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株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:岡村 信悟、以下DeNA)は、Cognition AI, Inc.(以下「Cognition AI」)が提供する世界初の自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」のエンタープライズ版(以下、Devin Enterprise)を、全社規模で導入したことをお知らせします。
DeNAは2025年7月にCognition AIと戦略的パートナーシップを締結して以降、自社内でのDevin Enterpriseの導入を進めてきました。Devin Enterprise導入における、自社クラウド内展開の設定、全社展開を行うために必要なアカウント管理方法の確立など、様々な課題を解消したことで全社導入に至りました。これにより、2,000人超の社員がDevin Enterpriseを利用可能となりました。
DeNAは、ゲーム、ライブストリーミング、ヘルスケア・メディカル、スポーツ・スマートシティなど、技術スタックもセキュリティ要件も異なる多種多様な事業をグローバルに展開しています。また、多くのパートナー企業との共同開発も行っているため、一律のツール導入ではなく、各事業のフェーズや機密レベルに応じた安全かつ効果的な活用環境の構築が不可欠でした。
この複雑な組織構造において、自律型AIによる「攻め」のDXと、組織としての「守り」のガバナンスを両立させるため、以下のプロセスを経て全社導入を実現しました。
多様な事業資産を保護するため、物理的に独立した環境としてDevin Enterpriseを当社クラウド環境内のVirtual Private Cloud(VPC)版で展開しました。さらに、シングルサインオン(SSO)連携を含む、当社独自の高度な認証・権限管理体系を確立。これにより、各事業部が自律型AIをそれぞれの業務ドメインに最適化された形で、かつ全社レベルの統制下で安全に利用できる体制を整えました。
スピード感を持って検証を進める一方で、大規模組織特有の課題を徹底的に解消するため、約半年の準備期間を設け、以下の3段階を経て導入を拡大しました。
各段階において、セキュリティ要件に基づき環境を使い分ける柔軟な運用を認めることで、ガバナンスの確保と利用促進を同時並行で加速させました。全社展開版の社内公開から、現在すでに40チーム以上での利用が開始しています。
本導入における技術的な詳細や、大規模組織でのAI統合に関する知見については、当社エンジニアブログにて解説しています。
https://engineering.dena.com/blog/2025/09/aj-devin-enterprise/
全社展開までの段階的導入の中では、ガバナンス面の担保をしつつ、Devinのコンピューターリソース (ACU:Agent Compute Unit)の消費状況の監視と、Devinの利用促進を目的とした成果創出コントロールを行いました。
Devin Enterpriseの利用料に直結するACUの利用状況は、実際の業務で利用されなければ見えない部分も多くあり、限定したチームで試験運用を行うことでその制御方法を確立しました。
Devinの真骨頂は、プログラミング言語やフレームワークを刷新する「コードマイグレーション」の自律遂行にあります。その能力検証として、社内の資産管理APIのモダナイズを実施しました。従来、PerlからGoへの移行は半年を要する大規模プロジェクトと想定されていましたが、Devinが主導して作業を進めた結果、わずか1ヶ月弱で完遂。作業効率を約6倍に高めるという驚異的な成果を収めました。 (詳細:エンジニアリングブログ参照)
JR関内駅前の大規模複合施設「BASEGATE横浜関内」にオープン予定の没入型体験施設「ワンダリア横浜 Supported by Umios」。本施設で利用するスマートフォンアプリの開発において、Devinを活用しました。 特筆すべきは、複数のリポジトリを跨いで仕様を理解する「マルチリポジトリ対応」の活用です。iOSとAndroidの並行開発において、一方のプラットフォームの実装内容を解析し、もう一方へ移植する作業をDevinが代行。コードの差分を的確に読み解くエージェント能力により、開発スピードを約2倍に引き上げ、プロジェクトの加速に大きく貢献しました。
