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株式会社Preferred Networks(代表取締役最高経営責任者: 西川 徹、以下PFN)と株式会社ディー・エヌ・エー(代表取締役社長:岡村 信悟、以下DeNA)の合弁会社である株式会社PFDeNA(代表取締役社長:大井潤、以下PFDeNA)は、このたび、両社が目指す健康寿命の延伸、及び医療分野における社会課題解決を目的とし、PFNグループのAI技術や基盤モデルとDeNAグループの持つヘルスビッグデータやサービスを活用した新事業を開始したことをお知らせします。
本事業では、PFNとDeNA両社の強みを活かし、以下の取り組みを行う予定です。
現在、医師や専門家による健康指導は、経験値の違いやバイアスなどによるばらつきが課題となっています。膨大な個別事例の知識や最新の科学的エビデンスで訓練した基盤モデル*1を利用することで、健康状態の可視化や予測の精度も向上することが期待されます。
本事業では、PFN子会社の株式会社Preferred Elements(以下、PFE)が開発するマルチモーダル基盤モデルを、PFNグループが、DeNAグループ所有の膨大なデータやエビデンスを用いてヘルスケア領域向けにファインチューニング*2します。
ヘルスケア領域向けにファインチューニングされた基盤モデルをベースに、DeNAのサービス開発・提供ノウハウを活用しながら、ヘルスケア関連企業向けにPFNがソリューションを開発します。例えば、製薬会社向けには業界特有の煩雑な書類業務の効率化や治療効果の予測・シミュレーション、保険会社向けには引き受け業務の最適化や営業活動の効率化等などのソリューションを予定しています。そうしたソリューションを、DeNAグループの営業リソースやヘルスケア業界のドメイン知識を利用して、PFDeNAを中心に共同で展開していきます。
PFNは、深層学習などのAI技術をヘルスケアの領域で実用化すべく、様々な企業や研究機関と共同でオミックス解析、医用画像解析、健診・レセプトデータ解析などの研究開発を行ってきました。2023年11月1日には新会社Preferred Elementsを設立し、ヘルスケアを含むあらゆる産業の基盤技術としてのマルチモーダル基盤モデルの開発に取り組んでいます。
一方、DeNAは、2014年から健康寿命の延伸や医療費の適正化を目指し、ヘルスケア事業を展開しています。また2022年からは株式会社データホライゾン、株式会社アルムがグループインし、メディカル事業にも進出しています。DeNAのグループ会社であるDeSCヘルスケアが提供するヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」は、健保・自治体等の合計約70団体・300万人に利用されています。また、幅広いサービスを生活者・保険者等へ提供しながら、許諾を得て蓄積されるデータの利活用にも共同で取り組んでおり、利活用可能な保険者データベースは合計で1,250万人になりました(2023年9月末時点)。
*1 基盤モデル:大規模言語モデル、拡散モデルなど、大量のデータで事前に訓練しておくことによって、幅広いタスクに適用させることが可能な深層学習モデル。テキスト、画像、3D、センサー入力など様々な種類のデータが扱えるものはマルチモーダル基盤モデルと呼ばれる。
*2 ファインチューニング:事前学習した基盤モデルを別のデータセットを使って再トレーニングすることで特定の用途に合わせて微調整すること。