loading
日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下 日本イーライリリー)と株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:岡村 信悟)の子会社である株式会社DeNAライフサイエンス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:米山 拡志、以下DLS)は、治験参加者の募集業務において提携しました。DLSが運営する個人向け遺伝子検査サービス「MYCODE」で取得した遺伝データをベースに治験情報を効率的に対象者に提供する新たな仕組みを構築し、2022年9月より試験運用を開始しました。
「MYCODE」は、DLSが運営する個人向け遺伝子検査サービスであり、がんなどの病気のリスクや体質などの遺伝的傾向について、最大280項目におよぶ検査結果と病気予防のための情報を会員に提供しています。また、Webツールを活用し、会員が自らの同意の下で積極的に研究開発に参加できるコミュニティ作りの仕組み“Community-derived science”を特徴とする会員参加型ゲノム研究プロジェクト「MYCODE Research」を展開し、現在、「MYCODE」登録者約12万人の中の9割が「MYCODE Research」に参加を表明しています。累計約20件のアカデミアや企業との共同研究を実施しています。
これまで「MYCODE Research」を医薬品の治験で活用する仕組み・実績はありませんでしたが、今回の両社の提携により、DLSによる厳格な個人情報管理のもと、治験参加者の募集に活用する仕組みを構築しました。
日本では他国に比べて治験での参加者募集は必ずしも容易ではなく、また、対象とする疾患によっては従来型の治験の募集が機能せず医療機関が治験参加者に個別にアプローチする必要もあるため、一定数の参加者を集めるには、多くの医療機関の協力と膨大な時間、費用を要しています。今回両社が構築した新しい仕組みでは、すでに研究開発への活用に同意を得ている方のうち、遺伝的傾向や将来の健康リスクが治験の目的や参加要件に一致する可能性が高い方を対象として選定し、それらの対象者に治験情報を提供することで、より効率的かつ精度の高い治験参加者の集積が期待できます。
また、この取り組みにより、「MYCODE Research」に登録された方にとっても、個人的体質から派生する可能性のある健康課題の早期発見、および、治験参加を通じこれらの疾患への理解を深める機会となることが期待できます。
治験情報の提供を実際に開始後すぐに候補者から具体的な参加に関する問い合わせを受けており、従来の手法に比べても高い効率性を示唆する兆候が示されました。
日本イーライリリーでは、世界中の人々のより豊かな人生のため、革新的医薬品を提供することを理念に、世界同時開発・上市を開発戦略とし、その基盤として、社外パートナーとの協働を含め日本における治験遂行能力を高めることに力を入れています。今回のDLSとの提携は治験候補者の治験導入の精度、効率を大幅に高めるものとして期待しており、現在進めている募集の状況を踏まえ、他の領域への拡大も含め検討していきます。
DLSでは、今回の提携を通じて、MYCODE会員に自身の体質や疾病に対する理解を深める機会を提供することで、健康寿命を延伸することを目指します。
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛などの領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://www.lilly.co.jp