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DeNAはここ数年、ヘルスケアやオートモーティブ、キュレーションなど、複数の領域で新しいサービスを発表してきました。そうした新サービスのデザインは、多くの場合、外部に委託せずに「デザイン戦略室」という社内の専門チームが受け持っています。
DeNAのデザイン戦略室は、数十人からなる事業横断型の専門部隊。デザインを「よりよいサービスを届ける手段」ととらえ、直接利用者が触れるユーザインターフェース(UI)、利用時の感覚や体験(ユーザーエクスペリエンス:UX)のほか、マーケティングツールやブランドなどのデザインも手がけています。 UXを開発・設計するフロントエンドエンジニアとしての能力を持つメンバーもいます。ウェブやアプリにとどまらず、オフラインの印刷物やグッズ、自動車のラッピングまでこのチームが主に担当しています。
外部委託と異なり、社内デザイナーはDeNAの企業文化や他のサービスのことも熟知しており、各事業部の担当者と対等な立場で顔を突き合わせながらサービスをつくることができます。DeNAでは各ブランドのアートディレクションに比較的大きな裁量が与えられているのが特徴で、デザイナーの個性が生きるような体制になっています。
そんなデザイン戦略室は、美大卒もいればエンジニア経験者もいる十人十色の集団。 どんな人が、どんな考えで、どんなものを作っているのか? 今週開設したDeNA Design Blogでは、そんなDeNAのデザイナーの姿を見ることができます。 今回はその中からいくつか内容をご紹介します。
個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」のアートディレクター兼デザイナーで、入社当初はコーポレートブランドを担当した飯島征士さんへのインタビューです。当初の入社理由を聞かれ、このように答えています。
「DeNAという会社はデザインというよりも、技術力に優れた会社のイメージが強く、正直、デザインは二の次な印象がありました。この部分を自分の力でもっと引き上げられるんじゃないかという思いはありましたね。これは現在進行形で、デザイナーのみんなが努力しているところです。」
DeNAはエンジニア職やビジネス職のメンバーも多い会社ですが、Anycaのデザインについてもこのようなこだわりを見せます。
「たとえアプリ自体の完成度が高くても、プロモーションサイトやフライヤーなど、サービスに関わるそれ以外のデザインの質が低かったら、サービス全体の質が落ちてしまうと思っています。」
デザインのクオリティーを担保する考え方など、インタビューの詳細はこちら:
http://design.dena.com/colum/iijimakoji_intervew/
株式会社ZMPとの合弁会社で開発中の「ロボットタクシー」のブランドデザインについてのインタビューです。ロゴをデザインした藤永忠男さんは由来をこう説明しています。
「シンボルロゴは「Robot Taxi」の頭文字である「R」を使用しています。「R」の横に並んだラインは横断歩道をモチーフにして、車と道路と人を導いてくれるような未来の安全を表現しています。横断歩道はグローバルデザインなので、世界中の人に認識してもらいやすいと思ったんですよね。また、縦線が4本なのは、自動運転レベルが1〜4段階あることも表しています。」
広告代理店出身でクリエイティブディレクターの石坂昌也さんは、自動運転のサービスには、デザインで解決できる課題があると話します。
「ロボット系の事業全てにおいていえるのですが、人が「怖い」と思う新しいものへの感情障壁を、どうやったら取り除けるのかは常に意識しています。」
その方法の一つとして、デザイナーの竹尾太一郎さんはこんな案も検討したそうです。
「例えば、安全性や機能性や親近感を強調するために、キャラクターを作って親しみを持たせ、マイナスなイメージを払拭しよう......というアイデアがありました。そのアイデアを現実しようと進行していた時期は、毎週新しいキャラクターをデザインしては提案していましたね。」
なぜ結局キャラクターを作らないことにしたのかは、インタビューの続きをご覧ください:
http://design.dena.com/colum/ishizakafujinagatakeo_intervew/
スマホ画面全体がそのままライブ配信できるアプリ「Mirrativ(ミラティブ)」も、DeNAの近年の新規事業のひとつ。このMirrativのデザインを立ち上げ時に担当したのが杉田哲郎さん(写真左)でした。サービスを海外で同時展開ため、さまざまな工夫をしたそうです。
「サービスをリリースするタイミングで海外に同時展開することになっていたので、どの国の人にも『嫌われない』ということを意識して、テイストやカラーを変えたデザインを50案ほど制作してユーザーテストを行い、デザインの方向性を決めました。」
杉田さんはその後、新卒入社で美大出身者の寿福まりかさん(写真右)にMirrativのデザインを一任。寿福さんは入社1年で専属のリードデザイナーになりました。
「サービスの各機能の数字の中で落ちている数字を見つけたらチーム全員で伸ばすためのプランを考えた後、UX/UI設計に落とし込んでいきます。また、プロジェクトメンバー全体の役割配分を把握し、リリースまでのスケジュールを引くような動きも行っていますね。」
「少しずつではありますが、デザイナーという立場だけでなく、事業を動かしている一人として物事を見ることができるようになってきたと思います。」
バトンタッチまでの経緯などはこちらをご覧ください:
http://design.dena.com/colum/sugita_jufuku_intervew/
DeNA Design Blog
では上記のようなインタビューのほか、メンバーの日々の活動、実績や現場の雰囲気、メンバーによる役立ち情報の寄稿なども随時追加して行く予定です。