DeNA編集部

2017.11.02

DeNA流「AI」への挑戦。価値を提供し洗練し続ける取り組み事例

DeNAでは2010年から機械学習を活用したサービスを提供してきました。そして現在ではDeNAのコーポレートビジョン(長期の経営指針)として「インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける」を掲げ、機械学習を中心としたAI技術の活用をいっそう本格化しています。

ゲームやオートモーティブ、ヘルスケアなど様々な事業を展開するDeNAで、AIがどのような役割を担い、それらの技術がサービスにどう活用されているのか。今回はその事例もあわせてご紹介します。

AIを活用したサービス提供におけるDeNAの挑戦

AIには様々な技術が関連していますが、データ(画像、音声、テキスト、数値、等)の中から規則性や知識を自動獲得することで、現状の認識や将来の予測などに応用できるのが「機械学習」です。DeNAでは、この機械学習を活用したサービスや顧客体験を生みだすための独自の挑戦を日々行なっています。

その基本姿勢は「お客様にとって価値あるサービスを提供し洗練すること」です。DeNAでは「技術は最終的にサービスに還元されるものだ」という考えが一貫してあるため、「この技術を使ってお客様に対してどのような価値を与えられるだろうか?」ということを研究開発のチームと事業部が一体となって考えます。また、プロトタイプを作って社内で試したり、実際にサービスとして実装することで、提供したい顧客体験が実現できるかを判断しながら進めています。

サービスを使っていただき、データが集まるようになると、機械学習に入力するデータとして活用することで精度を向上させたり、利用傾向から課題を発見し、それを解決するための新しい企画ができたりと、サービスを洗練させていくことができます。洗練されれば、お客様にさらに使っていただけるようになるため、さらにデータが集まるようになります。このように、DeNAでは「技術」と「データ」と「サービス」のトライアングルを大切にしており、これが上手く回るように設計することが重要と考えています。

20171102_img02.png

ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2017(以下、SES2017)パネル登壇資料より

DeNAは、ゲーム、Eコマース、オートモーティブ、ヘルスケアなど幅広い領域でサービスを展開しており、そこから得られる多種多様で膨大なデータを蓄積しつづけています。現在では1日当たり数千万ユーザーから得られる50億もの行動データが蓄積されています。この膨大なデータを活用し、真に価値あるサービスを世の中にお届けするべく、AI研究開発を担うチームが日々挑戦を続けています。

AI技術を活用した取り組み事例

20171102_img03.png

SES2017パネル登壇資料より

2010年から「機械学習」を活用したサービスを提供してきましたが、その中でも特に膨大なデータが集まる「Mobage」のプラットフォームでの活用が先行しています。プレイヤーの傾向を分析した上で他のゲームをおすすめする機能を実装する一方で、運営側が新たなゲーム開発のヒントを得るための分析や課題発見などにも活かされています。なお、おすすめ機能の仕組みは、マンガ雑誌アプリ「マンガボックス」やニュースアプリ「ハッカドール」にも搭載されています。

おすすめ機能事例1:「Mobage」

プレイヤーごとのゲームプレイの特徴や、どのゲームをインストールしているのか、それぞれのゲームをどれくらい継続してプレイしているかなどの様々な観点の行動データを解析。その上で、そのプレイヤーの興味関心に合致し、かつ楽しく継続的にプレイされると予測されるタイトルを一覧で表示。またMobage内のニュースページにおいても、過去に読んだ記事などを解析し、最適な記事を表示。

おすすめ機能事例2:「マンガボックス」

20171102_img05.png

SES2017パネル登壇資料より

コミックスの表紙の絵柄から画風の類似度を解析し、データ化。読者がこれまでに読んだ作品情報をもとに、類似する作品を自動で選び出してレコメンドすることが可能。

ゲーム開発目的の研究事例:「逆転オセロニア」

20171102_img09.png

人間と同じような意思決定をしてゲームを自動プレイできるAIの研究開発。新しいゲームキャラクターをリリースする際に、AI同士を戦わせてシミュレーションすることで、どの程度の性能が出せるのかを運営側が評価。ゲームバランスを適切に保つための検証に活用。

需要予測システムのサービス事例:タクシー配車アプリ「タクベル」

20171102_img08.png

運行中の車両から収集するビッグデータとタクシー需要に関連する各種データを解析し、乗務員へリアルタイムにタクシー需要予測情報を提供。

画像認識技術の研究事例:DeNA社員用カフェスペース「Sakura Cafe」

20171102_img01.png

社内のカフェスペースの来店人数、混雑状況や空席状況を画像から認識する研究。人間の骨格などの器官点で認識する技術を取り入れることで、人同士の重なりや部分的に写っている人の検知率を向上させた。将来的には一般の店舗にも展開し、来店状況の把握による需要予測への応用も検討。

積極的な対外発表も推進

このようにDeNAでは2010年より機械学習を中心としたAI技術の活用に取り組んでおり、またその内容の対外発表も行っています。例えば最近では、ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2017において、AI研究開発メンバーがパネル登壇し、これまで挑戦してきたAI技術(機械学習)を活用したサービス開発・運用経験を踏まえたDeNAでの開発プロセスや心がけていることなどを紹介しています。情報処理学会 自然言語処理研究会では、深層学習を使って対話AIに特定の個性を追加し、その個性に合わせた返答文の生成を可能にする技術を発表しました。また、AI領域における技術とサービスの連携を加速させるコミュニティとして「SHIBUYA SYNAPSE」を運営しています。

これからの挑戦

DeNAには、実際のサービスにおける機械学習を活用した様々な価値提供の挑戦を行ってきた実績により、多くのノウハウが蓄積されてきました。今後はこのノウハウを活かして、自社サービスにおける取り組みに加え、外部のパートナー企業様に対してもAI技術を用いたサービス開発の技術提供を行っていきます。

今後も、AI技術を活用した技術開発とサービスとしての価値を提供していく取り組みに力を入れていきます。また現在DeNAにないサービスや、新たな事業領域においても挑戦してまいります。

DeNAのAI公式ホームページ:https://dena.ai/
いまのAIは15年前のインターネット(守安・川崎対談):http://dena.com/jp/article/2016/11/11/003229/
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2017パネル登壇資料:https://www.slideshare.net/hamadakoichi/dena-ai-service-development
情報処理学会(自然言語処理研究会)での対話AIの研究発表:https://www.slideshare.net/hamadakoichi/neural-dialogue-generation
AI研究開発関連の採用ページ:https://career.dena.jp/job.phtml

DeNAのアプリ