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株式会社DeNAライフサイエンス(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:大井 潤、以下DeNAライフサイエンス)と公立大学法人横浜市立大学(所在地:神奈川県横浜市、学長:窪田 吉信、以下横浜市立大学)は、iPS細胞※1を活用した非アルコール性脂肪性肝疾患(以下NAFLD)の治療薬や早期発見法の開発に向けた共同研究を実施します。DeNAライフサイエンスが提供する消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」の会員の中から2017年12月21日(木)より研究の参加者募集を開始します。
本研究は、DeNAライフサイエンスが、MYCODE Research※2の一環として、MYCODE会員の中からNAFLD関連遺伝子を保有する会員を探し、横浜市立大学が、それを用いてiPS細胞を樹立し、病態モデル(ミニ肝臓※3)を構築します。その上でDeNAライフサイエンスと横浜市立大学が、構築された病態モデルを用いてNAFLDの治療薬開発や早期発見法の開発のための遺伝子やバイオマーカー※4を探索することを研究内容とします。
NAFLDは、お酒を飲まないにもかかわらず起きてしまう脂肪肝として注目されており、その数は増えているといわれています。NAFLDは肝硬変や肝臓がんなどの病気に繋がるため、早期に発見し、対策することが重要ですが、自覚症状がないことが多く、検査をして初めて気づくことが多い症状です。
横浜市立大学武部貴則准教授のiPS細胞を活用した「ミニ肝臓構築技術」とMYCODE Researchのゲノム解析技術により、遺伝子に基づいたNAFLDの治療薬や早期発見法の開発を目指します。
DeNAライフサイエンスは、ヘルスビッグデータを用いて、病気になってから治す「シックケア」から、健康をケアし病気を予防する「ヘルスケア」への転換を促し、健康長寿社会の実現を目指しています。その中でMYCODE Researchとして、遺伝子検査を受けた会員が同意した上で研究に参加できるコミュニティを構築し、科学の発展に寄与する「community-derived science」を推進していきたいと考えています。
研究は、平成29年度 横浜市特区リーディング事業助成金(プロジェクト助成)※5の支援のもとに行われます。
※1 iPS細胞とは
iPS細胞は人口多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)という細胞で、皮膚や血液から取り出した細胞に、山中因子と呼ばれる4つの遺伝子を入れることにより、全身のどの細胞にも変化させることができる万能細胞で、再生医療や薬の開発への応用が期待されています。
※2 MYCODE Researchとは
MYCODE会員の中から研究に同意いただいた方の協力を得て行う参加型の研究プロジェクトです。
※3 ミニ肝臓とは
iPS細胞から作製した肝臓細胞や、血管などの細胞を最適な比率で混ぜ合わせることにより、立体的に構築された肝臓のミニモデルです。生体内の肝臓に近い肝臓として、薬の反応の検討や再生医療への応用が期待されています。
※4 バイオマーカーとは
ある疾患の存在や進行度など、体の状態を客観的に測定し評価するための指標になるものです。一般的に血液や尿中の物質が用いられます。
※5 横浜市特区リーディング事業助成金(プロジェクト助成)
経済の活性化や高齢社会の課題解決、市民の健康増進につながるライフイノベーションを推進することを目的とし、革新的な医薬品・医療機器等の実用化に向けた研究開発事業のうち、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区(総合特区)」において、総合特区制度の活用を目指す革新的な研究開発事業を支援するものです。
遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」概要
注1)MYCODEが提供する情報は、統計的な傾向を示すものであり、健康状態や疾患の診断のような医療行為には該当しません。本サービスにより得られる情報は、医師による診断に置き換えられたり、診断を補充するものではありません。
注2)「検査項目数」は、検査メニューに含まれるおおよその検査項目数を示しているものであり、検査結果が得られる項目数を保証するものではありません。検査精度の限界・試料(唾液)の状態等の要因により、一部またはすべての検査項目について検査結果が得られないことがあります。当社規定の結果数を下回った際は、再検査等を行う場合があります。