新型コロナによる新たな生活様式が浮き彫りに
「検温」や「散歩」が習慣化
半数以上が「ストレスが増えた」一方で、生活習慣は改善
飲酒・喫煙していた人の5人に1人は「減った」
運動する人・しない人の「逆転現象」が発生
株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)の子会社であるDeSCヘルスケア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:瀬川 翔、代表取締役医師:三宅 邦明、以下DeSCヘルスケア)は、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を通じて、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言下の生活に関するユーザーアンケートを行いました。
本アンケート結果は、DeNAのChief Medical Officer(CMO)、新型コロナウィルス対策本部長であり、DeSCヘルスケアの代表取締役医師の三宅邦明が解説します。
<調査概要>
調査対象:「kencom」を利用する(※)全国の20〜70代の男女7,311名が回答
(20代2.9%、30代11.9%、40代29.2%、50代42.4%、60代12.5%、70代以上1.1%)
(男性60.8%、女性39.1%)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年4月27日(月)〜5月7日(木)
文中の「コロナ前」について:政府や自治体等からの外出自粛要請や新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により、外出自粛・リモートワーク等、ライフスタイルが変化する前の状態を指すものとして回答を依頼。
※「kencom」、生命保険のお客様向けに「kencom」をベースに開発したアプリ「kencom×ほけん」
<サマリ>
当アンケートは、緊急事態宣言下の4月末から5月頭にかけて行いました。生活の変化によるストレスの増加、運動不足が改めて確認できた一方で「検温」や「散歩」といった新たな生活習慣が加わり、衛生面、食生活、睡眠、飲酒、喫煙においては改善や向上が見られました。
①悩み・ストレス
-健康関連の悩み1位「運動不足」、2位「食べ過ぎ」
-コロナ前と比べ「ストレスが増えた」58.5%
-ストレス発散法1位は「映画・ドラマ・番組鑑賞」
②衛生面
-コロナ前に比べ衛生面の意識がさらに向上 95.5%
-「検温」するようになった 70.9%
③運動
-運動する人・しない人の「逆転現象」が発生
-運動習慣のあるグループの17.1%が「特に運動しなくなった」
-運動習慣のないグループの12.3%が「週に数回」運動するように
-新たな運動習慣に「散歩」が加わる
④食生活
-「バランスを意識する」などの食生活の見直しに繋がった
⑤睡眠
-意識的に取るようになった
⑥飲酒
-「免疫低下を防ぐため」などの理由で21.2%が「減った」
⑦喫煙
-「コロナ感染時の重症化が怖い」などの理由で21.5%が「減った」
⑧家庭
-話題の中心は「コロナ関連のニュース」
⑨kencomに求めるサービス
-「運動動画」と「体温管理」
<調査結果>
①悩み・ストレス
健康関連の悩み1位「運動不足」、2位「食べ過ぎ」
コロナ前と比べストレスが「増えた」58.5%
生活の変化があって以降の健康関連の悩みは、「運動不足」が多く、次いで「食べ過ぎ」があげられました。
また、半数以上の人はストレスが増えたと感じており、その理由は「いつ終わるかわからないから」77.1%、「自粛生活を強いられているから」64.8%と高く(複数回答)、期限のない自粛生活に不安や不満を感じていることがわかりました。
特に男女で10ポイント以上の差が出たのは、「家族とずっと同じ空間にいるから」が女性26.9%、男性13.7%で、在宅勤務や学校閉鎖により家族といえどもずっと顔を合わせていることや三食の準備などの家事が負担となっているのではないでしょうか。
ストレス発散法1位は「映画・ドラマ・番組鑑賞」
男女ともに1位は「映画・ドラマ・番組鑑賞」44.7%でしたが、2位では男性は「運動」、女性は「食事」と分かれました。冒頭の質問の「現在、健康関連で気になること、悩み」に対して、特に女性の42.6%が「食べ過ぎ」と回答しており、その原因はストレスからきているのかもしれません。
なお、巣篭もり生活で注目された「オンライン飲み会」については4.2%と低く、アンケートを回答したkencomユーザーの84.3%が「家族・パートナーと同居」しているということもあり、低い結果となったのだと思われます。
②衛生面
コロナ前に比べ衛生面の意識が向上
-衛生面に配慮するようになった95.5%
-検温するようになった70.9%(男性69.8% 女性72.6%)
全体的に衛生意識はさらに高まっていることがわかりました。また、新型コロナウィルスの医療機関受診の基準にもなった「検温」が男女ともに習慣化してきているといえます。kencomを提供している企業の健康保険組合からも体温の管理機能について複数のご要望をいただいており、体温管理のニーズが高まっています。
③運動
