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2022年4月1日に、DeNAへ75人の新卒が入社。そのうち、エンジニア33名が2ヶ月半の新卒エンジニア研修を経て、7月より各事業部へ配属されました。
新卒エンジニア研修内で、プロダクト開発体験を1ヶ月かけて実施。実用化を前提とし、研修の場限りではない体験を得ることを目指しました。社内で安定運用に至るプロダクトの一例と、『モノづくり』力の育成を目指すDeNAの取り組みを紹介します。
異なる事業領域をまたぐDeNAではさまざまな技術が存在し、プロジェクトごとに扱うエンジニア言語やフレームワークも異なります。さらには、新規事業への参入や技術進化などにより、常に新しい技術課題が生まれています。
そのため、配属後もエンジニアの学習に終わりはありません。時代を捉えながら良質なプロダクトを生み出し続けるために、自分に不十分な要素を見極めて戦略的に習得していく能力が不可欠です。それはエンジニア研修においても同じで、限られた時間で自律的に学習し、プロダクトを開発し、それをアウトプットする場として設計しています。
仲間と共創する楽しさを知ってほしい。学んだことが活きた経験を積んでほしい。そんな思いから、心理的安全性を高めるためのワークセッションや、チーム内で「不得意なことを開示する」「仲間へ説明する/影響を与える」「仲間から学ぶ」ための場づくりにも力を入れました。
新卒エンジニア研修の集大成として、プロダクト開発体験を新卒デザイナーと合同で実施。与件整理、仕様書の策定、プロトタイプでのテスト検証、開発、ローンチに至る一連のプロセスを経験することを目的としています。
「文化浸透や学習支援、業務効率化における課題を解決する」をテーマに、チーム開発に挑み、完成した6つの社内ツールが2022年7月4日にローンチ。リリース報告会を全社向けに催した際には、250人を越える既存社員がリアルタイムで参加するなど、社内からの期待を集めました。
「SlackにポストしたコメントがPC画面に表示され、オンライン会議を盛り上げるためのサービス」や、「トレンド解析結果を関連ユーザーやチャンネルと併せてMap上で表示させ、Slackでのトレンドを可視化するサービス」他、さまざまな社内ツールが誕生しました。具体例を紹介します。
DeNAメンバーの個人ブログを収集し一覧で見ることができる社内ツール「colorbus」。社員名簿(TALENTBASE)と連携しているため、「この記事あの人が書いていたの?」「この話題に詳しい人が社内にいる!」など、社員名だけでなく部署やキーワードでなどで検索できます。社内ユーザーからは機能の充実性や使い心地、部門をまたいだ技術知見の流通ツールとして受け入れられ、リリース後も安定的な運用に至っています。
colorbusを含む6つのサービスは、ユーザーアンケートを基にCPF(顧客が設定する課題への適切性)やNPS(サービス推奨者の割合)など、定量定性的に総合評価されたのち、新卒開発メンバーへフィードバックされました。配属後は、社内の技術部門(CTO室)が主幹となり、利用状況を見ながら改善・運用していきます。
新卒エンジニア研修は、通常業務とは違う技術に没頭できる唯一無二の場です。33人のエンジニアが2ヶ月半の月日を共にする好機を活かすべく、今回のテーマの選定に至りました。社内ツールの開発は全社的なニーズがあるにも関わらず、事業に紐付いていないためリソースの確保が難しい。その反面、全社課題を解決するツールがリリースされれば、社員からの安定的な利用を望められるため、意義のある題材になるのではと考えました。
VUCAの時代*とも呼ばれているくらい、世の中は予測不可能な変化をし続けています。これからの時代を切り拓くためには、学び続ける習慣や周囲を巻き込む力が必要となっていきます。新卒エンジニア研修での「学ぶことが楽しい」「仲間との共創が楽しい」と感じる成功体験が、DeNAにおける「モノづくり」力の一助になり、世の中にデライトを届けられれば幸いです。
*「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」の頭文字を並べたもの
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