田中洋一郎×山口徹 対談 「求む、山っ気(ヤマッケ)のある貪欲なエンジニア!」 後進の働きやすい環境作りと、僕らのこれからの夢

スペシャル対談 vol.2

2017年6月に入社した、オープンプラットフォーム事業部システム開発部の田中洋一郎は、ゲーム・エンターテインメント事業本部事業戦略室の山口徹と旧知の中。パソコン、フィーチャーフォン、スマホと、変化するデバイスに柔軟に対応しながらキャリアを積み、エンジニアとしては最年長の部類となると笑う2人に、後進に求める資質や働き方、指導方針、DeNAが提供できる社内環境等について、大いに語ってもらった。

Chapter.1

第2の思春期に入って見えてきた、
後進を育てるために必要なこと

道筋は見せるが、答えを押し付けたくはない

山口:田中さん……。いや、普段通り洋一郎さん、の方が話しやすいですね(笑)。洋一郎さんと言えば、2007年に第3回Mashup Awardというコンテストで3賞を同時受賞したのをきっかけに、OpenSocialに出会ったのが、仕事上のターニングポイントになった訳ですよね。

田中:コンテストで受賞して、少し露出があって、いろいろな人が注目してくれるようになって。一気に世界は広がりました。

山口:あの年代の頃って、やりたいと思った情熱とそれに進んでいく勢いが、とてつもなくあったような気がしませんか?

田中:僕は今でもあるつもりですが、やり過ぎて入院したこともあるし、ちょっとセーブしなくてはという年齢になってきました。それに、ここ数年いろいろ迷うようになった、ということもありますね。以前ちょっとお話しした……。

山口:「第2の思春期」ですかね?

田中:それです。男は40歳を過ぎると「第2の思春期」になって、今までの自分を振り返るという……。

山口:仮に熱い思いを持って「やりたい!」となっても、後進の育成であるとか、実際に後進にチャンスを与えるとか、そういったことを考えて足が止まりませんか? 自らどんどん率先して、難しい問題を解決してはいけないのではと、考えてしまいませんか?

田中:うーん、僕は自分で解決してもいいと思っています。まず自分主体でいい、少なくとも自分が満足していない状況は変えなければいけない。僕が何かをやってあげた結果、後進のチャンスを失くしてしまうという考え方は、あまりないですね。

山口:そうなんですね。

田中:口で言って全部分かるかと言えば難しいので、背中を見て育てじゃないけど、自分がやることで後進にお手本を示すのは重要だと思っています。今まで僕は数々の会社にいましたが、やっぱり若い子たちの勢いってすごいんですよ。

山口:わかります。

田中:だから若い子たちに一目置かれるためには何をすればいいのか、どう振舞っていけばいいのかを考えるのが、ポイントの1つです。若い子たちからの人気取りということではなく、彼らに環境を作ってあげたり、率先して難題を解決することでお手本を見せたりという事が、結果的には自分に目を向けてくれる気がします。

山口:僕もお手本はよく見せるんですけど、後進が主体的に考える機会を奪いかねないと心配してしまうんです。

田中:僕の場合はですが、自然といい感じのバランスになることが多いです。なぜかと言うと、自分に自信がないから。

山口:あれ、面白い話になってきました(笑)

みんなの賛成が

すごく欲しいんです

田中:こうじゃないかって口には出しますが、本当にそれで走っていいのかは不安。だからみんなの賛成がすごく欲しいんです。みんなが納得したうえでやったことに対しては、そこから先何が起こっても、みんなそれなりの動きが取れますからね。でもみんながついてきていないという感覚があるうちは、「僕はこう思うからこうしようよ。リスクはこれだよ」と、必ず提示し続けるようにしています。

山口:みんなが補う形にしておきたいんですね。

田中:幸い今までいた環境は、話を振るとみんなが発言してくれました。そういうところが、一番大事だと思っています。

山口:それを、自信のなさがなせることと解釈しているんですね。僕は自分が考えていることに、自分自身が自信や確信を持てるのが一番重要です。もちろん、たくさんの人から賛成されるのも一助にはなるのですが、とにかく自分が「うまくできそうだな、キレイに作れそうだな」と思えるのが最優先。

