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“軍師”としてタイトルを開発から支える!
「ゲーム開発」におけるアナリストの重要な役割

加賀美 聡
加賀美 聡ゲーム・エンターテインメント事業本部
ゲームコンテンツ事業部第二開発部
部長
小東 祥
小東 祥ゲーム・エンターテインメント事業本部
ゲームサービス事業部分析部
部長
松本 吉高
松本 吉高ゲーム・エンターテインメント事業本部
ゲームサービス事業部分析部
メカニクスデザイングループ

ゲーム開発における
アナリストの重要な役割

小東:一般的には、アナリストは実際のユーザーの行動や声などのゲームの運用中に起こる出来事を分析することが多いのですが、DeNAのアナリストの特徴は、運用中だけでなくゲームの開発時点から関われるところだと思います。その特徴を活かし、これまでの運用分析で培ってきた結果を、予めゲームシステムやパラメーター設計に活用しています。松本さんはアナリストとして、関わったタイトルではどういうことをしていましたか?

松本:開発時と運営時でやることが違いましたね。まず、開発時は「他社が作っているゲーム」「遊んでいる人物像」「受け入れられやすい機能やパラメーター」などの情報をキャッチアップします。運営時はそれらをセグメントに分割しつつ、「ユーザーが楽しく遊び続けられるものは何か」を考えます。フェーズごとに異なりますが、開発チームから提案されるユーザー体験やコアバリューをベースに設計していくのが主な役割です。

小東:DeNAのアナリストは、いろいろなタイトルで蓄積したノウハウを互いに共有しています。だからこそ、まだ設計段階のタイトルでも、開発チームが実現したいことを実現出来るように自信を持って提案出来ることが強みだと思います。

加賀美:プランナーから見ると、アナリストの方々は「軍師」のような位置付けかなと。プランナーがゲームの戦略を作り、ノウハウの詰まった軍師がそこに対して的確なインプットをくれるんです。松本さんは「名軍師」だと思いますよ。「こうしたい」に対して、「こういう道筋がある」と、どんどん提案してくれるんです。たとえばゲームのレベルデザインについて、「こういう体感をさせたい」と伝えれば、実際の計算式から相談に乗ってもらえます。開発中だと実際にそのゲームを遊べないこともありますが、見えないなかでも設計をして、プランナーと認識を合わせながら調整してくれるので、すごく助かっています。もちろん、時には意見の食い違いはあります(笑)。でも、議論をしていて気持ちが良いんですよ。スポーツで言うと、ハイレベルな人たちと華麗にパスを回してゴールを決める感じです!議論していても、「そういう考え方もあるのか」と気づかされるので、お互いの意見をミックスしながら、とはいえ平均点にならないように進めていくのが楽しいんです。

小東:アナリストには客観的な意見を出すという側面があるので、現場の開発チームからすると、距離を感じてしまう場合もあると思います。その関わり方もすごく重要ですよね。

松本:そうですね。客観的な目線も必要ですが、ユーザーに楽しんでもらうためには、プロダクトを最優先に考えています。そのためには、データを抜きにして、まず自分が楽しいと思えるかを確認するためにプレイします。そのプレイ体感を元にデータをチェックし、主観とデータの差分を確認します。そこに自分の考えも補足して、開発チームと一緒にアプローチ方法などを考えていくんです。

加賀美:天才的なひらめきや数式の組み合わせによってゲームがデザインされているというわけではなく、開発チームが実現させたい方向性と、自分の経験とも踏まえた設計をしているんですね。

松本:体感は非常に重要。データを見てアクションを起こすプロセスはよくありますが、データが必要なのは「こういうものを作りたい」という感覚と現実が一致するかを見極めるときです。あとは開発チームの目標達成のためにロジックを組み立てていくときですかね。

対談写真

データよりも体感!?
ゲーム開発においてアナリストに求められる素養とは?

松本:「アナリスト」と「ゲームアナリスト」は明確に違うと思います。ゲームアナリストとして、ゲームが好きという気持ちは必ず必要だと思いますね。あとは、数学やゲーム業界について、知識や引き出しを持てているか、またその引き出しを応用して組み合わせることができるか......。

加賀美:プランナーが期待するアナリストの役割としては、やはり客観的にタイトルやマーケットの状況を把握しつつ、タイトルがどの方向へ向かうべきかの戦略やプロダクトの設計に突っ込んで意見してくれることですね。

松本:難しい数学の知識が必要な局面もありますが、それよりもビジネスやゲームをより良くするためにどうすれば良いのか本質的な課題を考える方が大事ですね。

加賀美:「なぜ面白いのか」を言語化できて、それを実現するための設計ができる、という能力が必要だと思います。

松本:端的に言うと「ユーザーが設計通りのプレイ体験を実現できているか」を確認しています。ユーザーの状態が俯瞰的にとらえられるようなKPIを、担当のアナリストとプランナーが確認します。それを元に議論することによって、次のアクションが決まるので......。そのうえで、初速などを見て設計のポリシーが合っていたのかどうか定量/定性面で把握し、今後どう動いていくかを計画しています。

小東:面白さをKPI化するのは難しいですよね。タイトルによって違うと思いますし、適切にKPI化しないと面白さは評価できないですからね。「このタイトルの面白さはここだ!」と定義するときのコツとかあるんですか?

