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スクウェア・エニックスとDeNAの協業ゲームアプリ『FINAL FANTASY Record Keeper(以下、FFRK)』が2016年9月でリリースから2周年を迎えました。2周年記念キャンペーンの開催を受け、Mobage Developers Blogが、『FFRK』の佐伯嶺チームリーダー(下の写真)へのインタビューを掲載しました。今回はその一部をご紹介します。(全文はこちら)
――『FFRK』が2周年ということで、どんな想いで企画をされたんですか
佐伯:「FFってやっぱり偉大だな」と常々感じています。各シリーズが全然違うコンセプトにも関わらず、それぞれに熱いファンがたくさんいますよね。そんな「皆が大好きなFF」が集まってるから、『FFRK』は支持を受け続けることができ、結果2周年を迎えられたと思っています。なので「FFファンが集まるこの場って本当に素敵だよね」というメッセージでお祝いしたいと考えました。
――方向性が決まり、具体的な施策はどのように検討、実現していったのかを教えてください
佐伯:まずユーザさんにアンケートをとりました。自由回答を多く設定していたので、あまり多くは集まらないと思っていたのですが、予想をはるかに超える12万件もの回答をお寄せいただけたんですよ! 「FFのどのシリーズが好きですか? 好きなシリーズについて語ってください」という質問に対して、複数シリーズ選んで、それぞれについてすごく熱いコメントをくださる方が大勢いて。読んでいるだけで、自分もチームも感動して胸を突き動かされたんですね。この熱量をそのままユーザさんと共有したくて、「Record Chronicle(レコードクロニクル)」というコーナーを制作し、コメントを掲載させていただきました。
――結果、非常に盛り上がったと思うんですが、何が良かったのでしょう
佐伯:「FF好きな人たちが集まる場所」が『FFRK』だとしたら、『FFRK』開発チームは「FFの大ファンが集まっている開発チーム」です。FFファンである自分たちが「こんなことあると楽しい」とか「FFのこういうところがいいよね」と考えて実現していけたのがよかったのかなと思います。 ここに関してはスクウェア・エニックスさんの協力体制も非常に心強く、たくさんの施策量にも関わらず、素早くすり合わせして進行していくことができたため企画していたことのほとんどを考えた通りにユーザさんに届けることができました!
――運営していく中で、ユーザさんとのすれ違いを感じたことはありますか
佐伯:最近一番大きかったのは、マルチプレイ(複数ユーザによる同時プレイ・上の画面)を導入したときですね。「FF」や『FFRK』=「一人でプレイするもの」というイメージが強く、初めて「マルチプレイを導入します」と発表したときは、ユーザさんたちの拒否感がすごく強かったんですよ。想像していた反応でもあったんですけど、マルチプレイ導入の意図として「FFというゲームをやって、それについて語り合うのって楽しかったよね」という原体験をゲームの中に再現したいというのがあって、その意図や楽しさをユーザさんに理解してもらえればきっと受け入れていただけるのではないか、と思ってました。
――最初に拒否反応があったのにもかかわらず、リリースまでにどうやって理解を得ていったのですか
佐伯:「何でマルチプレイをやりたいと思ったか」という想いも含めて、とにかく情報を隠さずにしっかりユーザの方々へお伝えし、コミュニケーションとりました。最初は一部のユーザさんに限定して遊んでいただきましたが、「いただいたご意見は全部聞きます」と何度もアンケートを実施させていただきました。次に実施した、すべてのユーザさんに向けたβテストも「今回はテストバージョンで、このまま実装はしません。ただ、面白いものが作れたので、一回遊んでみてもらいたいです」という意図をお伝えして、報酬もほとんどない状態でゲームを遊んでいただきました。 「新機能!これで行くぜ!」という形ではなく、「皆で作っていく『FFRK』だし、一緒に盛り上げてもらいたいんです!さらに面白くするので意見ください!」と、丁寧にコミュニケーションをとりながら進めさせていただくことができました。
▼ランチタイムにマルチプレイで遊ぶDeNAの『FFRK』チームメンバー
――丁寧なコミュニケーションを経て、マルチプレイは正式実装されました。反応はどうでしたか?
佐伯:まだまだ改善点はあるものの、まずは理想に近い状態で受け入れていただけたと思います。当初の予定から変えた部分としては、最初はマルチプレイでしか遊べないダンジョンも作ろうとしていたのですが、ご意見やアンケートを見てやめました。運営は「せっかく作ったから」と押し付けてしまいがちなのですが、一人でプレイしたいユーザさんもいらっしゃるので、そこは大事にしないといけないなと。
――意思決定が必要な際、いろいろ選択肢があって迷うと思うのですが、指針にしていることはありますか
佐伯:正解は無いし、選択できる道って実はそんなに多くないと思うんです。どっちもそんなに変わらないならスピード重視で決断して、それを正解の道にすることに時間を使った方がいい。チーム内でも自分が一番「FF」が好きだと思ってるので、「こっちの方がFF感がある」という自分の感覚を信じて決めています。
――最後は心の声なんですね。そんな佐伯さんが、誰に何と言われようと変えない、『FFRK』ユーザへ一番提供したいものはなんですか?
佐伯:「FFであること」ですね。その世界観を大事にするためにもスクウェア・エニックスさんとの連携をしっかりと取り、丁寧に監修いただいています。ただ、「FFであること」とはそれは「FFをそのまま単純コピーする」ことではありません。同じボスに同じ動きをさせても、初めて遊んだ当時と同じ感情にはならないんですよ。「このボス戦にはこういう準備があって、ここで苦戦したんだよね。でも、こういう倒し方をしたら気持ちよくて......」という体験や感情ごと再現することを大事にしています。それが「記憶を取り戻す」という『FFRK』のテーマの本質です。
――その「想い」って、どこからくるものなのでしょうか
佐伯:自分自身、「FF」をプレイして楽しかったという経験が人生に大きく影響しているので、それを改めて皆と共有したいし、まだ「FF」をやったことがない人にも感じてもらいたいんです。一番最初にファミコンで『FF』をプレイしたときのあの感動は、あの当時だからこそのものです。でもそれが本当に素晴らしい体験だったから、やったことない人にもあの感動をなるべくそのまま届けたい。文化を守るというと大げさなんですけど、「FFすごい!楽しい!」という文化を守っていきたいんです。
(Mobage Developers Blogの本インタビュー全文はこちら)
(『FINAL FANTASY Record Keeper』公式サイトはこちら)