田中:僕は40を過ぎてから、経験を積めば積むほど「たぶんこうやったら大丈夫だろうけど、実際にこんな問題が起きたらどうしよう」というリスクというか、選択肢が出てくるようになった気がしています。特に技術的な話であればデジタルに決まるかもしれないけど、ビジネス的なジャッジというのも多分にあって。

山口:パキッと割り切れないジャッジ。

田中:例えば「本当にこれを事業としてやっていいのかな」なんてリスクに対し、僕自身から解決パターンはいくつか出せるけれど、1人で取捨選択はしたくない。周りに「これだけ解決パターンはあるけれど、どう思う?」と意見を求めたいんです。最終的に僕が決めなければいけないなら決断しますが、そこにはみんなが言ってくれたことに対して、「今回はこれにします」とちゃんと説明をしたい。

山口:すごく丁寧だと思います。

田中:こういう風にしないと、いけない気がするんです。

山口:洋一郎さんは、コンフル(Confluence)に書いてある内容とかを見ても丁寧だなあと思う。僕だと途中で書くのを諦めたりしますもん。もういいやみたいな(笑)

田中:やっぱりエンジニアって、個が強いんですよ(笑)

Chapter.2

“聞く耳を持ったトップダウン”で
方向性を決めつつ自主性は守る

制約をあえて作るとより良いアイデアが生まれる

一定の制約がある方が仕事は

スムーズだとも思っています

山口:会社内での仕事の仕方として、上からの指示が絶対なトップダウンと、下からの意見も積極的に吸い上げるボトムアップがあるじゃないですか。どちらがより優れているということではないのですが、入社して以来、ウチの会社はどっちだと感じていますか?

田中:ボトムアップに見えますね、今のAndAppプロジェクトにいる限りは。

山口:僕もそう思います。ただ個人的には、トップダウンのほうがいいんじゃないかな、という気はしているんですけど。トーン&マナーも全部そろうし、やりたいこと、実現したいことの世界観みたいなものも、バラバラにならないで済みますからね。

田中:それはそうですね。

山口:プランニングや事業の方向性というものは、1人がコンセプトを作ってバチッと方向性を出した方がいんじゃないかな。小粒なものがボトムアップで来るのは全然いいと思うけど、誰が意思決定しているかは明確にしないと。ボトムアップによって角度がつくのは危ない気がします。

田中:超トップダウンもどうかとは思うけど、それは賛成です。ちなみに、トップダウンという言葉に関して、僕が一番嫌いな言葉に、「カンファレンス・ドリブン・デベロップメント」があるんですが……。

山口:なんですか、その単語。

田中:「イベントでこの日に出すから」ということを偉い人が先に発表しちゃって、それを理由に突貫工事で超高速に開発してしまうことです。

山口:どの会社でも、結構多いですよね。

田中:僕はそれが本当に嫌いなんですけど(笑)、ただ、一定の制約──いつまでに作りたいかとか、どの人員で作りなさいとか、作り方はこうとかのある程度の決め事──は、ある方が仕事はスムーズだとも思っています。

山口:何もかも自由なのが、すべからく最高ということはない。

田中:あと、バランスの話になるんですが、ボトムアップで決めてやっていくんだったら、様々出てくる意見や提案、指摘に対して、ちゃんと理解を示していきながらドライブしなければいけない。それらをバッサバッサと切り捨てていってしまうことは簡単ですが、「それは良くない」と一方的に叩いてしまうのは、違うのかなと思います。

山口:下は叩かれると萎縮するし。

田中:はい、バランスを上手く取る方法は、場所にも、チームにも、会社の雰囲気にもよるので、共通のルールはありません。ただ、落としどころはみんなの納得感だと思ってて、それを作れるのはそれなりに経験を積んだ人かなと思います。

山口:年をとった僕らの役割?

