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株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:南場智子、以下DeNA)は、本日開催の取締役会において、連結子会社であるDeNA Global, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、President:渡辺 大)を通じて、スマートフォン向けソーシャルゲームアプリを開発、提供しているngmoco, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Neil Young、以下ngmoco)の持分を100%取得し子会社化することと、買収対価の一部とするために第三者割当による新株式発行及び新株予約権発行について決議しましたので、お知らせします。
<買収の目的>
ユーザ数2,000万人を超える「モバゲータウン」において展開しているソーシャルゲーム(*1)は、DeNAの飛躍的な業績拡大の原動力となっています。現在「モバゲータウン」には、DeNA及びゲームデベロッパー各社から約500タイトルのゲームが提供されています。また、日本だけでなく世界のモバイル市場においては、スマートフォンの急速的な拡大が予想されています。このような環境のなか、DeNAは、これまでの取組みに加え、既にスマートフォン市場において強力な事業基盤を保有するngmocoとの一体運営を図ることにより、世界№1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速させることが重要と判断し、ngmocoを買収することとしました。
今回の買収によって、DeNAの強みである技術力、「モバゲータウン」によって培われたコミュニティ運営ノウハウ、マネタイゼーション(収益化)ノウハウ、ソーシャルゲーム企画力、ゲームデベロッパーとのネットワーク等と、ngmocoの強みであるスマートフォンにおけるゲーム開発ノウハウ、プラットフォーム開発力等を活かし、ユーザのみならずゲームデベロッパーにとっても最良のソーシャルゲームプラットフォームをスマートフォン市場に提供していきます。
具体的に提供するものとして、
1、ユーザに対しては、世界中で開発された豊富なソーシャルゲームとそれを楽しむコミュニティ機能を提供し、最も親しまれるエンターテイメント環境をスマートフォン上に実現します。
2、世界のゲームデベロッパーに対しては、ワンソースソリューション(iOSでもAndroidでも、「モバゲータウン」と「plus+ Network」を通じて世界市場に向けて同時にゲームを配信できる環境)を提供し、ゲーム嗜好性の高いユーザの大規模コミュニティを実現し、マネタイゼーションを強力に支援します。(*2)
<ngmocoについて>
ngmocoは、2008年6月にiPhone/iPod touch向けのゲームアプリを提供する会社として設立された米国シリコンバレーのベンチャー企業です。創業者のNeil Young氏をはじめとする優れた経営陣・開発陣が、緻密なデータ分析に基づき、主にダウンロード無料のアイテム課金型(*3)のソーシャルゲームを開発し、運営しています。スマートフォン向けソーシャルゲームの開発力・運営力では業界でもトップクラスであり、2010年9月末までに、「We Rule」「GodFinger」など17タイトルがApp StoreのゲームアプリランキングTOP10入りを果たし、アプリの累計ダウンロード数も5,000万以上となっています。年内には、Android搭載スマートフォン向けのゲームアプリも提供する予定です。
また、ngmocoは、ゲーム開発のみならず、2009年6月よりゲームコミュニティプラットフォーム「plus+ Network」のサービスも提供しています。2010年9月末現在、登録ユーザ数は1,200万人以上、他社開発を含む提供ゲーム数は119タイトルとなっています。年内には、Android搭載スマートフォン向けのサービスも提供する予定です。
さらに、ngmocoは現在、ソーシャルゲームの効率的な開発を可能にするゲーム開発エンジン「ngGame」(仮称)を構築中です。ゲームデベロッパーは、「ngGame」を利用することにより、一度の開発でiOSとAndroidの双方にゲームを展開することが可能となります。「ngGame」による自社開発ゲームを2010年内に市場に投入し、2011年前半を目途に、ゲームデベロッパーに対しても「ngGame」の利用環境を開放していく予定です。今後、「ngGame」と「plus+ Network」を一体化し、ソーシャルゲームの開発・運営をさらに効率的に行える体制を構築していくことが計画されています。
<DeNAの海外展開戦略について>
