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DeNAでは創業以来、データ分析を基盤とし事業を成長させてきました。ゲームを始めとしたエンターテインメント事業などを通じて、脈々と培われてきたデータ分析のロジック、オペレーションなどが、ヘルスケアやスポーツなどDeNAの新たな事業展開にも活かされています。今回は、事業の急成長に伴い大量のデータ分析が必要となった、ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」での事例を軸に、DeNAのデータ分析についてお伝えします。
DeNAでは、事業やサービスに直結した貢献につなげる為、各事業を横断する形でデータ分析を専門とするデータアナリストが各事業やサービスの立ち上げ時から事業部に入り込み、事業部と伴走しながらサービスを作り上げています。
2020年度には、AI技術をサービスや事業へ適応・活用させるAI関連部門と分析推進部とを統合しデータ統括部に。2022年現在では、データ本部へと昇格し80名以上が在籍する規模となりました。ミッションには「データの力を引き出し『想像を超えるDelight』を創造/加速する」を掲げるなど、事業に伴走しながら課題の抽出、データの収集・分析・活用までを一気通貫でおこない、事業の成長に寄与しています。
分析を専門とする組織を独立して自社に抱えること自体が国内の企業では珍しいといわれるなか、実業務においては事業部門に深く入りこむ組織形態をとることで、データ本部として横断した人材の育成や柔軟なアサインを通じて専門知識の共有をおこなっています。これにより、各事業にアサインされたメンバーは理念や目指すDelightをより深く理解し、事業の成長を常に念頭におきながら、データ分析がおこなえるという強みを発揮しています。
2017年にサービスを開始しダウンロード数372万(2022年3月末時点)を超えるPocochaでは、年間約1,500件を超えるユーザーイベントや企画が複数同時に進行しており、仮説検証を通した分析が屋台骨を支えています。事業の成長や新しい企画に寄り添うDeNAの分析は、現場になくてはならないもので、それは「空気のよう」とも言われるほど、あたり前のプロセスとして存在しています。
幅広く数も多いユーザーを抱えるPocochaは、DeNAの中でもデータドリブンなサービスです。施策を実施するにあたって必ずといっていいほど仮説検証をおこなっています。その為、データ分析の効率化は、次の施策や企画の遂行スピードにも繋がる、つまり事業の成長に直結していると言えます。
ところが、コロナ禍の影響もあり2020年頃からユーザー数が急増しサービスが好調な一方で、分析/レポーティングの重要度、分析量も増加。これまでデータアナリストが分析と一貫しておこなっていたデータ整備が追いつかなくなり、本来の分析業務への集中が妨げられる結果となりました。さらには、分析業務の一環として必要なデータの、欠損や重複などについての確認作業にも負荷がかかり、迅速かつ正確な分析をおこなうことが難しい状況になっていました。
そこで、データ分析する為のデータを整え、仕組みをつくることを専門とするデータエンジニアをアサインし、データエンジニアとデータアナリストが密に連携する体制を構築。データエンジニアがデータ基盤を整えたことで、数百のテーブルから都度必要なデータを抽出することに割かれていた時間が大幅に短縮されるなど、データ分析の効率化を実現しました。
密な連携とシステム構築によりデータ分析の処理速度が上がった結果、これまでおこなっていたイベントなどの施策だけでなく、ユーザーコミュニティやアイテムなどにもデータ分析が活かされるようになるなど、データ分析からPocochaの成長に寄与できる仕組みがこれまで以上に整いました。
このように、DeNAではデータ分析を大きな基盤とし、お客さまに楽しんでいただけるエンタメ性、つまり「面白さ」に向き合っています。
DeNAのデータ分析の強みは、データ活用や技術応用に対し卓越した専門性を持つ人材が、事業に深く入り込みながら力を発揮し、課題抽出からデータの分析、課題解決の一端まで一気通貫でできることです。今後もデータ分析という視点からサービス価値を生み出し磨き続けることで、既存事業の成長へ関わり、また、新規事業の創出にも大きく貢献していきます。
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