田中:そういうことですね(笑)

Chapter.3

法律の変化、技術の変化、
テクノロジーの変化にアンテナを張ろう

DeNAは変化を恐れない企業風土が確固としてある

デバイスが変われば、

「もう用済みです」

と言われる恐怖感が

常にあります

山口:ちょっと技術の話をしましょうか。IoTとか。IoTは揺り戻しと言っていいのかな……小さなサーバーみたいなものじゃないですか。一方で、オンプレ(オンプレミス)でかつては運用していたサーバーサイドのやつが、今後はクラウドになっていく。

田中:淘汰される技術と誕生する技術。

山口:でも今までオンプレのサーバーの構築・運用をしていた人は、今後はIoTの方でニーズが高まるんじゃないかな。IoT機器の初期設定がされて、セキュリティーがヤバいみたいな話になれば、ドンピシャなニーズがあると思うんです。状況の変化に応じて、今までのキャリアが全然通用しなくなったけど、違う領域でニーズがありましたという事例、どんどん出てくるでしょうね。

田中:それって実は怖いですよね。僕には「デバイスが変わっちゃったら、あなたはもう用済みです」と言われる恐怖感が、常にあります。

山口:ありますよね!? いわゆるケータイ、フィーチャーフォンからスマホに転換していった時、ヤバいと思いませんでした?

田中:すごく思いました。

山口:その前はパソコンで。「パソコン以外でブラウジングするなんて考えられない」なんて時代だったけど、ケータイが取って代わって。ああいうシフトっていうのは、きっとまた来るんでしょうね。

田中:繰り返すと思いますよ。

山口:ポストスマホ。

田中:ポストスマホが何になるか、今すごく注目されていますね。ユーザーが使うものが変わった時は、ビジネスチャンスです。

山口:法律が変わったときもそう。絶対にやってくるターニングポイントってありますね。

田中:ユーザーの使っているデバイスの変化という視点で時代背景を見ると、エンジニアが使う技術も当然変わってきます。スマホが流行ったらみんながアプリを書き出して、Javaだ、Objective-Cだとなってしまいました。今は多分その反動がきていて、やっぱりWebだ!という声も大きくなってきています。Webサービスをどう作るかもオンプレからクラウドになり、クラウドに対して親和性の高い言語って何だろうという話もあります。

山口:クラウドに対して親和性が高い言語という観点で言えば、うちの会社はすごくPerl色が強かったんですけど、GCPとかのイベントでも言っている通り、Goを使ってみたり、Javaを使ってみたりしていて、今の部署ではもうGoが半数を超えているんじゃないかな?

田中:そうなんですね。

DeNAは

誰かの意思決定によって、

一気に切り替わるくらいは

柔軟だと思います

山口:だから開発のスタイルをどんどん変えているんだけど、そもそもはオープンプラットフォーム事業部システム開発部部長の小林が「えいや!」と画期的に替えたようなものなんです。あの当時はたぶんみんなが「何で替えるの?」とポカーンとしていたんですが、あれはやっぱり大正解だったし、うちの会社はそういう誰かの意思決定によって、一気に切り替わるくらいは柔軟だと思いますね。

田中:僕は最近入社したのでわかるんですが、その柔軟さがメッセージとして外に出ていないのがもったいない。

山口:もっと言いたいです。あと1つ、これからうちの会社に興味を持ってくれる人に対しては、「この事業はすごく当たるから頑張るぞ」みたいな感じのものが、まだ絞り切れていないと伝えたい。そこにチャンスがある訳じゃないですか! これからの自分のコミット次第では、エンジニアとして重要な役割を果たすことができるということを、強くアピールしたいです。

田中:既存のものに参加するのではなく……。

山口:最初のシステム作りから携わって、企画にも意見を言ってもいいし、なんだったら自分自身でプロダクトマネージャになってもいいじゃないですか。面白味って、そういうところにあるんじゃないかな。

田中:DeNAならそれができる。

山口:山っ気(ヤマッケ)があるようなエンジニアに、うちの会社へ興味を持って欲しいです。それだけ柔軟な意思決定なり、変更・変化なりに耐えられるような組織にはなっていると思うし、個人的にはそういう点を今後ますます伸ばしていきたいです。会社としても、その意思はあるはずです。

田中:さっきの「最近、Goを使い始めた」という話は、僕にとってはすごく嬉しいニュースです。それ以前って同じ技術を5年以上も使っていろんなことをやろうとしていたように思えていて、実は外から見ていて「この会社は大丈夫かな?」って思っていたんです。会社の中で使っているテクノロジーって、各社言語からデータベースからぜんぜん違うんですよ。それはなぜかというと、デバイスの特性だったり、ユーザーがアプリを使う行動だったりというところが違っているから。それらの結果として、使う技術も変わってくるはずなんです。

