DeNA編集部

2017.08.29

ドイツNo.1チーム移籍決定!車いすバスケ香西選手「リオの悔しさ」の先へ

車いすバスケットボール日本代表の中核選手として活躍する香西宏昭(こうざいひろあき)選手。その名声は日本にとどまらず、いち早くプロ選手としてドイツに渡り、結果を残してきました。DeNAでは2014年から、微力ながら香西選手をサポートしています。

2017年7月、DeNAにすばらしいニュースが届きました! それは、ドイツの車いすバスケットボールリーグ・ブンデスリーガで首位のチーム「RSV Lahn-Dill(ランディル)」への移籍が決まった、というもの。「RSV Lahn-Dill」は、フランクフルトから北に車で1時間程度のヴェツラーという街にある、ヨーロッパクラブ手権でもベスト4、各国の代表選手が数多く所属するブンデスリーガ屈指の強豪チームです。

9月末に控えた渡独、そして8月31日から9月2日に東京体育館で行われる車いすバスケットボールの国際大会「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017」 への日本代表選手としての出場を控えた8月21日、約1年ぶりに香西選手がDeNAに来社。そんな香西選手にインタビューを行いました。

後悔の残るリオ・デ・ジャネイロ、そこから過ごした「変化のシーズン」

20170829_img02.jpg

ーーちょうど1年ぶりにお越しいただきましたが、香西選手にとってどんな1年でしたか?

ひとことで言うと「変化のシーズン」でした。リオ・デ・ジャネイロでは6位という目標を持って挑みましたが結果9位。とにかく悔しくて。その気持ちのまますぐにドイツに渡りましたが、自分でまだまだできることはあるんだ、と思い、同じマネジメント会社に所属している、田中ウルヴェ京さん(ソウル五輪シンクロメダリスト・メンタルトレーニング上級指導士)のメンタルトレーニングを受け始めたり、筋力トレーニングの見直しなどを行ったりしました。日本に帰国してからも「肉体改造」というテーマで、日本代表チームに新しく加わったフィジカルコーチとともに取り組んできました。

ーーフィジカル面の強化に対して手応えはありますか?

今まで使えていなかった筋肉が使えるようになった感覚はありますね。お尻とか、脚とか。体幹を強化したりしていますが、ここまでの結果としては、姿勢が良くなりコート全体を見るときの視野が広がりました。また腰痛もほぼなくなりましたね。

ーー最近プロスポーツ選手がメンタルコーチをつけるというのをよく耳にします。実際にはどのようなことをされているんですか?

僕の場合は試合中、練習中や日常の中での感情の変化とか、考え方、自分を客観視できるかというところに重点を置いています。感情の変化については、毎日ノートをつけて、それをメンタルコーチに見てもらうんですよ。例えばですが、日々の何気ない瞬間に「あ、今イラッとしたな」とか、そういった回数とかシーンさえも記録していくイメージです。最近は「今こういうことがあって、こういう気持ちになったって報告したらおもしろいかな?」という感覚で書けるようになってきて。楽しみながら自分を客観視する下地を作れているのかなと思っています。

さらなる成長の場を求め、新天地へ

20170829_img03.jpg

ーー4年間所属したハンブルガーSVを離れると連絡が来たとき、正直驚きを隠せませんでした。強豪チームへの移籍を決意するきっかけはあったのでしょうか?

先程もお話した通りですが、やはりリオでの悔しさが一番大きいですね。ハンブルクで4年戦ったことで、成長できたという実感はあります。特に昨シーズンはアメリカやイギリスの代表選手も入ってきて、充実した時間を過ごしていました。でも、より厳しい環境に身を置く事で、さらに高みを目指す、自身をもう一段高いところに持っていくことが必要なんじゃないかと思い、自ら「RSV Lahn-Dill」の門を叩くことにしたんです。

