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当社グループは、健康寿命の延伸に向け、エンターテインメント領域で培ったノウハウやインターネット・AIの技術を活かし、健康増進・行動変容を促すサービスや蓄積されたデータの利用・提供によるエビデンス創出及びその保健事業への反映などに取り組んでいます。
当該取組については、当社の子会社である株式会社データホライゾン又は孫会社であるDeSCヘルスケア株式会社(以下「当社子会社等」といいます。)は自治体と個別に契約を締結し、個別の契約に基づき、適切にデータの活用を行っております。
なお、当社子会社等は自治体から保健事業の業務委託を受けることがありますが、データの活用は、業務委託とは別であり、データの活用に係る契約を締結していない自治体の健康・医療情報を第三者提供することはありません。
当社子会社等は、上記取組を行うに当たり、保険者の保有する健康診断情報・レセプトデータ等を元データとして作成された匿名加工情報・統計情報を利用・提供しています。
これらの情報は、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます。)その他の関係法令・ガイドラインを遵守して適切に作成されており、当該匿名加工情報・統計情報から、当該情報の作成に用いられた個人情報にかかる特定の個人を識別することや個人情報に復元することはできません。また、当社子会社等は、当該健康診断情報・レセプトデータ等の取得に際して法令・ガイドラインの範囲内において各保険者と合意する情報の利用目的等の契約条件を遵守した上で、当該匿名加工情報・統計情報を利用・提供しております。
具体的には下記の法的整理に基づいて上記匿名加工情報・統計情報の利用・提供を推進しています。
なお、当社子会社等は、これらの法的整理に当たり、過去の取組における利用・提供の状況と合致するものであることを確認しつつ、社内で十分に検討した上で、複数の弁護士の確認及び関係機関への相談も行っています。
地方自治体の保有する健康・医療情報について、令和5年の改正個人情報保護法施行以降は、主に以下の態様にて取得・活用を行なっています。
① 提案募集(個人情報保護法第110条以下)による行政機関等匿名加工情報の取得及び提供
② 個人情報保護法第69条第1項に基づく自治体における利用目的(保健事業)内での個人情報の取得・匿名加工情報の作成及び提供
なお、当社子会社等は、データの活用をする際に、データの整備(クレンジング)、データ活用の企画、分析・解析業務、データの活用環境(システム)の開発・保守等の役務に対して、提供先から費用をいただく場合がございます。
上記の取組は、当社子会社等と自治体との間でデータ活用にかかる契約を締結の上、個人情報の提供を受け、当該契約に定める利用目的等の契約条件を遵守した上で、匿名加工情報に加工し、利用・提供しています。
令和5年施行の個人情報保護法改正は、個人情報保護法制の一元化を目的としており、地方公共団体における個人情報等の取扱いについて全国的な共通ルールが設定されました。
当社子会社等は、改正個人情報保護法施行に合わせて、
①提案募集による行政機関等匿名加工情報の取得・提供、②自治体における利用目的(保健事業)内での個人情報の取得・匿名加工情報の作成・提供の主たる2類型及び③その他の方法にてデータの取得・活用を行えるよう法的整理及び体制の構築を行っております。
自治体の保有する個人情報の効果的な利活用が、新たな産業の創出、活力ある経済社会や豊かな国民生活の実現に資するものであることを踏まえ、自治体は、行政機関等匿名加工情報を用いて行う事業の提案を募集することとされています(個人情報保護法第110条以下)。
提供先の利用目的に広く対応する形で、行政機関等匿名加工情報を提供することが可能です。
当社子会社等は、当該制度を活用し、個人情報保護法第115条に基づく契約を自治体との間で締結の上、行政機関等匿名加工情報の提供を受けています。
(参考)令和5年度に当社子会社等から申請、受理されている利用目的例(提案書記載の利用目的を抜粋)
自治体は、利用目的の範囲内であれば、個人情報の利用・提供をすることができます(個人情報保護法第69条第1項)。
自治体は国民健康保険法第82条等に基づき住民への保健事業を行っているところ、全国一律の制度である国民健康保険制度に関する国の政策を反映する法令等、通知、事務連絡、指針その他の閣議決定文書等に基づいて各自治体が保健事業を行う中で、当該法令等・閣議決定文書等が自治体の施策の中に反映されていくものと認識しています。レセプトデータ等の健康・医療情報については、効果的かつ効率的な保健事業の実施のために、以下の指針、閣議決定等で活用が推進されており、各自治体においてもこのような活用を目的として、効果的かつ効率的な保健事業の実施のために当該健康・医療情報を利用・提供することは、利用目的の範囲内での個人情報の利用であるといえます。