松本:実際に自分でプレイして......(笑)。

加賀美:基本的にはプランナーが、「そのタイトルをどうしたいか」というビジョンを作るんです。それに対して、アナリストは現状把握をします。現実はどうなっているかを教えてくれます。そうすると、うまくいっていない部分が如実に出てきます。そうして課題が生まれて未来の話になり、ビジョンに対してどういう道筋を立てるかという議論になるんです。お互いが前のめりになって議論ができるので非常にポジティブですね。

小東:DeNA全体について思うことですが、現状をきちんと受け止めてくれるプランナー、開発チームが多いです。「現状は理解した。でも、それはやりたいことと違うから」と現状を受け止めたうえで議論してくれるのでアナリストとして、働きやすい環境ですね。

加賀美:そうですね、「面白くしよう」という熱意が強く、サービスやユーザーへのコミット力が非常に高いと思います。大変なんですが、それ以上に楽しいと感じることもたくさんあります。自分たちがめざすものをユーザーに提案してフィードバックを受けたとき、ユーザーが想定よりも楽しんでくれたと実感できると本当に楽しいですよね。そういう気持ちをDeNAのメンバーは共有できているので、熱意で議論が発展していくんですよ。そういったところは、DeNAならではだと思います。

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“軍師”としてタイトルを開発から運営まで支える!
「FINAL FANTASY Record Keeper」※1への関わり

小東:最後の詰めになる「レベルデザイン」というのは、ゲームの難易度やアイテムのパラメーターを最終的に調整する部分。ここがズレると、それまで作ってきたものがすべて無駄になる可能性があるくらい重要なんです。松本さんはリリース前から参加し、レベルデザインを一緒に設計してくれて、さらには体感確認もガッツリやって詰めきってくれました。

松本:最後の1ヶ月でかなり変わりましたね。

加賀美:やっぱり体感は大事ですね。蓄積されている感覚を元に楽しさの議論を行えますし。また、設計時にそれを踏まえた計算式を作らなくていけないので、一定以上のスキルが必要になると思います。

小東:松本さんがすごいのは、数式で成長曲線を描く際に、随所にチェックポイントを設けて、そのチェックポイントごとにユーザーがどんな気持ちになっているかを想定しているんです。その想像力がすごい!恐らくご本人が蓄積してきたプレイ体験が成せる技なのかなと思います。

加賀美:そしていざリリースしてみると、運営開始後にさらにコミュニケーション回数が圧倒的に増えました。実際にプレイしているユーザーがいるので、待たせるわけにも期待を裏切るわけにもいかないので、自然と熱量は上がります。毎日定量データを見ながら、定性的な体感を大事にしつつ議論しましたね。

松本:運営時は想定と違う部分も多く出てくるので、そこに対してどうアプローチするかが大切ですよね。現状を把握しつつ、軌道修正をし、元々あるビジョンをどう達成するかを考えていかないといけない......。そういうときはデータがとても良い判断材料になります。

対談写真

強みを掛け合わせて”面白さ”を創出する
プランナーとアナリストの理想的な関係

小東:もし、例えば「FINAL FANTASY Record Keeper」に松本さんがいなかったとしたら、どうなっていたと思います

加賀美:......売上が半分くらいになっているんじゃないですか(笑)

加賀美:少なくとも、こんなにうまくいっていないだろうなと思います。アナリストとしての分析能力や将来予測、レベルデザインの能力が高いことはもちろんあると思います。でもそれ以上に、お互いにコミュニケーションを取りながら議論を深めていけるので良いものがどんどん出てきたんです。

松本:体感からロジックを組み立てて出た課題について議論していくなか、加賀美さんは「ここが大事」ということをしっかり理解されているんです。その大事な部分をきちんと押さえたうえで、チーム全体に発信して推進力を持って実行されているのは「FINAL FANTASY Record Keeper」の強みのひとつだと思います。とてもうまくいったと私自身も思っています。

小東:松本さんが「軍師」なら、加賀美さんは「司令官」でしたね。

松本:おっしゃる通りです。司令官がいないと。

加賀美:過去に一度、松本さんに「プランナーをやってみれば」と話したことがありますよね。でも、断られちゃいました(笑)。やはり「軍師」タイプなんですね。

松本:元々、研究や真理への追求が好きなので。タイトルがどういう風に成長していくのか、そのなかでユーザーがどういう動きをするのかをしっかり見ていたいんです。自分の好みをひたすら追求して、周りを巻き込んで......というタイプじゃないので、そういうことは加賀美さんのような人にやってもらいつつ、私は私の得意分野でバリューを発揮した方が良いのかなと(笑)。

小東:良い関係性ですね(笑)。

加賀美:面白いものを提供して、何百万人もいるユーザーのリアクションを直接的に感じられるのは、ゲームアナリストの醍醐味かもしれませんね。

加賀美:やはりうまくいったときの爽快感は格別ですよね。ゲーム開発は、ユーザーのために考え抜いてうまくいったときは、それこそカタルシスのような気持ち良さがある仕事です。

松本:私は小さい頃、ゲームに夢を見させてもらいました。それでゲームの仕事についたところもあるのですが、やはり次世代の人たちに同じ体験をしてもらいたいですし、同じきっかけを与えられるようなゲームを作りたいと日々思っています。

加賀美:いろいろな業界にアナリストという職業がありますが、ゲームアナリストはダイナミックで、扱うデータ量も膨大。ゲームに興味がある人は、特にその面白さを感じられる環境なんじゃないかと思います。なおかつ、DeNAは先進的なことに取り組もうという会社で、AIやVR、ディープラーニングへのアプローチもすでに始まっています。そういった領域にも、たくさんのアナリストが関わっているので、そういったところでも面白みを見つけられるかもしれません。

松本:新しいチャレンジができる環境であることは間違いないですね。次世代のゲーム体感を作っていきたいと思っている人にとっては、きっと楽しい会社だと思いますよ。

※1 FINAL FANTASY Record Keeper SQUARE ENIX CO., LTD. / DeNA Co., Ltd.

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