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スクウェア・エニックスとDeNAが開発・運営中のiOS/Android用RPG『ファイナルファンタジー レコードキーパー(以下、FFRK)』が2017年9月で3年を迎え、そして30年前に初代「ファイナルファンタジー」がこの世に生まれたのと同じ12月18日には新たなるストーリー「レコードダンジョン」がリリースされました。
絵画の記憶に入り、歴代ファイナルファンタジーの"戦いの記憶"を取り戻してきた主人公「デシ」。今回登場する「レコードダンジョン」では、歴代の英雄たちと共に冒険するなど"物語の記憶"にも介入していくことになります。ファイナルファンタジーの"記憶"が失われていく原因とは......FFRKオリジナルストーリーで明かされる真実にも注目です。
今回は開発者インタビューとしてスクウェア・エニックスの間一朗(はざまいちろう)氏、DeNAのプロデューサー 佐々木悠(ささきゆう)にインタビュー。「レコードダンジョン」の話や、ここでしか聞けない制作エピソードなどを盛りだくさんでお届けします。
前編:【前編】FFRKリニューアル!3周年の思いとオリジナルストーリー開発秘話
――歴代『ファイナルファンタジー』作品をドットでフルリメイクするにあたり、3Dで描かれた『ファイナルファンタジーVII』以降の作品は再現に苦労されたのではないでしょうか?
間:これはスタッフから聞いた話なのですが、じつは原作が3Dのものを再現するほうが簡単だったみたいです。原作リメイクしていくうえで僕らが注力してきたのは、いかに『FFRK』っぽくリメイクできるかという点です。『ファイナルファンタジーVII』以降はまったく違う表現方法になるので、『FFRK』っぽくする......つまりドット表現に変えていくということだけなので、ある意味シンプルな制作だったのだと思います。
逆に大変だったのが、『ファイナルファンタジーVI』までの原作自体がドットだったシリーズですね。どの程度の手を加えれば原作の記憶を損なわずに『FFRK』っぽさを出すのかで本当に苦戦しました。見比べていただければわかるのですが、 当時は描かれていなかったところまで作り込んだり、ちょっと表現を変えてみたりと、『FFRK』ならではのアレンジがいたるところにあります。
佐々木:初代『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーIII』までのファミコン作品はドット表現がだいぶ違うのですが、スーパーファミコン作品になるとドット表現も向上してきていて、アレンジに苦労しましたね。例えば『ファイナルファンタジーVI』のレコードダンジョンでも、原作のドットをそのまま使っているわけではないんですよ。原作ドットの完全流用というのは、『FFRK』にはないです。
――ドットでリメイクされたシーンは、どれもハイクオリティで驚きました。
佐々木:自分たちで言うのもなんですが、相当がんばっています(笑)。今まで制作していたドットはあくまでバトル用でしたが、今回はストーリーを描くにあたって新規のドット絵を作っています。レコードダンジョンはかなり力を入れたコンテンツですが、既存コンテンツについてもしっかり更新していくのでご安心ください。
――以前他メディアでのインタビューの際、制作が難しかったドット絵に『ファイナルファンタジーXIII』のアレキサンダーを挙げられましたが、最近のドット絵で苦戦したものはありますか?
間:それについて、ドット制作や監修を担当する真田というスタッフから、コメントをもらったのでどうぞ。
【スクウェア・エニックス 真田氏からのコメント】
苦労したドット絵はいろいろあるんですが、大変だったな~と思い出すのはやっぱり、『ファイナルファンタジーXIII』のボス"バルトアンデルス"でしょうか。本体上部の副次装と外装は左右でそれぞれ破壊できるのでパーツごとに分け、一体化している時と破壊後にはがれた時も考慮して作り込みをし、頭部も変化するので、付け替え可能な作りにしてと、とにかく大変苦労した、制作泣かせのトラウマ級ボスです。
白いタイプのバルトアンデルスを制作することになったときには、「あ、やっぱり作りますよね......」と。制作当初から存在は知っていたので覚悟はしていたものの、トラウマ再来ー!!でした。よく見ていただくと分かるんですが、黒タイプと白タイプで細かい部分でデザインも違っていて、ドットを流用できる部分が少ないんです。それに、白系と黒系の明暗真逆のカラーリングは、ドットを流用して色変更するだけではうまくいかないので、似てる部分は有りますけどほぼ描き直しにしています。
そんなバルトアンデルスさんとバトルすることになったら、たまにはゆっくりと形態変化も楽しんで見ていただければうれしいです。
▲バルトアンデルス黒いタイプと白いタイプ
――ちなみに、間さんと佐々木さんのお気に入りのドットのキャラクターは?
