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DeNAは、ITを理解し活用できる人材の育成が急務であると考え、地方自治体と連携しながら支援に励んでいます。熊本県多良木町とは「IT人材育成事業に関する協定」を2020年8月に締結し、子どもたちの成長過程に合わせたコンテンツを提供しています。その一環として、2022年9月に多良木町の小中学生に向けて、キャリアに関する授業を3回に渡って実施しました。
ゲームプロデューサーの仕事内容やゲーム開発の裏側などを学ぶこの授業には、のべ約80名の児童・生徒が参加。現役ゲームプロデューサーが講師を務め、質疑応答の場を設けるなど、インタラクティブな場となりました。この授業の背景となった地域が抱える課題や、IT企業であるDeNAが果たすべき社会貢献の意義を交えながら、今回開催された授業について紹介します。
「IT人材育成事業に関する協定」を締結して以来、多良木町とDeNAでは子どもたちがITに触れ合う機会を継続的に設けてきました。小学校でのプログラミング教育支援や、プログラミング学習アプリ「プログラミングゼミ」をつかったゲーム制作体験、AIなど先端の技術分野に触れるワークショップなどを実施。2022年度からは、中学校技術科でのプログラミング授業の支援も始まっています。
背景には、多良木町をはじめとする地方自治体が抱えている課題があります。例えば、多良木町は面積の約8割が山や原野という恵まれた自然環境に囲まれていますが、都心から離れた地理環境などにより人口減少が進んでいます。また、多良木町内にはIT企業がないため、IT技術や関連するキャリアについて学ぶ機会はそう多くはありません。
これらの課題に向き合いながらも、子どもたちが将来、ITを活用しながら活躍できる可能性を広げることはできないか。子どもたちが自身のキャリア形成を考える機会をつくれないか。多良木町で地方創生推進に励み、「IT人材育成事業に関する協定」の推進を担う一般財団法人たらぎまちづくり推進機構からの相談をうけ、学校の先生方とも協議をおこない、今回のキャリアに関する授業の実施に至りました。
財団の業務執行理事COOを努める栃原 誠氏は、「このような授業や体験活動を通じて、多良木町からチャレンジできる人材を育てたいと考えています。財団の使命は、子どもたちがいったん多良木町を出たとしても、いずれ志をもち、この町に戻ってきて自分のスキルを発揮しようと思ってくれるような環境を創ることです。そのために、DeNAさんとはIT人材の育成をはじめとしていっしょに地域を活性化し、新たなイノベーションが起きることを期待しています」と想いを語ってくださいました。
キャリア授業では、DeNAが配信しているスマホゲーム『逆転オセロニア』のプロデューサーである香城 卓が講師を務め、「ゲーム開発の裏側」や「一日の仕事の流れ」など、ゲーム業界で働くことのイメージがありありと伝わるような話を展開。
後半パートでは、ゲーム好きな少年だった自らの実体験に基づく夢を仕事にすることの醍醐味や、IT業界の展望など、子どもたちが将来働くことに対してワクワクできるような内容で授業が進められました。
その中で、「コロナ禍の副産物として、世の中のIT技術やリモートワーク環境がこの2年で10年分くらい進化し、住む土地の縛りがなくなってきてたと感じています。可能性を大きく持って、いろんな職業に興味を持ってほしい」とのメッセージを送りました。
質疑応答の場面では、「ゲームって何人で作っているの?」「ゲーム開発は何年かかるの?」「仕事で印象に残っていることは?」など、さまざまな質問が飛び交い賑わいを見せました。授業後のアンケートでは、「2030年のゲームはどのように新しくなるのか調べてみたい」など、将来へ関心を持つキッカケになったことが伺える内容の感想もいただいています。
受講した児童・生徒の担任の先生からは、「ゲーム開発の裏にたくさんの方々の協力と長い年月が必要であることを学び、人と協力したり、何度も挑戦したりすることの大切さを感じられる内容であった」と評価いただきました。
オンラインでのキャリア授業は、コロナ禍に限らずどんな地域からでも東京で働く社員との交流を持てる機会創出であり、これらの活動を通して将来のキャリア形成に役立つ一助になりたいと思っています。
DeNAが目指すのは、子どもたちの将来の可能性を広げていく手助けをすることです。これからの社会をつくっていく子どもたちにITの力と可能性に触れてもらうことで、一人ひとりの職業観の醸成に寄与し、自分らしく明るい未来の選択ができることを願います。
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