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2022年8月28日、川崎ブレイブサンダースは、川崎市が使用貸借している京浜急行電鉄株式会社所有の建物(川崎第3京急ビル)に、「カワサキ文化会館」を開業しました。
これは、「若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備等に関する基本計画」に基づいて、川崎市若者文化創造発信拠点を整備・運営する事業に採択されたものです。
本記事では、施設の紹介、運営する意義などについてDeNA川崎ブレイブサンダース施設管理部の松本 紘樹が紹介していきます。
――カワサキ文化会館とはどんな施設なのでしょうか?
松本:3階建ての建物で、若者文化の体験や発信ができる施設になっています。
ここで言う若者文化は、川崎市の定義で、ヒップホップなどのストリートカルチャーや、ブレイクダンス、3×3(バスケットボール)、BMX 、スケボーなどのエクストリームスポーツを指しています。実は、川崎市はブレイキンの聖地と呼ばれるなどブレイクダンスやダブルダッチが盛んなんです。
1階には、バスケットボールの3×3が体験できるスペースやスケボー、BMXフリースタイルなどが体験できるマルチパーパスコートを設けました。
また、ブレイキンやヒップホップダンス、ダブルダッチなどの体験、交流ができるダンスエリアもあり、2階にはeスポーツが体験できるエリアを設置しました。
ダンスエリアにおいては、川崎市で活動する世界的ブレイキンクルー「THE FLOORRIORZ(ザ・フローリアーズ)」さんと、ダブルダッチで世界チャンピオンになった経歴のある「REG☆STYLE(レグスタイル)」さん、eスポーツ領域では同じく川崎市をホームタウンとするプロeスポーツチーム「SCARZ(スカーズ)」さんの各運営会社と連携し、スクールの運営やイベントの企画をおこなっています。
川崎には若者文化を牽引する一流プレーヤーがいるので、そのパフォーマンスを身近で体験できる場として「若者が輝くキッカケをつくる」を施設のコンセプトにしています。また、そういった発信をサポートすることで、より高みを目指し新たな一流プレーヤーの誕生にも繋がればという想いで運営しています。
――では、各エリアについて詳しく教えてください。
松本:マルチパーパスコートは、3x3バスケの体験だけでなく、スケボーやBMXフリースタイルなども体験できるエリアとして、さまざまな競技に耐えられる床材を採用しています。
3x3バスケとしての利用は完全にフリーで予約も必要ありません。学校帰りの子どもたちや、ビギナーからプロの方まで、幅広い層にご利用いただいているんですよ。今は、3x3バスケ利用のみ可能ですが、今後スケボーの日なども企画しています。
松本:また施設の1Fには、川崎ブレイブサンダースのSDGsプロジェクトのオフィシャルパートナーである味の素株式会社(以下、味の素)さんにメニュー開発の協力をしていただいたカフェ「ENERGY SPOT supported by AJINOMOTO CO., INC」があります。味の素さんがさまざまなトップアスリート向けに、スポーツ 時のエネルギー補給などのため提供してきた「エネルギー豚汁」やオリジナルだし入りおにぎり 「だし結び」を基に開発した飲食メニューを販売しており、バスケやダンスなど運動をした後のエネルギー補給として、身体の中からコンディションを整えてパフォーマンスを支えられるようなカフェになっています。
「だし結び」は川崎ブレイブサンダースの選手などともコラボしていて、定期的に新しい味が出るので飽きずに味わっていただけます。
松本:eスポーツエリアでは、先述したSCARZさんというトップチームが運営しており、ゲーミングチェアとゲームPCを設置したeスポーツを自由に楽しめる空間と、スマホゲームなどを皆で楽しめるようなカフェのような自由空間を設けています。個人利用でも、団体利用でも楽しめるようなっており、現在利用開始に向けて準備中です。
配信ルームも設置しており、将来的にはeスポーツの大会やイベントなどの開催が企画されています。
松本:ダンスエリアでは、大小二つのエリアがあり、世界で活躍するブレイキンの方やダブルダッチの方が日々練習で利用しています。それぞれスクールも実施しており、大会前などはお子さまの練習を見学に来る保護者の方で賑わったりもしています。
松本:また、若者文化だけでなく、アートも混ぜ込んでいければと考えています。
外装には、「vug(バグ)」さんに施設で体験できる各スポーツをモチーフにイラストを描いていただきました。館内には、「GAKU(ガク)」さんの作品を展示しています。お二人ともストリートカルチャーや、川崎に思いや縁のある方で、若者文化を発信していく施設を彩るのにぴったりだと感じ、お願いしました。実は、カワサキ文化会館全体の壁などは敢えて余白を残していて、その一つひとつがアートキャンバスという位置づけになっています。
松本:川崎ブレイブサンダースが取り組むSDGsプロジェクト『&ONE(アンドワン)』の一環として、屋上スペースにて、衣類などのポリエステル繊維から生まれたサステナブルな土を利用し、野菜を育て消費することで食育や地産地消を促進する取り組み『&ONE FARM(アンドワンファーム)』を設けました。この取り組みは、チーム全体でおこなったSDGsワークショップの中で選手から出たアイデアでもあり、先日、熊谷尚也選手と川崎市内の小学生による種まきイベントを実施し、カブ・ラディッシュ・こまつなの種をまきました。少しずつ成長しているので、収穫できたらクラブハウスで提供する選手の食事の材料などで活用していく予定です。
――今後の運営でやっていきたいことはありますか?
松本:異なる分野の交流でしょうか。
例えば、バスケをやっている子たちにダンスやダブルダッチを教えるとか、新しいコラボレーションができると面白いですし、音楽をかけながら一緒にイベントを企画したり新たな可能性が生まれることを期待しています。
イベントやプログラムなどさまざまなコンテンツ企画を通して、新たな仲間と出会ったり、新しいアイデアが生まれたりするような仕組みやきっかけづくりは我々がしていかないといけないと考えています。
それらを通し、それぞれ分野は違ってもお互いを応援しあう関係を築き、一緒に切磋琢磨した仲間たちがそれぞれのフィールドで活躍していくのが理想です。
――川崎ブレイブサンダースがカワサキ会館を運営する意義について、どのようにお考えですか?
松本:DeNAでは川崎ブレイブサンダースに限らず、スポーツ事業全体として、スポーツというIPを活用して街を活性化させ、より大きな盛り上がりをつくろうという考えで、さまざまな取り組みをおこなっています。
我々は若者文化が盛んな川崎市に本拠地を置いているので、バスケだけでなくさまざまなカルチャーを巻き込んでいくことが川崎ブレイブサンダースのコンテンツ価値の拡大にも繋がると考えています。また、他のカルチャーと一緒に拡がっていくことで、最終的に川崎市全体が更に盛り上がればという想いがあります。
――素敵な未来予想図ですね。カワサキ文化会館は3年の期間限定施設と聞いていますが、その期間でどのようなゴールを目指していくのでしょうか?
松本:本施設は3年間限定で取り壊しが決定していますが、文化の発信やコラボレーションといった経験、想いは残っていくので、この3年間でできたカルチャーやネットワークを、形を変えながら大きく発展させていきたいと思います。
カワサキ文化会館で関わった方々が、新しい拠点や他の場所でそれぞれ更なる活躍をする。そこで文化が浸透し、挑戦する人も増える。そんなタネまきを3年間でしてまいります。
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