間:『ファイナルファンタジーVII』のガードスコーピオンでしょうか。もっと細かく言うと、ガードスコーピオンの尾が上がる瞬間です。あれを最初に見た時、『FFRK』というタイトルの方向性を確認できた気がしたので。
佐々木:ひとつは、開発初期からずっと向き合っていたカイナッツォ ですね。もうひとつはキャラというより必殺技なのですが、クラウドの"フェンリルドライブ" です。ドットでここまで派手な演出をできるんだと感動しました。あれ以降、必殺技の演出がドンドン凝ったものになってきたんじゃないかと(笑)。
▲左:ガードスコーピオン、右:カイナッツォ
▲フェンリルドライブ
――12月18日にリリースされたレコードダンジョンですが、注目してほしいポイントはどこでしょうか?
間:『FFRK』のドットでフルリメイクした原作シーンの数々ですね。初代『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーVI』までの原作がドットの作品は、より細かい情景まで再現されています。
『ファイナルファンタジーVII』以降の3D作品のシーンは、ドットでこんな風に再現されるのかと驚いていただけると思います。『FFRK』を制作するうえで大切にしている、当時のプレイヤーが刺さったポイントはキッチリおさえているので、目新しくも懐かしさを感じてもらえるハズです。
佐々木:今までなかった原作ダンジョンの探索は、新しい遊びのひとつです。ただ目的地に進むだけでなく、隠しダンジョンや隠し部屋、隠しボスなど探索する楽しみが手軽に体験できます。あとは、パーティ固定のバトルにも注目していただけますと。現状のバトルは、所持している装備によってバトルの難易度がバラバラだったと思うのですが、これが制限されることによって、よりプレイスキルが試される遊びを提供できるようになりました。これでもかと凝ったレベルデザインで、やりごたえのあるボスをたくさん出していくので、楽しみにしていてください!
――リニューアルにあたって新キービジュアル が発表されましたが、そこには見たことがないキャラクターがいますね。
▲新キービジュアル
間:彼らはシャドウスミスが所属する魔法省の役人で、『FFRK』のビッグスとウェッジになります。今までゲーム内にはいなかった個性を持つキャラクターたちで、彼らと接することによってデシの新たな一面を垣間見ることができると思います。
――リニューアルで大きく変わる部分はどこでしょうか?
佐々木:レコードダンジョンの追加以外に、ホーム画面の改修と"導きの書庫"という2つの機能も入ります。現状のホーム画面は完全に一新されて、横にスクロールすることで遊ぶコンテンツを選択する形になります。パワーアップダンジョンなどの育成ダンジョンも、ホーム画面にアイコンで表示されるようになりますね。
"導きの書庫"は、シドのミッションを完全リニューアルした新しいミッション要素になります。ゲームを新しく始めたプレイヤーが、魔石ダンジョンなどの高難易度コンテンツにたどり着くためのプロセスをミッションとして設計しました。ミッションをこなすことで、アビリティや素材のほか、有用な武器が手に入る特別な装備召喚の権利などが手に入ります。
――最後に、プレイヤーにメッセージをお願いします。
間:このタイトルを3年続けてこれたことが、自分の中でひとつの名誉だと思っています。ただただうれしく、純粋にプレイヤーの皆さんのおかげです。つねに皆さんから何かいただき、皆さんに我々からお返ししてきた3年間だったので、これからもこの関係を築いたままサービスを続けていきたいです。
佐々木:これまで続けてきたことはもちろん大事ですが、この先も続けていくというのも大事だと感じています。新たに仲間入りするレコードダンジョンだけでなく、既存コンテンツもしっかりアップデートしていきます。運営一同、4年目もフルスロットルで活動していくので、今後もよろしくお願いします!
ファイナルファンタジー レコードキーパー:https://ffrk.jp/
※今回使用している画像は全て開発中のものとなります点、ご了承ください。
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