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昨今InstagramやFacebookなど、さまざまなSNSを活用した交流が盛んです。DeNAが運営する「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」は、その名の通り"趣味"をきっかけに繋がる大人世代のためのコミュニティサイト。主に50代~60代の方々にご利用いただき会員数は約32万5000人、月間約2000万PVと、ミドル~シニア向けのサービスとしては日本最大級の規模を誇ります。若者のツールと思われがちなSNSの世界で大人世代に受け入れられる理由とは、そして大人のSNSの中ではどのようなコミュニケーションが起きているのか。担当者にインタビューしました。
▲左:趣味人倶楽部ディレクター 中村結(なかむらゆい)、右:同グループリーダー 砂田真吾(すなだしんご)
――ここ数年で大人世代向けSNSが話題に挙がる機会も増えましたが、ずばり趣味人倶楽部が大人世代に受け入れられている理由とは何でしょうか。
砂田:もともと趣味人倶楽部は2007年に旅行会社のクラブツーリズム社とともに、旅行や趣味に特化したウェブコミュニティを立ち上げたのがはじまりです。「趣味」という分かりやすいきっかけから始まるコミュニティ作りをしてきたことで、初めての方でも利用しやすいようです。また、悪質な出会い目的にならないよう趣味人倶楽部のサイト上でのプライバシー管理を厳しくしている点も、広く受け入れられている理由のひとつだと思います。
中村:実際「他社サイトと比べて個人情報のやり取りに厳しく、(アイコンやハンドルネームも自由なので)匿名性が保たれているのが良い」という声は多いですね。イベント等で顔を合わせた後は、サイト上で個人情報を直接やり取りしたい、というご要望もあるのですが、総じてプライバシーの公開には慎重な方が多いです。
事務局としてイベントなどで会員の方にお会いする機会がありますが、皆さんとてもアクティブでITリテラシーも高く、実生活でも一定のポジション・技術をお持ちの方が多い印象です。2007年から長期にわたって運営しているサイトだからこそ、インターネットサービスやサイト運営に対するご意見のレベルも高くて、その分事務局への要望は厳しいですね(笑)。もちろん全て対応できるわけではありませんが、いただいたご意見はしっかり受け止めて改善に役立てています!
その他にも、「住まいを気にせず、日本全国の方と知り合える」「同じ趣味でも、めちゃくちゃ詳しい、濃い人たちがいて勉強になる。こんな場所は他にない」などのお声をいただいています。
――趣味人倶楽部に入会するきっかけはどういった理由が多いのでしょうか。
砂田:先月9月に利用者向けのアンケートを実施したのですが、入会理由の「趣味仲間を見つけたかったから」「コミュニティ(趣味人倶楽部内の趣味サークル)・イベントに参加したかった」がどちらも50%を超えており、子育てや会社員人生を終えてライフステージが大きく変化するミドル~シニア層の中でも、新しい人生のステージを前向きに楽しみたいという方が多いのかなという印象を受けます。実際に会員の約3割がコミュニティに参加しており、1人あたり平均3~4つのコミュニティに入っていることをみても、新しい人生を共に楽しむ仲間がほしい、というニーズは高いのではないでしょうか。
中村:「写真を投稿したかった」という入会理由が15%ほどあったのも特徴ですね。実際に投稿される写真を見てもプロ顔負けの腕前の方がいたりするのが趣味人倶楽部らしいなと思います。10年前からずっとアルバムを更新し続けている方もいて、ライフログとして使われているのを感じます。
砂田:趣味人倶楽部は6割が男性会員なのですが、男性のライフステージが変わる定年退職のタイミングで趣味を探したい、極めたい、趣味仲間を見つけたいという方が多いのかもしれません。
中村:女性は子育てがきっかけで家庭の外にもコミュニティを作りやすいですし、育児がひと段落するのも男性の定年より10年くらい早いんですよね。そのためか、一人でも趣味を探したり仲間を探したりできる方が多いようなんですが、男性は仕事以外のコミュニティの作り方がわからないということはあると思いますね。退職されてから初めて「さぁ何をやろうか」となる男性が多いのではないでしょうか。今の30代くらいの男性は子育てに参加されてる方も増えていますから、今後、また傾向は変わってくると思いますが。
――「趣味仲間を探している」人が多いことは趣味人倶楽部内のイベントやコミュニティの多さでも感じられますが、人気のイベントや事務局からみて面白いコミュニティはありますか?
砂田:旅行やランチ・飲み会なども含めたお出かけ、クラシック好き、山歩きなど本当に様々です。3000人が参加されていて、パソコンに関するQ&Aが延々投稿されているコミュニティがあったりもします。イベント開催率で言うと、やはりお出かけ系のコミュニティが活発です。夏にはビアガーデンやホテルでのランチ会など、一人では行きにくい場所での集まりが人気なのかなと思います。華やかなところでは屋形船の貸切イベントなどもありますね。
中村:有名どころのコミュニティになると1800人規模というところがあって、月2~3回ほどイベントを開催しています。とても活発でイベントも華やかです。コミュニティの中には、参加者数が少なかったりイベントの開催自体はあまりないけれどもトピックの投稿やメンバー同士のやりとりが活発、というパターンもあるので、みなさんそれぞれに楽しまれています。
――今までの話を聞くと、趣味人倶楽部の会員は情報感度が高く多趣味な方が多いことが良くわかりますね。
中村:アクティブさの度合いが深いと言いますか、ものすごく趣味を極めている方はやはりいらっしゃいますね。それなりに年齢を重ねてきて、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いがはっきりしているというか、振り切っている方が多いのかなと思います。「街歩きが趣味」という方にもお会いしたんですが、日本ではなくてなんと中国で街歩きしてるんですよね。上海から何百キロというマイナーな街で、言葉も特に分からないけれど漢字の筆談だけでバスに乗って適当に歩くと仰っていて。旅のお仲間もタイから中国まで原付バイクで旅をする方がいるそうで、もうすごすぎる!......と。実際に会員の方とお会いするとびっくりすることが多いです。
>>後編を読む:【後編】大人世代はバイキング形式が好き?「趣味人倶楽部」仕様変更への反響から学んだこと
趣味人倶楽部:https://smcb.jp/
趣味人倶楽部 SNS、どれくらい使ってる?ミドル~シニア世代のホンネ調査:https://smcb.jp/researches/1