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株式会社ディー・エヌ・エー、ネットスター株式会社、マイクロソフト株式会社、ヤフー株式会社、楽天株式会社のインターネット事業者5社は、6月6日の衆議院本会議で可決された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」について、表現の自由への制約やフィルタリングの発展の阻害等の課題が多いことから、参議院においては慎重な審議が図られることを求め、ここに改めて意見を表明します。
1.例示といえども有害情報の定義をすることは、本来、国民それぞれの価値観によって判断されるべきものを国が決めることなり、さらに削除等の努力義務を課していることと照らすと表現の自由に及ぼす影響が大きいと考えます。また、内閣府に設置される「インターネット青少年情報対策・環境整備推進会議」が定める「基本計画」の中で有害情報の定義をしていくという自民党の動きも伝えられるところでもあり、実質的に国が有害情報を定義していく根拠を与える法律として位置づけていることは、法文上「例示」としながら国が深く関与しようとしていることに他ならず、これらの事実を国民に開示することなくこの法律案が成立することには憂慮を覚えます。
2.本法律案は「フィルタリング推進機関」を国に登録することを予定していますが、登録制度を通じて容 易に国がフィルタリングの基準など表現の自由の制約につながるものへ関与できる余地が大きく残されており、この点にも賛成しかねます。
3.フィルタリングは情報を遮断する道具ではなく親権者に情報を管理してもらうための道具であるにもかかわらず、一律に情報を遮断することを想定してのフィルタリング強制は、フィルタリングの性格をゆがめるだけではなくフィルタリングそのものの発展を阻害するものに他ならない点でも問題があります。
当社らは、参議院において、上記のとおりの指摘を踏まえ、本当に青少年を守るにはどのようにすべきなのかを青少年や親権者などの視点をも見据えて、審議が図られるよう求めます。