DeNAは、「モバゲータウン」を中核とするソーシャルゲームプラットフォームの強化に経営資源を集中し、「X-device」(クロスデバイス)、「X-border」(クロスボーダー)を2本の柱とする成長戦略を推進しています。「X-device」戦略とは、携帯電話、スマートフォン、PCなど様々な情報端末に対応したマルチデバイスのプラットフォームを構築するものです。2010年10月からは、ヤフー株式会社との共同運営によるPC向け「Yahoo!モバゲー」のサービスを開始しました。「X-border」戦略とは、プラットフォームをグローバルに展開するもので、現在は英語圏と中国において事業を推進しています。2010年5月からは、DeNAの連結子会社である株式会社ミニネーション(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:守安 功)が運営する英語圏のiPhone/iPod touch向け「MiniNation」のサービスを開始し、2010年9月には、米国においてゲームデベロッパーであるGameview Studios, LLCの買収、Astro Ape Studios, LLCとの資本・業務提携を行ってきました。
スマートフォン市場が急速に拡大することが想定される状況において、今回のngmocoの買収は、こうしたDeNAの成長戦略を格段に推進させると考えています。DeNAは、今回の買収後、スマートフォン市場においてはngmocoをプラットフォーム戦略の中核に据え、ソーシャルゲームのラインナップの充実に向けては、Gameview Studios, LLC、Astro Ape Studios, LLCなど子会社・出資企業等との連携も強め、早急に世界市場におけるトップ企業としての位置づけを確立していきます。
また、「MiniNation」は「plus+ Network」に統合する一方で、年内サービス開始予定の国内スマートフォン版「モバゲータウン」に「ngGame」を実装して「plus+ Network」の有力ゲームを展開していく予定です。これにより、国内外のゲームデベロッパーは、「ngGame」を利用し、スマートフォン版「モバゲータウン」と「plus+ Network」の双方に効率的にゲームを提供でき、収益機会を拡大することが可能となります。DeNAは、「plus+ Network」を「モバゲータウン」に並ぶ大きな収益の柱に育成していく予定です。
(*1) ソーシャルゲームとは、ゲーム内で、ユーザ同士が競いあったり、協力したり、情報交換をしながら一緒に遊べる、交流機能を持つゲームです。
(*2) iOSとは、米国Apple社のiPhone/iPod touch/iPadに搭載されているOS(オペレーティング
システム)です。Androidとは、米国Google社の携帯電話向けOSです。「plus+ Network」と
は、ngmocoが提供しているゲームコミュニティプラットフォームの名称です。
(*3) アイテム課金とは、ゲームをより有利に進めるためにゲーム内において使用できるアイテムを
販売する収益モデルです。
<買収の概要>
(買収形態) 当社普通株式、当社新株予約権及び現金を対価とした100%取得
(買収の対価) 最大で4.03億米ドル(約342億円) ※為替レート1米ドル=85円換算
(対価の内訳)
■クロージング(買収実行)時 合計3.03億米ドル(約257億円)
普通株式 1.46億米ドル(約124億円)
新株予約権 0.27億米ドル(約23億円)
現金 1.28億米ドル(約109億円)
■アーンアウト(業績連動型*1)時 合計最大1.00億米ドル(約85億円)相当
普通株式0.31億米ドル(約26億円)相当
新株予約権 0.12億米ドル(約10億円)相当*2
現金 0.56億米ドル(約48億円)
*1 2011年12月に終了する事業年度に係るngmocoの業績に応じて2012年6月頃までに支払
*2 新規の新株予約権の交付ではなく、クロージング時に交付された新株予約権の行使可能数が増加される
(買収資金)
・第三者割当増資による新株式発行 5,006,210株
・現金部分の支出については手元資金でまかなう予定(2010年8月31日現在、現預金は342億円)
・新株予約権の行使により交付される普通株式及びアーンアウト対価として交付される普通株式(合計、最大2,888,070株)は、自己株式(2010年10月12日現在3,370,861株)の処分により充当する予定
(希薄化)
①クロージング時の普通株式の発行により、3.4%(議決権ベース3.5%)
②クロージング時に交付された新株予約権が全て行使された場合には、合計で最大4.4%(議決権ベース4.5%)
③アーンアウト対価も含めると、本件買収総合計で最大5.4%(議決権ベース5.5%)
<異動する子会社(ngmoco)の概要>
(*1) ngmocoは2008年6月に設立された会社であるため、該当する数値はありません。
(*2) 2008年12月期は設立初年度のため、7ヶ月決算となっています。また、数値は、未監査です。
(*3) 2009年12月期は、米国会計基準に準拠して作成しています。
(*4) 1株当たり連結純資産及び1株当たり当期純利益は、種類株式が多いため、記載を省略して
います。
<日 程>
※買収の方法、取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況、第三者割当増資等の概要などについては、別添の説明資料および、株式会社ディー・エヌ・エーIR・投資家情報(http://www.dena.com/ir/index.html)をご参照ください。