最初にチームに話を持ち込んだ時、向こうのスタッフも驚いていました(笑)。でも「歓迎するよ」と言ってくれて、移籍が決まったんです。

ーー新チームはどんなチームなんですか?地元ファンの熱量とか......。

地元開催の試合の平均動員数が1,000人を超えていると言われていて、チームの海外遠征の際にはファンクラブの方々が現地まで、例えばドイツからスペインに応援に来るとか、そのくらい熱いファンが多いチームだと聞いています。実際対戦したときも熱心なファンの方が多かった印象ですね。チームもそれにしっかりと応えていて、先日年間のスケジュールを見せてもらったら「この日はファンの人たちとBBQ」とか書いてあって。盛んに地元のファンの方々と交流をしているところも特徴みたいです。

戦力で言えば、昨季ブンデスリーガチャンピオンなのもあって精鋭揃いです。例えば僕と同じくらいの持ち点の選手が2人いて、その2人がドイツ代表とアメリカ代表、とか。現実的には、その2人と出場時間を奪い合っていくわけで、初年度からスタートメンバーの地位を掴みにいかなければならない。もちろん、40分間フルで出場するのが目標です。

新しい日本代表チームは「戦う集団」になってきた

20170829_img04.jpg

ーー8月31日から始まる「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017」ですが、香西選手も代表メンバーに選ばれています。リオを経て、代表チームに変化は感じていますか?

今の代表チームには5月に合流しましたが、メンバーが入れ替わっているのもあってか、かなり変わったなという印象を持ちました。リオで悔しい思いをしたメンバーはそれをバネに、惜しくもリオ代表に選ばれなかったメンバーはまた違う悔しさを持っていますし、若くて伸び盛りのメンバーもいて、とにかく「強くなりたい」という意思を感じます。

練習内容も、僕個人が取り組んできたのと同じようにフィジカルトレーニングが多めで、かなりハードになってきています。例えば、バトルロープ(綱引きで使うような太くて重量のある綱を上下左右に振ったりして全身を鍛えるトレーニング)が導入されていたり、走り込みを重視していたり......。でもみんな気持ちが強くて「折れない」ですね。強くなりたいという気持ちと、折れない強さを持った選手が多くて、チーム内の競争も熾烈です。そういう意味で「戦う集団」になってきたと感じています。

ーー8月31日からの試合で、チームのここを見てほしい、というところはありますか?

フィジカル強化に力を入れているのは、チームが今目指している「トランジションバスケ」という戦術を実現するためです。これは、攻守の切り替えを早くするというものなのですが、これまで車いすバスケットボールの試合や日本代表の試合を見たことがある人ならすぐに分かるくらい、ゲームスピードが早くなっています。世界を見渡しても、このスピードで試合を展開するチームはそうそうないと思います。僕達のやり方で、世界のトレンドを作るんだという気持ちでやっています。そのスピード感に注目してもらいたいですね。

ーーさいごに応援してくれている方々へひとことお願いします。

間もなく「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017」が開幕します。日本で国際試合が見られる機会というのはあまりないので、会場で、またBS日テレで中継もあるそうなので、テレビの前から声援を送ってもらえればと思います!

ーー私たちも応援しています! がんばってください!

ありがとうございます!

20170829_img05.jpg

インタビュー終了後には、DeNA 代表取締役会長の南場智子も香西選手の激励に登場。リオでの奮闘を労い、目の前に迫った大会と新天地での活躍への期待を伝えました。

8月31日に開幕する「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017」は、オーストラリア、イギリス、トルコ、日本の4ヶ国が出場。全試合、入場無料で観戦ができますが、初めての試みとして試合によってアリーナ席のみ有料となっています。

また9月2日の14時からBS日テレにて決勝戦、または3位決定戦のうち日本が出場する試合が生中継されます。ご声援よろしくお願いします!

20170829_img06.jpg

香西宏昭オフィシャルサイト:http://www.hiroaki-kozai.com/profile/
三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017 特設サイト:https://wcc.jwbf.gr.jp/

DeNAのアプリ