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株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:岡村 信悟)のグループでヘルスケア事業を展開するDeSCヘルスケア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:瀬川 翔、以下DeSCヘルスケア)のヘルスビッグデータを活用した研究の論文掲載および学会受賞についてお知らせします。
2024年8月、ヘルスビッグデータに関する医学雑誌「Drugs - Real World Outcomes」において弊社研究公募を通じてDeSCデータベースを用いて研究した慶應義塾大学 小俣先生を筆頭執筆者とする論文が掲載されました(詳細は以下を参照ください
https://link.springer.com/article/10.1007/s40801-024-00446-x)。
なお、本論文の元になった研究発表は、第27回日本薬剤疫学会学術総会にて優秀演題賞を受賞しています。
この度は第27回日本薬剤疫学会学術総会にて優秀演題賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。これまでご指導いただいた漆原先生、原先生に深く感謝申し上げます。
今回受賞の対象となったテーマは「高齢者におけるベンゾジアゼピン系睡眠薬・ガバペンチノイドによるめまい及び浮腫に関する処方カスケードの検討」です。処方カスケードとは、ポリファーマシーの一因として近年厚労省のガイドライン等で注意喚起されている事象です。本来原因薬の減量や変更でコントロールできる副作用に対し、対症療法薬を追加することで、別の副作用発現、更なる対症療法薬の追加…と滝(カスケード)のように処方が増えることを指します。超高齢社会の日本で医療の適正化が叫ばれる中、高齢者の安全な薬物使用と限りある医療資源の有効活用に少しでも貢献したいという思いをスタート地点に、このテーマに取り組みました。
研究結果は日本においてガバペンチノイド後のループ利尿薬処方が有意に増加しており、浮腫の副作用を介した処方カスケードが生じている可能性を示唆しました。
こうした処方カスケードの薬剤の組み合わせを明らかにすることで、日常診療における判断の一助になればと考えております。
本研究にあたりDeSCヘルスケア社の研究公募に応募いたしましたのは、DeSCデータベースが健康保険組合、国民健康保険に加え、後期高齢者医療制度のデータを多数保有しており、高齢者を対象にする研究に最適であったためです。今回データベースを使わせていただき、大変貴重な経験になりました。データをご提供くださったDeSCヘルスケア社の関係者の皆様へ改めて御礼申し上げます。
2024年9月7~8日に開催された第18回日本腎臓病薬物療法学会学術集会において、弊社研究公募を通じてDeSCデータベースを用いて研究した京都大学 國津 侑貴先生を筆頭演者とする学会発表が「優秀演題賞」を受賞しました。
この度は第18回日本腎臓病薬物療法学会学術集会において優秀演題賞を賜り、大変光栄に存じます。
受賞テーマ「レセプトデータを利用したTriple WhammyにおけるNSAIDs別のAKIリスク評価」は、レニン・アンジオテンシン系阻害薬と利尿薬を併用している患者において、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が加わったときのAKI(急性腎障害)リスクを解析した研究です。これら3剤の併用はTriple Whammyと呼ばれ、AKIリスクを高めることは報告されていましたが、その併用薬の作用機序や成分別にリスクを評価した報告はほとんどありませんでした。本研究ではNSAIDs追加によるTriple Whammy患者を調査し、NSAIDsの作用機序や成分別の解析では有意なリスク差がなかったことが示されました。
今後、他の鎮痛薬の評価も行い、エビデンスの創出に努めていきたいと考えております。
本研究につきまして、相談からデータ提供、その後のご支援まで、手厚くサポート頂きましたDeSCヘルスケア株式会社様、ご指導いただいている先生方に改めて御礼申し上げます。
今後ともDeSCヘルスケアは、リアルワールドデータを活用した研究を支援し、エビデンス創出を促進することで、生活者の健康寿命の延伸と医療費適正化の課題解決に貢献していきます。