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2016年頃から、アメリカで特に注目が高まっている職業があります。アメリカの大手企業口コミサイト「Glassdoor」が発表する「25 Best Jobs in America(アメリカでもっとも良い職種ベスト25)」によると、2016年から2018年にかけて「データサイエンティスト」が1位を獲得し続けています。日本では一般にまだ馴染みの薄いデータサイエンティストですが、企業活動の上で発生する情報はもちろん、膨大なデータを扱う機械学習などAI技術の活用が広まる昨今、データサイエンティストによる適切なデータ分析がより求められるようになってきています。
DeNAでは2018年4月より、AIシステム部内のデータサイエンスチームにおける新制度「Kaggle社内ランク」を導入しました。これは様々な事業領域においてAI技術を活用した取り組みを積極的に行なうDeNAがAI技術のサービス応用力強化のために、データサイエンス⼈材の積極的な採⽤と、データサイエンス⼈材のキャリア形成を⽀援することを⽬的とした制度で、一定の条件下で業務時間での「Kaggle」への参加を推進していきます。
▲DeNA「Kaggle社内ランク」制度
「Kaggle」とは、企業や研究者がデータを投稿し、世界中の統計家やデータ分析家がその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連プラットフォームです。Kaggleのシステムはコンペティション方式を採用しており、参加者の提示したモデルは即時に採点され、順位を表示。コンペティションに参加し最適モデルを提示したデータサイエンティストには、企業や研究者から賞金が支払われます。
今回導入した「Kaggle社内ランク」では、データ分析コンペティションであるKaggleの実績に応じて業務時間でのKaggle参加許可割合を定めています。この制度をAIシステム部内のデータサイエンスチームの社員に活用してもらうことで、Kaggleでの実績を積み上げることでのデータサイエンス人材のキャリア形成支援や、Kaggleで培った多種多様な分析問題に対する解法の知見をDeNAの様々な事業の分析課題に活用、チームでのKaggle参加によるデータサイエンティストの分析スキルの育成などの効果を期待しています。
Kaggleへの参加許可割合はランクに応じて異なり、非常に難易度の高い最上位「Rank SS」に達すると社内の主担当業務でのアサインがなくなり、100%の工数をKaggleで利用することも可能となります。
現在、DeNAのAI技術部門であるAIシステム部には、日本全国で数十名程度しかいないKaggle Masterのうちの4名が在籍しており、ゲーム、オートモーティブ、スポーツ等DeNAの各種事業データを用いての高度データ分析、予測モデルの作成に取り組んでいます。このデータサイエンスチームの体制を2018年度により強化すべく、積極的に優秀なKaggle人材の採用と育成を進めていく予定です。
また今回、日本に数名しかいないKaggle Grandmasterの中でもNo.1の実績を誇る小嵜 耕平(おざき こうへい 通称smly)氏が、DeNAのデータサイエンス技術フェローに就任。小嵜氏の技術フェロー就任により、「Kaggle社内ランク」を始めとしてDeNAのデータサイエンス技術力を大きく強化するための体制整備を進めると同時に、今後、データサイエンス業界全体を盛り上げるべく、様々な取り組みを推進していきます。
小嵜 耕平氏プロフィール
日本 No.1 の実績を誇る Kaggle Grandmaster。Kaggle 世界最高順位 4位 (2016年4月 530,000 ユーザー中)。応用研究を得意とするソフトウェアエンジニア。Kaggle のコンテストにて4回入賞した他、TopCoder のデータサイエンス系マラソンマッチや KDDCup などでも優勝経験あり。
技術フェロー就任にあたり、小嵜氏からのコメントを紹介します。
「コンテストで活用される実践的な研究開発の成果や膨大なデータの取捨選択によって生まれる素晴しい成果には度々驚かされます。こうした学びの積み重ねによって分析課題に活用できる手段を増やすことは、自由度の高い分析やデータマイニングに関する業務においてとても重要であると考えます。DeNAのデータサイエンス力強化に技術フェローとして少しでも貢献できればと思いますし、一緒に日本のデータサイエンス業界全体を盛り上げていけたらと思います」
「Kaggle社内ランク」導入をきっかけに、DeNAの掲げるコーポレートミッション「インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける」の実現に向けて、様々な事業領域におけるAI技術を活用した取り組みを積極的に行なっていきます。
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