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DeNAが2016年8月より開始した、完全自動運転車両による交通サービス「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」。これまで秋田県仙北市や九州大学など全国各地で実証実験を重ねてきましたが、2017年8月、新たな実証実験の舞台として大分県大分市へ。
今回走行する大分市西部海岸地区は、別府湾を望むサイクリングロードとしても人気で、うみたまご(水族館)や田ノ浦ビーチ、高崎山など人気の観光スポットもある地域。夏の晴天の中、美しい湾岸を走る様子をオートモーティブ事業本部がレポートします。
ロボットシャトルが大分県大分市へ上陸しました!今回は8月17日から21日の5日間かけて、大分市西部海岸地区で実証実験を実施。うみたまごと田ノ浦ビーチを結ぶ景観美しい海沿い約1kmのロングロードを疾走しました。走行時は、安全のためにオペレーターが同乗し安全運行を見守ります。
運行当日、大分市内は夏らしい快晴。真夏の大分市は酷暑が続き、エアコンもなかなか効いてくれません。充電して走るロボットシャトルには過酷な環境です。そんな環境を見込んで、ペットボトルで冷えたお水とロボットシャトルオリジナルのうちわを配布しました。
▲初めての自動運転車に乗車して、男の子もワクワクした様子。
今回の走行ルートは約1kmと長めの走行距離で、"ラストワンマイル(歩くには遠いが、電車やバスなどの公共交通を使う程でもない距離のこと)"の役割を期待されているロボットシャトルとしては、実際の使用シーンに近い環境といえます。ロボットシャトルの最大速度は40km/hですが、今回は一部区間を国内過去最速の約17km/hで走行しました。同エリアの周遊ルート実現を感じさせるデモンストレーションとなり、乗車された利用者も満足そうな笑顔を浮かべられていました。
小さなお子さまを連れたお母さまからは、「(子どもが)怖いって最初は言ってたけど、いざ乗ってみたら楽しんでいた」という声や、乗車に訪れた地元の中学生は「運転手がいないので最初は不安でしたが、カーブの手前で減速したり、ドアが勝手に開いたりしてすごいと思いました」と興奮気味に感想を教えてくれました。
▲「いよいよ、自動運転の時代が迫っているんですね。大分市の公道を一日も早く走ってほしいです」
▲取材を受ける佐藤樹一郎市長
今回の取り組みは、大分市の佐藤樹一郎(さとうきいちろう)市長の熱意により実現しました。市内の路線バスは今、運転手の高齢化に悩まされています。近い将来には運転手不足が深刻化するかもしれません。そんな状況下でも、高齢者など交通弱者を守りたい......。市長の熱い想いが自動運転バス、ロボットシャトルの実証実験を後押しします。
「自動運転が未来の交通体系に大きな役割を果たす。交通弱者を救い、バス運転手の高齢化問題の解決にも寄与する」と市長。
自動運転車の実用化にはいくつか壁があると言われています。その一つが受容性の壁とよばれるもの。自動運転の技術および法律の壁は言わずもがなですが、受容性の壁はとても大切です。
無人の車が公道を走ることに違和感を感じる人は少なくないと思います。自動運転車についてご理解いただき、正しく向き合っていただく啓発を行うことも、事業者であるDeNAの役割であると認識しています。実証実験やデモンストレーションを繰り返し行い、サービスを利用される市民の皆様と、未来のクルマについて会話することがとても重要です。DeNAでは引き続き地域の自治体などと組み、実証実験やデモンストレーションを繰り返しながら、未来のモビリティの在り方を模索していきます。
現在、実用化に向けてより快適にサービスを利用していただくためのスマホアプリの開発や、DeNAの協業先となるバス会社や自治体など運行管理者向けのシステムの開発を進めております。今後、実証実験やデモンストレーションなどの場において、サービスの利用者の方の手に触れていただく機会を設ける予定です。
DeNAは自動運転バスとして日本随一の実績を誇るロボットシャトルで、地域に欠かせない足を作ることを目指しています。過疎化や高齢化によって移動したくても移動できない、交通弱者と言われている方々が日本全国に多く存在しています。そのような中、運転手がいない自動運転バスは、少子高齢化が進む地域の交通手段や人の移動を伴う大きな商業施設や工場などでも大きな期待が寄せられています。地域の足を待ち望む人々の希望を叶えるべく、自動運転バスの実用化に取り組んでまいります。
ロボットシャトル公式サイト:https://robot-shuttle.com/