loading
株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:岡村 信悟)のグループでヘルスケア事業を展開するDeSCヘルスケア株式会社(以下「DeSCヘルスケア」)は、同じくグループ会社である株式会社データホライゾンと協働の上、第95回 日本衛生学会学術総会にて「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」が生活習慣に及ぼす改善効果について研究成果を発表しました。
本研究では、糖尿病患者が腎不全や人工透析への移行を防止することを目的に厚生労働省が策定した「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」が、生活習慣の改善・維持に対する効果を検証しました。本プログラムの導入が進むことで、生活習慣の改善が期待でき、糖尿病性腎症の重症化予防、さらには透析導入患者の減少に貢献し、医療費適正化につながることが期待されます。
学会名:第95回 日本衛生学会学術総会
発表演題: 「糖尿病性腎症重症化予防プログラムにおける対照群を工夫した生活習慣改善効果の検証」
著者: 岩山 唯希(DeSCヘルスケア)、佐道 准也(DeSCヘルスケア)、今村 知明(奈良県立医科大学)、西岡 祐一(奈良県立医科大学)
糖尿病性腎症は、新規透析導入患者の約40%を占める深刻な糖尿病の合併症です。現在、医療機関や自治体で重症化予防プログラムが実施されていますが、効果にばらつきがあることが指摘されています 。そこで本研究では、診療報酬点数や受診日数を使った厳密マッチングを用い、プログラムによる生活習慣改善効果を検証しました。
2018年4月から2023年3月の間に株式会社データホライゾンが実施した糖尿病性腎症重症化予防プログラムの対象者を解析対象としました。 対照群と「指導群」と「指導群」に分け、背景因子を揃えるために厳密マッチングを実施。その後、両群の生活習慣の改善・維持割合の比を算出しました。さらにマッチング後の集団に対して指導前の生活習慣改善・維持情報で層別化し、同様の分析を行いました。
マッチング集団全体において、プログラムの対象者の方が生活習慣を改善・維持した割合が高いことが明らかになりました。特に、指導前の段階で生活習慣の改善が見られなかった集団では、その効果がより顕著に現れました。これらの結果は、本解析と感度解析の両方で同様の傾向を示しました。
本研究では、糖尿病性腎症重症化予防プログラムが生活習慣の改善に有効である可能性が示されました。特に、プログラム開始前に生活習慣の改善が見られなかった人々に対して効果的でした。引き続き、取り組みを継続し、より良いサービスとエビデンスの創出を目指していきます。
今後ともDeNAグループのヘルスケア事業は、ヘルスビッグデータを活用した研究を支援し、エビデンス創出を促進することで、生活者の健康寿命の延伸と医療費適正化の課題解決に貢献していきます。