株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)の子会社であるDeSCヘルスケア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:三宅 邦明、以下DeSCヘルスケア)は、「第28回日本健康教育学会学術大会」の学会賞を受賞、2019年6月30日(日)に「ICTを用いた健康増進サービスの継続利用と生活習慣病予防の予備的評価」と題した発表を行いました。
■研究内容
DeSCヘルスケアが2015年より健康保険組合などに提供する健康増進支援サービス「KenCoM」について、サービスの利用具合によって生活習慣病の罹患に差異があるかどうかの検証を行いました。
検証結果では、限られた対象における短期的な効果であり限界はあるものの、ICTを用いた健康増進支援サービスの利用による生活習慣病の罹患の低減について一定の効果が示されました。「KenCoM」が利用者の生活習慣病罹患リスクに及ぼす影響について示唆されたことになります。
なお本件はDeSCヘルスケア事業推進室データソリューショングループ 松島龍司、中野憲、谷芳明、順天堂大学医学部総合診療科 福田洋先任准教授との共同研究によるものです。
<検証方法>
2015年度に「KenCoM」の利用登録をし2016年度に特定健診を受診した34,916名を対象に、KenCoM利用状況と特定健診結果やレセプトデータに対し、時間経過ごとの生活習慣病(糖尿病、高脂血症、高血圧症、高尿酸血症、肝機能障害のいずれか)の罹患率を計測。
■発表について
学術発表では、DeSCヘルスケアが健康保険組合向けに提供する健康増進支援サービス「KenCoM」を通じて、利用者の生活習慣病罹患リスクの低減効果の予備的な評価を行う検証内容と結果について、DeSCヘルスケアの松島龍司が解説しました。また、これに先駆け「日本健康教育学会」学会賞「実践報告」部門において「優秀賞」※1も受賞しました。
<左からDeSCヘルスケア谷芳明、松島龍司、中野憲>
■研究背景
近年、スマートフォンの普及や健康への関心の高まりにより、多くの健康増進支援サービスが存在しています。一方で、それらのサービス利用により生活習慣病の罹患が低減するといったエビデンスを示した事例は限られています。
本研究では、「KenCoM」利用者のサービス利用履歴や健康診断結果、レセプトデータを含む匿名加工情報を一部の健康保険組合よりご提供いただき、健康増進支援サービスの利用が健康状態に与える影響を評価したものとなります。
■KenCoMについて
「楽しみながら、健康に。」をテーマに、健診結果の閲覧や個々の利用者に合わせた日々の健康情報が閲覧でき、イベントの開催やポイントの付与など、楽しく健康になれる仕組みを備えた健康増進支援サービスです。約80の健康保険組合のほか健診機関などと提携し提供しています。最大の特長は、高い利用継続率を維持し、生活者の意識改善や行動変容に明らかな影響を及ぼしていることです。平均の利用継続率が85%※2で、登録後1ヶ月間利用した方のうち運動意識が変わったという方が23%、食事意識が変わったという方19%という意識改善※3にも寄与していることが分かっています。DeNAグループがこれまで培ったエンゲージメントサイエンス※4やヘルスケアサービスのノウハウを組み合わせたことで、楽しく使い続けられ、健康的な生活を支援するサービスを実現しています。
※1 学会賞は、「実践報告」「研究報告」「若手報告(40歳未満)」の3種を設定し、それぞれ抄録内容から事前に「2演題・計6演題」を受賞候補として決定します。これら計6演題のなかから、「最優秀賞1演題」を決め、他5演題は優秀賞として、表彰します。( http://www.knt.co.jp/ec/2019/28nkkg/endai.html#gakkaihi )
※2 2016年5月~2018年4月の翌月リターンレート(継続訪問)の平均
※3 2017年9月登録者に対し2017年10月にアンケート実施
※4 DeNAグループのデータ分析力とサービス運用力に基づいて、利用者にサービスを使い始めてもらい、使い続けてもらうためのノウハウ