DeNA編集部

2016.10.21

ユーザ参加型の研究で日本人に適した病気予防法を開発

DeNAグループのDeNAライフサイエンスが提供する遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」。唾液をDeNAライフサイエンスのラボに送ると、約3週間で自分がかかりやすい病気や体質の遺伝的傾向がわかります。結果画面では、日本人平均と比較した発症リスクだけでなく、予防につながる要因や発症を促進する要因を知ることができます。また、運動や、生活改善に役立つ食品や成分を効果的に摂取するためのメニューのレシピも見られるので、健康の維持や増進に活用が可能です。 しかし、「MYCODE」の目的はそれにとどまりません。

遺伝子に関する研究は世界各国で日々行われており、様々な病気や体質と遺伝子の統計学的な因果関係が明らかになってきています。しかし、これらは主に欧米人を対象に行われているため、日本人を対象とした研究データが不足しているのが実情です。

そこで、DeNAライフサイエンスでは、ユーザ参加型の研究プロジェクト「MYCODE Research(マイコードリサーチ)」を新たに立ち上げ、東京大学医科学研究所との共同研究を本格開始しました。「MYCODE」会員で研究参加に同意した方のWebアンケート(任意参加)の回答と遺伝子の関連を解析することで、まだ知られていない日本人の体質・病気に関わる遺伝子を探索し、体質・病気のリスク予測モデルを構築することが目的です。

今回は、現在研究を進めている項目の一部を紹介します。

ノロウィルスに感染しにくい遺伝子タイプの人がいる!?

20161021_img02.jpg 秋から冬にかけて感染者が増加する「ノロウィルス」は、嘔吐や下痢が数日間続くつらい感染症です。昨今では、このノロウィルスに感染しづらい人がいることが判ってきました。
ノロウィルスの耐性に関係すると言われている「FUT2遺伝子」には、「活性型」と「不活性型」の2タイプが存在しており、「不活性型」のFUT2遺伝子をもつ人がノロウィルスに感染しづらい傾向にあるようです。

FUT2遺伝子が「不活性型」の人は、ノロウィルスが感染の足場とするたんぱく質がほぼ分泌されないため、これが感染しづらい理由ではないかと言われています。

写真:Graham Beards/CC Attribution 3.0 Unported via Wikimedia Commons
参考文献:Genetic susceptibility to norovirus GII.3 and GII.4 infections in Chinese pediatric diarrheal disease.

インフルエンザにかかりやすい遺伝子タイプがある!?

20161021_img05.jpg 冬になると毎年流行るインフルエンザは、のどや気管支がウィルスに感染して増殖すると起きる病気です。咳やくしゃみから簡単にうつってしまうほど感染力が強く、重症化するケースもあるため注意が必要です。
インフルエンザに「かかりやすいか」や「重症化しやすいか」に、遺伝子が関係していることが判ってきています。中国の研究グループが、インフエンザA型の重症度に「CD55遺伝子」が関連していると報告しましたが、日本人のインフルエンザ発症や重症化と遺伝子の関係はまだ判っていません。

参考文献:A functional variation in CD55 increases the severity of 2009 pandemic H1N1 influenza A virus infection.

コーヒーを飲む量も遺伝子が関係する?

20161021_img03.jpg たくさん飲む人もいれば、ほとんど飲まないという人もいるコーヒー。約10万人の欧米人を対象に行われた大規模な研究では、体がカフェインを分解する能力とコーヒーを飲む量に関係がありそうだということが判ってきました。
また日本の国立がん研究センターは、1日に3〜4杯のコーヒーを飲んでいる日本人は、ほとんど飲まない人に比べて心臓や血管の病気などの死亡リスクが約4割低いと報告しました。
その理由はまだ解明されていませんが、関連遺伝子が見つかった場合はカフェイン依存症や心臓病のリスク低下などにつながる仕組みが解明される可能性もあります。

写真:trophygeek/CC Attribution 2.0 Generic via Flickr
参考文献:Genome-wide meta-analysis identifies six novel loci associated with habitual coffee consumption.コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について

虫歯の「なりやすさ」は遺伝するらしい!

20161021_img04.jpg 虫歯そのものは「虫歯菌」の感染によって起こるので、遺伝するものではありません。しかし、虫歯の「なりやすさ」には遺伝子が関係することが判ってきています。歯や唾液の質の遺伝により、遺伝的に歯が弱い人は虫歯になりやすいといわれています。
米国で3歳から12歳までの子ども約3600人を対象に行われた研究の結果、「MPPED2」という遺伝子が虫歯のなりやすさに関連することが判っていますが、日本人を対象とした虫歯と遺伝子の研究はまだ行われていません。

写真:Partha S. Sahana./CC Attribution 2.0 Generic
参考文献:Genetic Association of MPPED2 and ACTN2 with Dental Caries.

「MYCODE Research」では、上記のほかにも「男性型脱毛症(既往歴を含む)」や「身長」などに関する研究を行っています。DeNAライフサイエンスは、病気・体質と遺伝子の関係の解明や病気の予防法を開発するべく、今後も豊富なデータを活用した共同研究を推進していきます。

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