運動する人・しない人の「逆転現象」が発生
-運動習慣のある人の17.1%が「特に運動しなくなった」
-運動習慣のない人の12.3%が「週に数回」運動するように
運動頻度についてコロナ前と比較したところ、週に1回以上習慣的に運動していたグループ(4375名)のうち17.1%が「特に運動していない」と回答。反対に、習慣的に運動していなかったグループ(2936名)のうち12.3%が「週に数回」運動するようになったと回答し、一部で運動量の「逆転現象」が起きたことがわかります。
習慣的に運動をしていた人は、トレーニングジムや公園など定期的に通っていた運動場所の閉鎖や3密回避などに伴い、運動の機会が失われている一方で、運動習慣のなかった人の一部にとっては、運動を習慣化するきっかけになったと言えます
新たに始めた運動法1位は「散歩」55.9%
全回答の中で、新たに始めた運動法で大きくポイントを付け1位だったのは「散歩」でした。運動習慣の有る無しに関わらず、誰でも手軽に始めやすいためだと考えられます。また室内で手軽にできるストレッチよりも高かったのは、巣篭もり生活が長引く中で屋外に出たいという欲求の現れと、屋外でも3密を避けて取り組める運動として注目されたのではないでしょうか。
④食生活
「バランスを意識する」などの見直しに繋がった
-自炊が増えた 46.2%
-栄養バランスを意識 46.7%
コロナ前に比べて自然と自炊が増えたことで、同時に栄養バランスを意識するなど、食生活を見直す傾向が見て取れます。
⑤睡眠
意識的に取るようになった
-十分取ろうと思うようになった 55.8%
-コロナ前よりも睡眠時間が長くなった 33.6%
自宅に滞在する時間が長くなったことで、寝る時間も早まり睡眠が十分に取れるようになった人が半数以上となり、結果的に睡眠時間が長くなっている方も出てきています。
⑥飲酒
5人に1人は「減った」
-飲酒していた人(4933名)の17.9%は量が「増えた」、21.2%は「減った」
飲酒が減った理由としては、「飲みに行かないから」「自宅だとあまり飲まない」という生活の変化に伴う受け身の理由の一方で、「免疫低下を防ぐため」「運動不足だから」「カロリーが気になる」といった自主的な体調管理を理由とするものが目立ちました。
⑦喫煙
5人に1人は「減った」
-喫煙していた人(1129名)の15.1%は量が「増えた」、21.5%は「減った」(Q27)
喫煙が減った理由としては、「コロナ感染時の重症化が怖い」「肺への負担軽減」など、喫煙による新型コロナ感染時の体調悪化に配慮した理由が最多でした。また有名芸能人の訃報をきっかけとした回答もあり、喫煙習慣を見直す動きがみられました。
⑧家庭
話題の中心はコロナ関連のニュース 80.2%
ほとんどのご家庭でコロナ関連のニュースの話題が上がっており、一番の関心事であったといえます。
⑨「kencom」に求めるサービス
運動動画 46.8%
体温管理 37.3%
「kencom」では、新型コロナウィルス関連の専門的な知識や生活に役立つ情報はすでに配信をしていますが、さらに運動不足を解決する「動画」と習慣化しつつある「検温」をサポートする機能のご要望を多くいただきました。「kencom」ではこれを踏まえ、体温の管理機能を2020年5月26日(火)より提供開始しています。また動画コンテンツの配信についても前向きに検討しています。
まとめ
2020年5月25日(月)、緊急事態宣言が解除されましたが、完全な終息まではまだ時間が必要であり、安心しすぎることなく「適切に怖がる」ことが大切です。
今後も在宅勤務等の生活が続く方も多いことと思いますが、アンケート結果の通り、運動やストレス対策の支援が必要です。一方で、生活の変化がきっかけとなり生活習慣の見直しに繋がったことは前向きな現象といえます。
我々DeNAヘルスケアとしては、生活者の皆さまのこのような変化に着目し、新型コロナウィルスの終息に向けて寄り添ったヘルスケアサービスを提供してまいります。
三宅 邦明(みやけ くにあき)
株式会社ディー・エヌ・エー
Chief Medical Officer(CMO)・新型コロナウィルス対策本部長
株式会社DeNAライフサイエンス・DeSCヘルスケア株式会社 代表取締役医師
【kencomについて】
「kencom」は、「楽しみながら、健康に。」をテーマに、個人の健康増進をサポートするヘルスケアエンターテインメントアプリです。DeNAグループがゲームやスポーツの事業で培ったエンゲージメントサイエンス※1のノウハウを組み合わせることで、健康意識の高くない方でも楽しく使い続けられることを目指しています。
これまで約80の健康保険組合や健診施設へ提供(合算約300万人規模)しており、アプリの利用継続率は60%以上の水準※2を維持しています。また、登録後1ヶ月間利用した方のうち運動意識が向上・習慣が改善したという方が37%、食事意識が向上・習慣が改善したという方が29%という意識・習慣の改善※3にも寄与していることが分かっています。
※1 DeNAグループのデータ分析力とサービス運用力に基づいて、利用者がサービスを使い始め、継続するためのノウハウ
※2 アプリ利用者の累計登録者に占める、その翌月の利用者数比率の平均
※3 2019年4月〜9月登録者に対し登録約1ヶ月後にアンケート実施