当社子会社等は、当該効果的かつ効率的な保健事業の実施に資する範囲において、自治体との間で契約を締結の上、個人情報の提供を受けた上で、匿名加工情報に加工の上、利用・提供しています。
近年、保健事業についてはエビデンスベースで推進することが求められておりますが(経済財政運営と改革の基本方針 2023)、当社子会社等は匿名加工情報の利用・提供については、保健事業の業務委託ではなく、別に当社子会社等との間でデータ活用にかかる契約を締結した自治体との間に限り、ベンチマーク分析、保健事業の施策の効果評価、治療実態把握、ペーシェントジャーニーの把握等の調査、記述疫学、医薬品の効果、安全性、適正使用、医療経済等に係る調査及び研究といった、保健事業のエビデンス強化に資する目的、又は学術研究目的にのみ使用することを契約上規定(以下「本件規定」といいます。)した上で実施します。
データの活用は保健事業の業務委託とは別の取組であり、各取組について契約している自治体数も異なります。
(参考)令和5年度における実績
また、第3(後述)に記載する取組を毎年度各自治体に対して実施することによりこれらの成果等が実効的に各自治体の保健事業へ反映されるよう取り組んでおります。
上記のほか、学術研究の目的等、個人情報保護法第69条第2項第4号に基づき許容される範囲での個人情報の取得・活用を目的として、自治体からの個人情報の利用・提供を受けることがあり、学術研究機関等において当該許容範囲でのデータの活用を行えるよう、学術研究機関等との連携等の体制を整えております。
第1②にかかる個人情報の取得・匿名加工情報の作成及び提供は、本件規定の範囲内であることが条件となります。
条件を満たすことの担保のため、当社子会社等は、匿名加工情報の提供先の利用について、以下の事項を確認・管理しております。
また、提供する匿名加工情報が利用目的外で利用・提供されないよう、提供先による第三者への開示・利用許諾、利用許諾期間の延長、終了時のデータ消去等を管理しています。提供した匿名加工情報を利用した成果の論文化や学会発表の際には別途第三者への開示・利用許諾を申請いただきます。発表された成果については全件自治体に報告しております。なお、当該成果が保健事業のアプローチする課題及び医療費、介護費の適正化や難病患者等への医療費支給等保健事業のいずれに該当するか管理し、保健事業への反映の可能性についても確認いたします。
自治体に対しては、利用目的である「効果的かつ効率的な保健事業の実施」に反映できるよう、年度末に、論文・学会発表等を含めたエビデンス事例を一覧化してご報告しています。その際、各自治体が策定しているデータヘルス計画において掲げられている健康・医療課題に対して関連の深い文献については当該リストから取り上げて説明し、各自治体の保健事業への反映を支援しております。
<参考>参照法令等
※本文に記載している参照法令・閣議決定・告示等について、以下に抜粋します。
(利用及び提供の制限)
第六十九条 行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
第六章 保健事業
第八十二条 市町村及び組合は、特定健康診査等を行うものとするほか、これらの事業以外の事業であつて、健康教育、健康相談及び健康診査並びに健康管理及び疾病の予防に係る被保険者の自助努力についての支援その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。
1. 計画の基本的事項
(2)計画の位置付け (データを活用したPDCAサイクルの遂行)
○ 保健事業の実施計画(データヘルス計画)(以下「計画」という。)とは、被保険者の健康の保持増進に資することを目的として、保険者等が効果的かつ効率的な保健事業の実施を図るため、特定健診等の結果、レセプトデータ等の健康・医療情報を活用して、PDCAサイクルに沿って運用するものである。
第4章 中長期の経済財政運営
2.持続可能な社会保障制度の構築
○ 健康寿命を延伸し、高齢者の労働参加を拡大するためにも、健康づくり・予防・重症化予防を強化し、デジタル技術を活用したヘルスケアイノベーションの推進やデジタルヘルスを含めた医療分野のスタートアップへの伴走支援などの環境整備に取り組むとともに、第3期データヘルス計画を見据え、エビデンスに基づく保健事業を推進する。