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DeNAグループのヘルスケア事業会社である株式会社DeNAライフサイエンス(所在地: 東京都渋谷区、代表取締役社長:大井 潤、以下DeNAライフサイエンス)は、千葉大学医学部植松智教授、松岡悠美講師の指導の下、キリン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長 磯崎 功典、以下キリン)の健康技術研究所(所在地:神奈川県横浜市、所長 近藤 恵二)と共同で実施した臨床試験で、Lactococcus lactis strain Plasma(プラズマ乳酸菌)※1が免疫を制御する樹状細胞の活性化作用を有すること、肌のバリア機能に関与することを確認しました。この研究成果は、2018年3月16日(金)に日本農芸化学会2018年度大会にて、キリンによって発表されました。
この研究は、キリンの健康技術研究所がプラズマ乳酸菌の肌に与える効果について非臨床試験を実施し、臨床試験にDeNAライフサイエンスが加わる形で進めてきました。この臨床試験には、被験者としてDeNAライフサイエンスが提供する消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」の会員70名が参加しています。
※1 国立研究開発法人理化学研究所バイオリソースセンターが所有するLactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805のこと。
<研究の内容>
キリンの非臨床試験から、プラズマ乳酸菌を摂取させることにより、プラズマ乳酸菌が肌のバリア機能を向上し、肌細菌感染の予防および感染に伴う肌状態悪化の改善に寄与することが示されていました。
本臨床試験では、被験者(MYCODE会員)70名を2群に分け、プラズマ乳酸菌群にはプラズマ乳酸菌を50 mg(約1000億個)含むカプセル、対照群にはプラズマ乳酸菌を含まないカプセルを8週間摂取してもらいました。試験食品の摂取期間前後で肌のバリア機能維持に重要なタイトジャンクション遺伝子や抗菌ペプチド遺伝子の発現を調べたところ、プラズマ乳酸菌群では有意に発現が増加しました。
さらに、肌フローラ(肌細菌叢)の菌種数の変化を調べたところ、対照群では有意水準10%未満で変化した菌種数が11.5%以上だったのに対し、プラズマ乳酸菌群では1%未満に留まり、プラズマ乳酸菌の摂取が肌フローラを安定化させる可能性が示唆されました。また、肌の赤みについても、対照群では有意な差が認められなかったのに対し、プラズマ乳酸菌群では有意な低減が認められ、プラズマ乳酸菌の摂取が肌の炎症の緩和に寄与している可能性が示唆されました。
キリンはこれまで、小岩井乳業株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:村松 道男)と共同で、プラズマ乳酸菌が、非臨床試験や臨床試験でプラズマサイトイド樹状細胞の活性化を介して、ウイルス感染防御における免疫賦活効果を示したこと※2、臨床試験でインフルエンザの罹患率の低減効果がみられたこと※3などを報告してきました。今回得られた試験結果は、プラズマ乳酸菌の持つ健康維持機能の新たな可能性を示唆していると考えられます。
DeNAライフサイエンスは、ヘルスビッグデータを用いて、病気になってから治す「シックケア」から、健康をケアし病気を予防する「ヘルスケア」への転換を促し、健康長寿社会の実現を目指しています。その中でMYCODE Research※4として、遺伝子検査を受けた会員が同意した上で研究に参加できるコミュニティを構築し、科学の発展に寄与する「community-derived science」を推進していきたいと考えています。
※2 出典: Jounai et al., PLoS One (2012年)/ Sugimura et al., Clin. Immunol. (2014年)
※3 出典: Sakata et al., Health (2017年)
※4 MYCODE会員の中から研究に同意いただいた方の協力を得て行う参加型の研究プロジェクト。
<キリンのプレスリリースについて>
www.kirin.co.jp/company/news/2018/0323_01.html
【農芸化学会2018年度大会 発表の概要】
1.演題:①Lactococcus lactis JCM 5805経口投与による皮膚免疫活性化と黄色ブドウ球菌感染防御効果
②Lactococcus lactis JCM 5805含有食品摂取が健常な成人皮膚へ及ぼす効果
2.学会名:日本農芸化学会2018年度大会
3.発表日:2018年3月16日
4.発表場所:名城大学(愛知県)
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