株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下 DeNA)は、名古屋大学が主体となって実施する愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの公道において複数の信号交差点において自動運転車両に携帯電話網を用いて信号情報を送り走行する実証実験に2020年2月12日(水)から参画しました。
今回の実証実験は、名古屋大学が主体となり2020年2月12日(水)~2月28日(金)まで名古屋大学COIの自動運転車両を用いて多様な世代での過度に自家用車利用に依存しない外出手段の確保を目的とする実証実験の一環として実施しています。高蔵寺ニュータウン内を1台の自動運転車両が乗客に合わせてオンデマンドで走行します。
本実験は、警察庁が2018年3月から開始した、信号情報を車両に送る無線装置を信号制御機に接続する機会を民間事業者に提供する申請要領※に基づいて実施されました。
公道の交通ルールに従って走行する自動運転車両において信号情報との連携は必要不可欠です。これまで自動運転車両は車載カメラを用いて信号情報の検知をしてきましたが、前方車両による遮蔽や逆光などの環境要因によって検知が困難になることが懸念されてきました。そこで信号情報を直接車両に送り、カメラによる信号検知システムと補完し合うことでより確実な信号情報の検出が可能になることが期待されます。また、信号情報を自動運転車両が遠距離で得ることで、事前に車両の速度を制御し、交通渋滞の緩和や環境負荷の低減に繋がることを目指します。
これまでに、2018年4月に神奈川県藤沢市、2019年3月に愛知県常滑市で実証実験を実施しており、技術、安全面での検証を行ってきており、引き続き公道で範囲を広げた実証実験を行い、将来の一般化、拡大に向けた検証を行います。
今回の取り組みでは、実証ルート上の2つの交差点で実証実験を行います(うち1つは感応式)。交差点の信号制御機に日本信号の専用無線装置を取り付けました。DeNAは、信号の灯色や残り時間などの信号サイクル情報を携帯電話網を用いてクラウドサーバーを中継し、リアルタイムに自動運転車両へ送る役割を担いました。本システムの開発においては、DeNAがこれまで培ってきたクラウドの技術やシステム作りの経験を活かし、低コストかつ汎用的な仕組みを実現しました。信号情報を受けた車両は、自動運転システムによって「進む」か「停止」かの制御を行います。
本実証実験を通して、道路側のインフラと車載システムが協調して事故を防止する「インフラ協調型システム」の導入を推進していきます。自動運転サービスの実現だけではなく、インフラやクルマからの情報を活用して、より完成度の高いシステムの実現を目指していきます。