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株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:岡村 信悟)のグループでヘルスケア事業を展開するDeSCヘルスケア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:瀬川 翔、以下DeSCヘルスケア)は、2024年12月に開催された第45回日本臨床薬理学会学術総会において、DeSCデータベースを用いて研究した慶應義塾大学 栗原百萌先生を筆頭演者とする学会発表が「優秀演題賞」を受賞したことをお知らせします。
■受賞演題の概要
「ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)の長期処方と診療報酬改定による影響の評価」
筆頭演者:慶應義塾大学 栗原 百萌 先生
この度は第45回日本臨床薬理学会学術総会にて優秀演題賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。これまでご指導いただいた漆原先生、岡田先生に深く感謝申し上げます。
今回受賞の対象となったテーマは「ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)の長期処方と診療報酬改定による影響の評価」です。BZDは承認用量範囲内の投与であっても長期間の連用で用量依存的に眠気やふらつきなどの副作用が増加することが広く知られています。
2018年診療報酬改定ではBZDが長期処方された場合に減算、処方を減薬した場合に加算とする規定が設けられました。
一方で、実習において患者さんに長い期間、BZDが処方されている現状を目の当たりにし、診療報酬改定の効果を検証することで、より良い政策立案に少しでも貢献したいという思いをスタート地点に、このテーマに取り組みました。
研究結果は、診療報酬改定前後で長期処方割合に特段の変化は見られない一方で、BZDが長期処方された患者のうち診療報酬が減算されていた割合は、極めて低い結果となりました。このことから、減算の除外要件である研修を受講することにより、減算を免れている医師が多くいる可能性を示唆しました。
今後は、研修の受講を減算の除外要件から外すなどBZDの使用に関する規制を見直すほか、医療従事者や患者さんに対する教育を強化すること、オレキシン受容体作動薬の使用や非薬物療法を推進するためのエビデンス創出を強化し、BZDの処方に頼らない治療を推進するための施策をより考えていく必要があると思っております。
本研究にあたりDeSCヘルスケア社のデータを使用いたしましたのは、DeSCデータベースが健康保険組合、国民健康保険に加え、後期高齢者医療制度のデータを多数保有しており、本研究の対象薬であるBZDは高齢者に多く処方されていることが明らかになっていることから、高齢者を主な対象とした研究に最適であると考えたためです。
今回データベースを使わせていただき、大変貴重な経験になりました。
データをご提供くださったDeSCヘルスケア社の関係者の皆様へ改めて御礼申し上げます。
今後ともDeSCヘルスケアは、リアルワールドデータを活用した研究を支援し、エビデンス創出を促進することで、生活者の健康寿命の延伸と医療費適正化の課題解決に貢献していきます。