海外パートナーと連携するオフショア開発においても、Devinは強力なクオリティ・ゲート(品質の門番)として機能しています。DeNAのチームが定義した仕様に基づき納品されたコードに対し、Devinが仕様書ベースのレビューから受け入れテストの作成・実行までを一貫して担当しました。 これにより、従来1〜2日を要していた検収作業が、わずか15分の入力と約2時間の確認で完了。さらにセキュリティチェックでは、社内専門チームの指摘事項の半分以上をDevinが先んじて検知・自動修正しました。数日から1週間におよぶこともあった専門チームの確認待ち時間をわずか数10分へと短縮し、開発サイクル全体の高速化を実現しています。
Devinの高度なコード解析能力を「仕様書の維持管理」に特化させ、エンジニアと非エンジニアの橋渡し役(コミュニケーションハブ)として運用する体制を構築しました。エンジニアによる最新の実装内容をDevinが常時把握し、ソースコードと仕様書の乖離を自動で検知・修正することで、常に「最新の正解」が記されたSSoT(信頼できる唯一の情報源)を維持。これにより、非エンジニアがエンジニアを介さず自律的に仕様を確認できる環境を実現し、確認スピードを一部ではわずか10分の1に改善させています。部署内における月間換算2,000時間相当のコミュニケーションコストの改善が目標となっており、ドキュメント作成の自動化に留まらない、仕様駆動開発による組織全体のオペレーション変革が進んでいます。
データ分析の領域では、Devinが提供する分析特化型エージェント「Devin Analytics Agent」を活用し、アナリストがエージェントを自らチューニング・運用する体制を構築しました。現在、ゲームサービス事業本部の分析部において、分析要件定義からSQL生成、可視化までの一連の業務を複数プロジェクトでDevinが自律的に遂行しています。Devinはクラウド上の共通環境で動作するため、個人のスキル差に関わらず組織全体のアウトプットを均質化できるだけでなく、利用過程でAI自らが制御に必要な知見を提案し、組織の運用能力を自律的に向上させる特性を持っています。この仕組みにより、AI活用におけるメンバー間のバラつきを抑制し、組織メンバー全員が3倍以上の業務効率化を達成するという極めて高い成果を収めました。
Devinの高度なコードリーディング能力は、エンジニア以外の職種にも大きな恩恵をもたらしています。営業担当者が顧客要望を受けた際、エンジニアを介さずDevinと対話することで、ソースコードに直接基づいた機能適合性チェックや追加開発の工数見積もりを実施しました。 従来不可欠だったエンジニアとの調整会議やMTGというボトルネックを解消した結果、約8倍の高速化を実現。Devinはエンジニアを単純なコーディング作業から解放するだけでなく、職能を超えてソースコードを介した迅速なコミュニケーションを可能にします。
DeNAは単なる導入ではなく全社での活用フェーズに突入して成功事例の全社横展開へ移行します。ソフトウェア開発プロセスの抜本的な変革を目指していくだけでなく、社内でのDevin利用ワークショップなどを通して、他AIツールとの組み合わせやDevinに適した利用方法を浸透させていきます。
加えて、自社での運用経験を活かし、国内企業向けに株式会社DeNA AI Linkより、以下のご支援を強化していきます。
Devinの導入や活用を検討されている企業、Devin導入後の横展開でお悩みの企業は、株式会社DeNA AI Linkにお問い合わせください(お問い合わせフォーム)。
AIを用いて日本社会の生産性向上をサポートするべく、AIのコンサルティングやソリューション提供をおこなっています。具体的には、日本中のAIに興味がある企業や経営者へのコンサルティングを実施しています。個別カスタマイズが必要な領域においては、AIの技術基盤となるソリューションの提供や、共同での事業開発を含めたAIエージェントの提供も検討していく予定です。さらに、グローバルでAIツールを展開する企業が日本に製品やサービスを投入する際のビジネス展開をサポートしています。
https://dena-ailink.com/
Cognition AIは、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)等から支援を受ける、世界初の自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」の開発元です。競技プログラミングの世界王者らを含む一流のAIエンジニアによって設立され、非常に短期間で巨額の評価額に達するなど、驚異的な成長を遂げています。同社は「Devin」自体の開発プロセスにも自社製品を投入することで、極めて高い生産性とプロダクトの進化スピードを実現。現在はAIコーディングエディタ「Windsurf」を統合し、ソフトウェア開発の全工程を自律的に完結させる次世代のエージェント・プラットフォームを提供しています。
https://cognition.ai/