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1台のスマホと1枚のイラストだけで、いつでも・だれでも・どこでも「キャラクターライブ配信」を楽しめるアプリ「IRIAM(イリアム)」。「キャラ」になるにあたって、PCなどの複数機材やキャラモデリングなどは不要で、AIの力で誰でもキャラ配信を気軽に楽しむことができます。2018年10月にサービスを開始し、2022年3月末で75万ダウンロードされています。
DeNAでは2020年からIRIAMに出資。2021年にはIRIAMがDeNAグループへと100%仲間入りし、DeNAでのライブ配信事業を更に成長させるべく道のりを共に歩み始めました。
【DeNAとライブ配信①】に続き、2回目であるこの記事では、この「IRIAM」の持つ独自性、またDeNAのライブ配信事業がどのようなビジョンを描いているのかを、グループエグゼクティブでライブストリーミング事業本部 本部長である住吉政一郎に聞きました。
イラストとスマホだけあれば、アップロードしたイラストが独自に採用されたAIにより実際に喋っているように動き、誰でも簡単にキャラクターライブ配信ができるIRIAM。キャラクターになりきってライブ配信ができるので、ライブ配信に興味はありつつも顔を映すことに抵抗がある人でも気軽に始めることができます。
IRIAMでは、配信時の核となるイラストを描く作家を“ママさん”と呼んでいます。そのママさん自体がライバーさんと一緒に配信などコミュニティに参加し、他のリスナーさんと一緒に次の季節の衣装を考えたりすることも。ライバーさんとリスナーさんという双方向のコミュニケーションだけでなく、ママさんという存在がライブ配信コミュニティに存在することは、IRIAMのコミュニティにおける特徴でしょう。また、ライバーさん、リスナーさん、ママさんの全員がキャラを愛しており、キャラが中心となったコミュニティ形成が行われています。
IRIAMの最大の特徴は、ライバーさんが2Dで描かれたキャラになれるUXです。キャラになることで、その人の可能性や魅力を引き出すことができます。作家の描く2Dイラストになるというのは、実写に比べ表現の幅が狭いように感じるかもしれません。しかし、実際は逆です。
2Dのイラストではデフォルメすることで、見せるものと見せないものの強弱をつけ、見せると決定したものしかイラストとして表現されないので、伝えたい情報がより端的に伝わるという利点があります。2Dでの表現は、デフォルメや記号として情報を受け取ることに慣れている方たちにとって親しみやすいものになります。また、アニメや漫画などの2Dに触れることの多い日本では、2Dという表現形式が文化として根付いています。
2Dのイラストに関心がある層にはIRIAM、実写でのライブ配信を選ぶ方にはPocochaが合うというようにターゲットがセグメントされ、プラットフォームにマッチしたユーザーを集めることができ、それぞれ成立するだろうと考えました。また、実写でのライブ配信であるPocochaにおいても、「可愛く、かっこ良く」デフォルメする文化をつくってきているので、デフォルメした表現のできる2Dの表現力へ魅力を感じたことは、共に成長していけると決断した理由の一つです。
出資を開始し、チームのメンバーと話しをしていく中、アイテムを用いてのライバーさんとリスナーさんのコミュニケーションがベースになっていたり、小・中規模に枝分かれしたコミュニティが活性化することをよしとする思想を持ったコミュニティ設計を描いていたりなど、プラットフォームに対しての考え方がPocochaと似ている部分が多くあることに気づきました。
また、ユーザー指向性がとても強いチームで、メンバー自らがサービスを熟知し、ユーザーについての理解も深い。彼らと一緒なら、DeNAが培ってきたノウハウを活かしながら切磋琢磨しあえる未来が見えると思いました。
国内のライブ配信市場はまだまださまざまなチャレンジができるフェーズです。そのため、事業の成長に合わせた運用と体制設計をおこなっていく必要がありますし、投資としても伸ばしていきたいと考えています。
Pocochaがリリースされて約5年たった今も変わらず思うことは、リアルタイムにライブ配信を通じてされるコミュニケーションの価値は、これからもっと当たり前のものとして存在していくだろうということです。実際に、さまざまなSNSにライブ配信機能が追加されています。今のライブ配信プラットフォームはコミュニケーションがベースになっていると思いますが、ライブ配信上の体験はこれからどんどん多様化していくはずです。DeNAのライブ配信では、その多様性に応じ、それぞれの価値を提供していきたいと考えています。
PocochaやIRIAM、また音声ライブ配信アプリ「Voice Pococha」など、それぞれのライブ配信には、それぞれに適したフォーマットがあり、そこにマッチするユーザーがいます。一つひとつのサービスの中で特徴や個性を活かし、さまざまな体験を作っていくことはこれからもどんどん磨いていきたいと思います。
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