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2013年に『不格好経営 チームDeNAの挑戦』を出版したDeNAの南場智子と、『ともに戦える「仲間」のつくり方』を出版した南壮一郎氏(株式会社ビズリーチ 代表取締役社長)。
今回はその対談を、掲載当時の原文のままお届けします。
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独自のスタイルと際立ったリーダーシップで業界を牽引する起業家、株式会社ビズリーチ代表取締役の南 壮一郎氏と、株式会社ディー・エヌ・エー取締役ファウンダー、南場 智子。
ともに、その著書でクローズアップしているのが「仲間」というキーワードだ。
「仲間」に支えられ、「仲間」とともに事業をつくってきた2人が、仲間のつくり方を熱く語り合った。
今回初めての対面となった2人。実業年数は違えども、起業家として活躍する中で多くの人材に会ってきた。「一緒に働きたい人物」を探し続けてきた2人は何を語るのか。
(南)ビズリーチは始まって4年になり、おかげさまで仲間は200人を超えるまでに成長しましたが、これまで一番時間をかけ、同時に苦労したのは、やはり仲間集めでした。南場さんの創業期の仲間探しは、いかがでしたか。
(南場)会社の創業期のコアメンバーはマッキンゼーに勤めていたときの仲間です。現社長の守安や会長の春田も、それぞれ第一線で活躍している人が来てくれました。私は自分より優秀な人、自分にないものを持っている人に惹かれますね。
(南)まったく同感です。ビズリーチのCOOの永田やCTOの竹内も、僕とは全然違うタイプで、最初会ったとき「この人のこの部分には絶対勝てないな」と思いました。だからこそ「この人と一緒に仕事がしたい」と――化学反応でしたね。自分ひとりでは限界があると思っていましたから、それからは、もうありとあらゆる方法でいろいろな人に会いまくってきました。
(南場)私も「この人!」と思ったらどこへでも追いかけていきます。地球の裏側でも行きますよ(笑)。 私が尊敬しているある優秀なファンドマネージャーがいるんですが、彼はDeNAのサービスを遊び倒してくれている。手にタコができるくらい(笑)。で、「このゲーム、流行っていませんよね。自分の仲間のステージがあがらなくなっている。前ほど熱心にやらなくなっているのでは?」ということを言ってくれる。だから「この人はいいな」と思って誘ったんです。もちろん断られたのだけど、ずっとあきらめずに追いかけていますよ。 実はそういう仲間探し、DeNAの社員はみんなやっています。南さんのところはどうですか?
(南)僕も「この人は」と思った人はどこまでも追いかけます。社内でいつも言っているのが、「事業創りは組織創り」で「組織創りは仲間探し」。リクルーティングはそれくらい大事です。自分の会社のことを好きでないと人は誘えないですから、誘うためにはみんなでいい会社にしていかないといけないと思っています。
(南)南場さんは、面接のときにどんなことを大切にしていらっしゃいますか?
(南場)どうだろうなぁ。私は物事を"知っている"ということにあまり感心、感激しないんですよね。知識の量じゃなくて、「思考の独立性」を見ています。
(南)「思考の独立性」?
(南場)簡単に言うと「自分の意見を言えるかどうか」ということ。中途採用で入った人の中には、DeNAのフラットな組織にびっくりする人もいる。みんなが自分の考えを上下関係なく発言するから、「え、ここでそのまま言いたいこと言っちゃっていいの?」と驚いていますね。でも、ミーティングって、違うパースペクティブが欲しくてやるわけだから、上の人の言いたいことをおもんぱかった発言をされてしまうと意味がない。そういう意味での「思考の独立性」。ヒエラルキーの影響を受けた発言は時間のロスです。誰かが言っていることが正しいと思う癖がつくのもダメ。それはすごく注意しますね。
(南)僕は、面接では、自分の考えを持っているかどうか、自分の考え方に対して真摯に行動できるかどうかを大切なポイントとしているのですが、最近、顔も大切だなと。いい表情をしていたり、チャーミングなところがあったり、その人となりは顔に出るものだなと思うことがあります。
(南場)じゃ、似たような顔の人ばっかりになっちゃう(笑)。
(南)そうかもしれませんね(笑)。会社に所属していたときには、人材リソースは与えられるものだと思っていたのですが、自分で起業してみると、採用は本当に大事だと実感しています。
(南場)本当に大変だけど、"人"のことが、ビジネス成功のための時間の使いどころですね。