DeNA編集部

2017.07.28

デザイナーの美大訪問プロジェクト。伝えたいUI/UXデザインの魅力

2016年末から、DeNAのデザイナー陣が全国の美術系大学や高校を回り、講義・座談会・ワークショップを行っています。今回はこのプロジェクトを立ち上げた眞崎達也に、授業の様子や現場で働くデザイナー自ら学校を訪問する理由を訊きました。「DeNA DESIGN BLOG」から一部抜粋してお届けします。

「UI/UXデザイナー」を知らない?いないなら育てる。業界の底上げをしたい

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▲DeNA デザイン戦略室 グループリーダー兼UXデザイナー 眞崎達也(まざきたつや)

ーー最近、DeNAのデザイナー陣が全国の美術系大学や高校をまわっているそうですね。なぜ、このような取り組みを始めたのでしょうか

きっかけは、母集団形成ができていないという課題感からでした。DeNAのデザイン戦略室は、数年前からデザイナーの新卒採用を始めたのですが、最初は応募が少なくて。初めて金沢でデザイナー志望の学生向けに採用イベントを行った時、学生が10人も集まらなくて、現実を知ったんです。"今までのやり方ではダメだ、変えないといけない"と思って、継続して学生に会いに行こうと思いました。

すぐに採用に結びつけるつもりはなくて、まずは「会社を知ってもらうこと」「デザイナーのキャリアパスを提案すること」「今需要が高まっているUI/UXデザイナーの仕事を知ってもらうこと」に、力を入れました。

様々な美大をまわっていて気付いたのですが、「UIデザイナー」「UXデザイナー」という職業自体、知らない学生が多いんですよね。UI/UXデザイナーは今後もっと求められるであろう職業なのに、圧倒的に数が少なくて、業界で限られた数のクリエイターを取り合っている状態です。僕たちがこの活動を通して、UI/UXデザイナーの仕事を広めることによって、母数が増えて、業界の底上げができると思いました。

いずれはヒットサービスを生み出し続ける、スタープレイヤーを誕生させたいと思っています。今では、自動車業界など他の業界もUI/UXデザイナーを募集しているので、将来的にIT企業以外でも活躍できる場が増えていると思います。

ただ、そういった情報も美大の学生、特に地方にはなかなか入ってこないようで、いろんな企業がUI/UXデザイナーの仕事や取り組みを発信するようになれば、変わってくるのではないかと思っています。早いうちに仕事のことを知ってもらうことで、学生生活や就活が有意義に過ごせると思うんですよね。デザインで食べていくための方法を知ることで、決意や自信が生まれるのではないかと思います。

ーー眞崎さんは普段、UI/UXデザインのお仕事をされていると思うのですが、なぜ現在のプロジェクトを担当しているのでしょうか?

もともと、採用担当だったわけじゃないんですよ。ただ、他社の採用状況と自社の採用状況を比べて、これは行かないとだめだと思ったんです。僕が動いたら、その流れでこのプロジェクトを任されるようになっていて(笑)。僕以外のデザイナーやエンジニアを連れて、全国の学校をまわることになりました。

これはDeNAの文化だと思いますね。やり始めた人が責任を持って進行するっていう、誰がやってもいいんですけどね。最近は「一緒に大学に行きたい」とデザイン戦略室のメンバーや、DeNAGamesのデザイナーから声をかけてもらえるようになりました。

ーー人事ではなく、現場で働くデザイナーが参加することで、どのような違いがありましたか?

大きく変わったことは、人事主導の場合は情報を伝えるかたちでの会社説明会になるため、学生は集まりにくいのですが、デザイナー主導の場合はデザインの授業やキャリア相談のように、デザイナーとしての学びを双方向に交換できるため、非常に多くの学生が参加してくれます。その光景を見た瞬間に確信しましたね。採用目的だけで行っても、学生たちと密にコミュニケーションをとるのは難しいだろうな、と。

現場で働くデザイナーが参加すれば、実務や作品作り、デザインの話ができて打ち解けやすいようです。デザイナー同士のほうが気持ちがわかりあえるのかもしれないですね。ポートフォリオを見せてくれた学生に対して、直接作品やポートフォリオのアドバイスもできますし、社内のデザイナーのキャリアも様々なので、いろんな視点でアドバイスができます。

大学・高校で行った講義・ワークショップ・座談会の様子

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▲大阪芸術大学|ポートフォリオアドバイス会

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▲東北生活文化大学高等学校 美術科|座談会

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▲京都精華大学 セイカハッカソン|審査員

UI/UXデザイナーを将来の選択肢のひとつに

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ーーさまざまな学校に訪問して、学生向けにどのような授業を行っているのでしょうか

学校によってニーズが全然違うので、行く場所に合わせてプランニングしています。こちらが行くときに大事にしているのは、学校が何を教えているのか、その学校にいる学生が何を考えているのか、何を強みにしているのかを知ることと、生徒一人一人とコミュニケーションをとることです。行動調査をした上で、企業として学校や学生に何ができるのか見つけたいんです。

学生からウケがいいのは「ラウンドテーブル」形式の交流会ですね。こちらが一方的にお話する授業だと、学生一人一人との距離をなかなか縮めることができないのですが、ラウンドテーブルは5〜8名1組の学生たちの中に、DeNAのクリエイターが1名入り、15分ずつ交流して、時間になったらDeNAのクリエイターが移動して交流する......を繰り返します。学生一人一人の声を聞くことができて、お互い質問しあえてラフにコミュニケーションがとれるので、緊張感なく本音が話せると思います。

学生さんに「人事部の人は会社の良いところしか話さない」という意見をもらったときは、だいぶ同じ目線で話ができてると感じました(笑)。

ーー学生たちと交流してみて、IT企業やDeNAにどのようなイメージを持っていましたか?

怖がっていましたね。自分たちが行く企業・業界ではない、働き方がハードなイメージだそうで......(笑)。DeNAは、残業は少なく時間内にパフォーマンスを出す社員が多い企業なのに、かつてのWeb業界のイメージがあるようです。時間内にパフォーマンスを出すことの別のハードさはありますけど(笑)。

DeNAは残念ながら現時点では認知度が低くて......事業やサービスでいうと、マンガボックスや野球チームのことは知ってくれていましたね。この活動は学校のなかで知名度を上げることにも、意味がありますね(笑)。

ーーなぜ、UI/UXデザイナーという仕事は知られてないのでしょうか

学校の環境にもよりますが、専門の授業を取り入れてる学校が少ないことや、社会人と比べて使うものがあきらかに違うのも原因ですかね。UI/UXデザインの仕事について話すと、そこまで興味を強く持ってもらえるわけではないのですが、サービスの利用者数(自分の作ったデザインに触れてもらえる人数)を話すと食いつく学生が多かったです。アプリだと数百万ダウンロード、数千万ダウンロードの世界ですからね。

デザイナーの仕事と聞くと、自動車や日用雑貨などを手がけるプロダクトデザイナーや、ポスターや雑誌広告のデザインをするグラフィックデザイナーのイメージが、まだまだ強いみたいです。

別にDeNAじゃなくてもいいので、UI/UXデザインが学べるスクールやインターンには、積極的に参加してもらえたらと思っています。とりあえず飛び込んでみてほしいんです。1回インターンに参加するだけで、UI/UXデザインの面白さや難しさを体感できると思うので。

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