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個人向け遺伝子検査『MYCODE(マイコード)』は、健康増進活動のサポートや医科学研究を同時に推進することで、健康寿命の延伸に繋がるエビデンス創出を目指しています。病気や体質と遺伝子との関わりの解明や、病気の予防法の開発などを目指すゲノム研究プロジェクト『MYCODE Reseach』は、約90%のMYCODE会員が研究参加に同意してくださり、アカデミアや製薬・食品企業との共同研究をおこなっています。
博士研究員を経て、共同研究を含めた研究職に従事する石田 幸子が自身のキャリアとともに、研究を推進する意義や思いについて語ります。
※本記事は、DeNA HEALTHCARE 「研究者から会社員になっても、やれることは狭くならない。」を当サイト向けに一部リライトしました
私は入社以来、『MYCODE』のデータを使ったアカデミアや企業との共同研究計画、研究参加者とのコミュニケーション方法の企画、データ分析、論文作成など、幅広い業務をおこなっています。
『MYCODE』というサービスの会員を対象にした研究であるため、サービスチームと協力をしたり、会員とコミュニケーションをとったり、共同研究先の方とやり取りをしたり、社内の法務とやりとりをしたり……。いろんな人と一緒に進めることがとても多いです。また、チームはバックグラウンドが多種多様なメンバーで構成されています。製薬会社に勤めていた人、ファンドの視点を持っている人、博士号を持っている人、インフォマティクスに強い人……。何でも共有し合う文化があるため、日々いろんな学びを得ながら業務に励んでいます。
ゲノム研究プロジェクト『MYCODE Reseach』では、約90%のMYCODE会員が研究参加に同意してくださっています。この協力が本当に有り難いです。実際に、腸内フローラの共同研究では応募開始から1時間で350名の方が参加応募してくださりました。1000人枠の募集に対して、最終的に2000名弱の参加者が集まりました。これは、想定していた以上のスピードと結果でしたし、何より会員の気持ちが伝わってきてとても嬉しかったことを覚えています。だからこそ、きちんと分析をして結果を出さなくてはと思いました。
研究者として働いていると、成果だけに囚われてしまいがちです。でも、協力してくださる会員の方々がいるということを日々忘れないように心がけています。DeNAライフサイエンスは設立から約8年と、研究機関・組織としてはまだまだです。また、研究をしたら論文を出したり、会員に報告をしたり、成果をしっかり残していかなければなりません。そうしてコツコツ成果を積み重ねることで、研究機関として成長していけると考えています。
そして、「科学にも進歩をもたらし、会員にもメリットをもたらす」という視点を忘れずに研究に取り組みたいです。たくさんの会員が研究に参加したいと言ってくださっているこの現状を、いろいろなことに活かしていけたら良いな、とも思っています。研究の成果から、サービスやアプリ、さらには薬を開発するということもできるかもしれません。世の中に還元されるところまでを見据えた研究をしていければ素敵ですよね。
『MYCODE Research』では、遺伝子検査でお預かりする遺伝情報や属性情報に加えて、研究の目的に合わせてアンケートなどを活用し、アカデミアや製薬・食品企業との共同研究を実施しています。そして、「健康寿命」を延ばすチャレンジを加速させることで、少し先の未来で「あのときDeNAがいたから、世界が健康になったよね」と1人でも多くの方に言っていただけることを目指します。
また2021年9月からは、新型コロナウイルス感染時の重症化リスクの遺伝的傾向が分かる新検査項目を追加しました。
コミュニティ作りのノウハウなど、DeNAがエンタメで培った強みを活かしながら、研究を通して広く社会に貢献し、健康長寿社会の実現の推進となる研究活動・事業発展を続けていきます。
●石田幸子
株式会社DeNAライフサイエンス MYCODEサービス部 R&Dグループ 研究員
大学・大学院で細胞生物の研究に従事。博士号取得後は博士研究員として公的研究機関や大学で引き続き研究をおこなう。その後、「一般の人に近いところで研究と社会の架け橋になりたい」と考え、2013年に『MYCODE』立ち上げの話を耳にし、DeNAライフサイエンスへ入社、現在もMYCODE Researchのさまざまな研究に従事している。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです