいですね。約75億回もの面白さを届けられた理由とは何でしょうか?

怪盗P:『怪盗ロワイヤル』はコアになるUX(プレイヤーがゲームを通じて得られる体験)を決めています。このコアUXは『怪盗ロワイヤル』がリリースされたころから変えてないですね。

このUXに一番マッチしたものが「お宝バトル」だと思っています。お宝バトルは、他のプレイヤーが持っているお宝を盗んで5個集めるというシンプルなゲームですが、自分が集めている途中にそのお宝を盗まれることがあります。例えば、1人のユーザーに対して、複数人がお宝を奪いに行った時、タッチの差で取れない人が出てしまうときがあります。この頻度が高すぎると不満になり、低すぎると簡単になってしまいます。これを以前は「タッチの差エラー」と呼んでいました。今は広義の意味で「プレイヤー間のストレス連鎖から頭ひとつ抜け出したときの快感を追求するゲーム」として明確にコアUXとして定義しています。

もともとこのUXが「楽しい」と感じていただいているプレイヤーに集まってもらっているので、ゲーム内のイベントが変わったとしても、UXさえ変えていなければ、体験の本質としては同じなんだと思っています。

例えば、牛丼が好きなお客さまが集まる店があったのに、明日から看板メニューをカレーに変えますっていったら、「なんでだよ!?」ってなりかねないと思うんですよね(笑)。そこは牛丼を大盛りにしてみたりネギ味噌ダレをかけてみたりと、コアになる体験を変えずに、新しい体験を届けられるよう考えていますね。あと、面白さを追求するためには、コアUXの他にUXビジョンも設定しています。

――UXビジョンとは何でしょうか?

怪盗P:コアUXは体験、UXビジョンはその体験に至るまでの過程、です。

コアになる体験自体は変えなくても、ゲームの中で大切になるアイテムやステータスは変えたとします。プレイヤーには全く同じ感覚でゲームをプレイしていただくのではなく、新しい感覚を生み出せている。けど、コアUXから逸脱はしない、ということですね。

――UXビジョンを決めるためにプレイヤーの何を見ていますか?

怪盗P:定量的な観点でいうと、これまで蓄積したデータですね。このデータは私達運営からのメッセージ(施策)に対するプレイヤーからの答えですから、何よりの財産になります。このデータを元に、今提供したいUXのために必要なアップデートを加えていきます。

定性的な観点では、フォーラム(『怪盗ロワイヤル』の公式掲示板)を見たり、日々プレイヤーとやりとり(ウインク)をしたりと、自分がプレイヤーとして情報を得に行くことが大切ですね。

だから私たちのチームは業務時間中も『怪盗ロワイヤル』をプレイしてOKというルールがあります。むしろプレイすることを推奨し、「手が空いてるなら『怪盗ロワイヤル』をプレイしてください」と思ってます。やはり実際にプレイしないとプレイヤーの気持ちが変わりませんし、プレイヤー像も設定できませんからね。ちなみに僕は1日2~3時間はプレイするようにしていますね。

世界観の変更=0回。8年間、何も変わらないものがある

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――大きな数字が並びましたが、逆に変わっていないものはありますか?

怪盗P:8年間、世界観は変わっていませんね。長期運営できている理由はプレイヤー像をイメージし続けてきたからに他なりませんが、その中には、どんなテイストが好きか、といういわゆる世界観も含まれます。

『怪盗ロワイヤル』のストーリーやビジュアルは、世界観をしっかり決めています。例えば、このキャラクターはクールの中にちょっとコミカルが入るが、ギャグにはならない、といった線引きをしたり。だからブレません。

また、『怪盗ロワイヤル』の世界観=物を盗むが正義の義賊、と考えたときに、ストーリーは自然と変える必要がなかった、というのも大きいですね。私もこの設定をあえて変えようとは思っていません。この世界観が好きで今のプレイヤーは怪盗ロワイヤルに集まってくださったと思っているため、その世界観はゲームの軸ですので、ブレてはいけないと考えています。

もちろん新しい施策を行うチャレンジもしていますが、あえて世界観を変えてまで行うかというと、そういうわけではありません。世界観は変えない、という強い軸をチームメンバーの全員が共通認識として持っています。

ファンに愛された年数=8年。まずは自分たちがファンになること

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――8年も好きでいてもらうために、心がけていることはありますか?

怪盗P:例えば、「自分たちはその気持ちがわからないけれど、プレイヤーがこう思ってそうだから」というのと、「自分たちもプレイヤーとしてこのゲームが好きで、その上でこういう変更があったらいいな」では、プレイヤーに届ける施策の精度に大きな差が生じると思っています。まずは自分たちがそのゲームのファンになることが大切ですね。

長期運営をしているとよく、運営の必勝法を教えてほしい、と聞かれることがあります。もしそんなものがあるなら僕も知りたいです。ゲーム運営をしていて思ったのは、プレイヤーに満足してもらうための魔法はない、ってことです。

また、9年目を迎えられるモバイルゲームはとても少ないと思ってます。ここまで続けてこれたのは、DeNA Games Tokyoの文化でもある"とにかくプレイヤーのことだけを想い、真摯に向き合えるか"だと思っています。地道ですが、この積み重ねが8年も愛していただけるゲームになった要因ではないでしょうか。

――運営する上で、『怪盗ロワイヤル』特有の難しさってありますか?

怪盗P:1つは先ほどもお話した、対人戦のため、勝者がいれば必ず敗者がいて全てのプレイヤーを気持ちよく勝たせてあげられないことです。

もう1つは長期間運営しているために生まれたプレイヤー間の超格差ですね。モバイルゲームでは長期間運営すればするほどプレイヤーのゲーム内資産がどんどん積み上がっていきます。怪盗ロワイヤルで言えば、攻撃力900億の人もいれば、攻撃力1億の人もいます。こうして生まれた格差は、長く遊んでいただいているプレイヤーと始めたばかりのプレイヤーでは広がる一方で、この2者をバトルでマッチングさせることができなくなっていきます。戦う前から勝敗がわかってしまいますからね。この問題は常につきまとうので、いろいろと対策を取っています。例えばプレイヤーを複数のリーグに分けて、長く遊んでいただいているプレイヤー同士、始めたばかりのプレイヤー同士でマッチングされるようにする方法があります。この場合、上位のリーグの報酬を豪華にすることは必須ですね。他には、短期間の努力で特定期間ブーストをかける方法もあります。1ヶ月のイベントで、序盤頑張れば自分にブーストがかかり、その1ヶ月間だけは本来格上のプレイヤーと互角に張り合うことができる、といったような感じです。

8周年イベントはどうなる?

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▲8周年イベント実施中(10/31まで)

――8周年イベントはどんな点に注力しましたか?

怪盗P:目玉となるイベント「ルナのケーキ事件簿」は、順次リリースされる4つのイベントを、一つのストーリーでつなげようという施策です。人気キャラクターのルナの個性を引き出し、こんな一面があるよ、というところをプレイヤーに知ってもらうという企画に仕上げました。

もともとストーリーやキャラクターが魅力なゲームか、と聞かれれば、その要素は一番ではないかな、というのが正直なところです。ただ、今回ピックアップしたキャラクターは『怪盗ロワイヤル』の初期からいるメンバーです。昔からプレイしていただいている方から見ても馴染みのあるキャラクターで、そこに新しい一面を見せること自体には大きな不安はなかったですね。

――最後にプレイヤーのみなさまへメッセージをお願いします

怪盗P:これまで『怪盗ロワイヤル』を支えていただいてありがとうございます。これからも今まで以上にどんどんゲームを進化させていきたいなと思っています。好意的な意見、厳しいご意見、どちらも真摯に受け止めながら、よりプレイヤーに喜んでいただけるゲームを届けていければと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

DeNA Games Tokyo:http://denagames-tokyo.jp/

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