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大阪府松原市(市長:澤井宏文)と、株式会社データホライゾン※1(本社:広島県広島市、代表取締役社長:内海良夫、以下 データホライゾン)、株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:岡村信悟、以下 DeNA)の三者は、セーフコミュニティ※2活動における高齢者の転倒予防対策の一環として、多剤服用※3と骨折の関係に関する分析を行った結果を公表します。
三者は、セーフコミュニティ活動における高齢者の転倒予防対策につなげるためのデータ分析等をはじめとしたヘルスケア分野に関する協定を2022年7月12日に締結しました。
多剤服用により転倒が発生しやすくなることは複数の論文によって示されています。そこで多剤服用に着目し、高齢者の多剤服用による転倒、骨折とその先にあるQOLや要介護認定との関係性等に関する分析を行うことで、松原市民の健康寿命延伸と、2025年に予定されている大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」につながる新たな研究成果の発信を目指しています。
今回の取り組みでは、データホライゾンが、松原市が持つ医療レセプトデータのクレンジング・匿名加工および多剤服用者の選定を行い、DeNAがデータ分析を行いました。なおこのデータ分析は匿名加工情報を用いているため、個人を特定することなく集団の傾向を把握する手法を用いています。
このデータ分析において、骨折既往歴のない松原市民のデータを使い、非多剤服用者に対する多剤服用者の骨折発生率比を評価したところ、2ヶ所以上の医療機関で処方を受けた場合、患者薬剤の一元管理ができないこともあり、骨折発生率の比は男女ともに65歳以上において約2倍であることが分かりました。これにより多剤服用と骨折リスクの関係性が示唆され、また、松原市において多剤服用の対策が骨折予防のために有効であることが示唆されました。※4
今後は多剤服用とQOLや要介護認定との関係性等についても分析を行う予定です。多剤服用による副作用リスクをデータから明らかにし、松原市民へ分析結果の共有や啓発活動等を通じて、市民の健康寿命延伸を目指します。
分析結果については、今後松原市から市民向けに発信を行います。
また、本取組は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が実施する「TEAM EXPO 2025」プログラムにおける「共創チャレンジ」に登録しており、協会が運営するホームページ内でも発信していく予定です。
※1 データホライゾンはDeNAの子会社であり、本件を含めDeNAグループ一体で医療費の適正化に取り組んでいます。
※2 事故や怪我の原因を究明することで、地域ぐるみで予防活動を展開するまちのことです。WHO(世界保健機関)が推奨する安全・安心なまちづくりに取り組むコミュニティとして、国際認証制度があります。
※3 2つ以上の医療機関で処方を受け、かつ処方日数14日以上で6剤以上の薬剤の処方を受けていること。
※4 処方薬については、医師により必要な薬剤が処方されているため、勝手に減薬をせず、医師や薬剤師に相談することが必要です。