山口:確かに我々は数年間、同じようなテクノロジーでシステムを作ってきていました。外側からならそれが分かるのに、中にいると気付けないんですね、僕も含めて。とは言え、世間のトレンドや技術的な話って聞こえては来るんです。ここで手前味噌な言い方になりますが、DeNAがちゃぶ台返し的な提案ができる環境であることは、すごくいいことだと思っています。

山っ気があるような

エンジニアに、

うちの会社へ興味を

持って欲しいです

田中:あと引き出しを増やしていくことが、自分たちの強みになるということは、再確認して欲しい。枯れた技術を使うのは安心なんだけど、選択肢を増やしていくと、より強くなるはず。最初はチャレンジになるから痛みを伴うんですけど、それは僕みたいな外の人からの経験を入れるなど、リスクヘッジはいろいろできるはず。だから「この部分はちょっと新しいことをやってみようか」ということを、必ず1個入れ続けると、エンジニアは楽しく仕事ができると思います。

山口:そういうことをぜひやりましょう!

田中:DeNAは幸い体力のある会社ですし、人もいますし、実現可能性としてちょっと背伸びしたところを狙おうとしていると僕は思っています。そこに新しい解決策として自分たちがやっていないようなことを、チャレンジして入れていくと。そういうことができる会社だと信じています。

山口:洋一郎さんは、どんなエンジニアにDeNAに来て欲しいですか?

田中:「僕はこんなことを思っていて、こう活かせるはずなんだ」と思っている人。存分にアピールしてもらいたいです。僕らがそれを実際活かしていけて回り始めれば、もうこっちのものです(笑)

Chapter.4

若いうちはミーハー上等。
その後はその年齢なりの役割を果たす

エンジニア最年長が考える40歳以降のキャリア

山口:洋一郎さん個人の、今後のキャリアや夢の話を聞いてもいいですか? まず、何歳まで働きます?

田中:生活がある限りは働くということとは別に、死ぬまでコードは何か書きたいです。

山口:スタイルを変えていきたい気持ちは? 例えば大きな事業をやるとか、人のためになるようなことをやるとか。変な話、高齢化に近いところがあると思うんですよ。我々はエンジニアの最年長くらいのエッジに立っているんですから。

田中:そうですね。

山口:今後、僕らがポンコツになってどんどん窓際に追いやられるのは、やっぱり宜しくない。その年齢なりの役割を、きちんと発揮できるのが大事だなって。

田中:それはそう。

山口:社会がどう変わっていくかは、見ていくべきだと思います。特にテクノロジーにけん引されるんじゃないかなと思っているんですが、もうちょっと大きなトレンドないしは領域で。AIもそうですけど、例えばゲノム編集とかで、医療にもイノベーションが起きていたりするんだろうし、幅広い視野で社会を見て、どういう方向に変わり、その上でどんなテクノロジーを勉強すべきなんだろうっていう観点を、常に持つべきじゃないかな。

田中:僕の場合、若干それからズレるかもしれないですね。日本は島国で、今はIT後進国になっちゃっています。全部輸入品じゃないですか。それが続くならばまず最先端をキャッチアップして広めるというか、アーリーアダプターでずっといることが、後進の人たちへの……。

山口:メッセージになる。

田中:はい。それをずっと続けていきたいです。1つのことを深く突き詰めていくのも手ですが、それが未来にずっとあるかと言えば違う。経験でわかるのですが、広く浅くキャッチアップしていくというのは、すごく重要。それをできるだけ早くやれる立場に、自分はずっといたいです。

山口:それはみんな、真似をした方がいいですね。特に若い人はもっとテクノロジーに対してミーハーになって、いろいろ試してみた方がいい。

田中:ただいろんな役割の人がいてもいいと思う。広く浅く見ている人、新しいテクノロジーを形にする人。ひとつのことを深堀りする人だって、ストイックでカッコいい側面もあります。

山口:我々が大人力を発揮して、DeNAに入ってくるいろんな人材を伸ばしていきましょう。今日はありがとうございました。

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