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横浜市旧市庁舎街区活用事業*の一環で、2026年春の開業を目指しているライブビューイングアリーナの先駆けとなる直営店舗「&LIVE」(アンドライブ)を5月12日(木)に横浜関内にグランドオープンしました。
どんな空間を目指すのか、スマートシティ事業本部スマート・ベニュー推進部企画グループのグループリーダー、中寺 康太郎さんに話を聞きました。
*三井不動産を代表企業として、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、DeNA、東急、星野リゾートから構成されるコンソーシアム「KANNAI8(カンナイエイト)」が、2019年9月4日に横浜市から横浜市旧市庁舎街区活用事業の事業予定者決定を受け、横浜市が策定する「関内駅周 辺地区エリアコンセプトプラン」の目指す「国際的な産学連携」「観光・集客」機能の導入を図り、賑わいにあふれる地区の形成に貢献していく取り組みです。
――&LIVEの概要を教えてください
中寺:&LIVEは、横浜DeNAベイスターズを中心としたプロ野球の試合中継や、そのほかのスポーツ、音楽ライブなどのさまざまなコンテンツを大画面でかつ、飲食も楽しむ施設です。
2026年の春には、横浜市旧市庁舎街区において、3,000平米程の大きなライブビューイングアリーナ(以降、LVA)施設の開業を予定しています。
しかし、スタジアムやアリーナなどに足を運びスポーツ観戦や音楽などの興行を楽しむ市場は既に確立されていますが、「ライブビューイング」という文化や市場は、まだ日本に根付いていません。
そこで、2026年のLVA開業に向けて、お客さまの求めていることや喜んでいただけることが何かを、お客さまと一緒に見つけていく為に&LIVEをオープンさせました。
――名前の由来は?
中寺:「ライブビューイング=生配信」ならではの、再現性のないワクワク感やドキドキ感を楽しんでいただきたい。
また、横浜DeNAベイスターズの試合はもちろん、横浜を拠点としたサッカーチームや、バスケの試合の配信も予定しており、試合を観ながらの飲食やイベント演出など、LIVEに掛け合わせた新たな楽しみ方や価値がうまれる施設にしていきたいという想いを「&LIVE」という名前に込めました。
これまでDeNAは、横浜DeNAベイスターズの試合を通して、感動やワクワク感をお客さまに伝えてきました。一方で、コロナ禍前には横浜スタジアムの座席の稼働率は満席に近く、チケットが欲しくてもなかなか手に入らないという課題もありました。そこで、横浜スタジアム以外の場所でも試合が楽しめる空間を提供したいという想いがきっかけとなり&LIVEが誕生しています。
横浜スタジアムでは生観戦ならではの臨場感ある楽しみ方に価値がありますが、ライブビューイングでは横浜スタジアムでの観戦とは違った応援体験など、その場でしか楽しめない仕組み作りを目指しています。また、横浜スタジアムに入りきれなかった熱量を届けられるサテライトの役割だけでなく、スポーツを飛び越えて音楽などのエンターテインメントの配信もおこなっていく予定です。
&LIVEでは、日々お客さまの声やフィードバックを拾っていきながら、お客さまと一緒にどういった楽しみ方や空間にしていくべきか反映していきます。
――空間デザインで意識したところはありますか?
中寺:&LIVEは地下の空間になるので、どなたでも入りやすいような爽やかさを意識しました。
中寺:横浜のスポーツチームのユニフォームや写真を飾ったり、コートの白線を店舗内に描いたり、スポーツの爽やかさや清涼さを表現する空間デザインを意識しました。
また横浜らしさにもこだわっていて、地元の家具メーカーさんと連携し、横浜の港で集めた廃材をテーブルや椅子、バーカウンターで使用したり、地元の企業にオーダーしネオンサインを制作するなど、横浜の皆さんと一緒に応援していこうというストーリーを大事にしています。
――スマート・ベニューとして目指していることがあれば教えてください
中寺:横浜の街の賑わいになるような磁場を一つでも多く作りたいと考えています。
今は横浜スタジアムにお客さまが集まってくださっていますが、野球にはオフシーズンがあるため、その時期には人が少なくなり街の賑わいが減ってしまいます。
DeNAが持つIPやコンテンツ、パートナーシップを最大限活かし、年間を通して賑わいのあるまちづくりの一端を担えたらうれしいです。
その一環として、まずは&LIVEで貢献していきたいと思っています。
野球のオフシーズンには、バスケやサッカーといった他のスポーツを積極的に放映して盛り上げていきたいです。また他の施設と連携し、音楽やお笑いといったエンターテインメントの提供など新しい取り組みにどんどん挑戦して、街の賑わいや発展に貢献できる、新たな横浜の集客装置になりたいたいですね。
――目指す世界観を教えてください
中寺:ライブビューイングをスポーツ観戦の際の選択肢の一つにしていきたいです。スタジアムやアリーナで観戦するのも、ライブビューイングで楽しむのもそれぞれ別の価値があって楽しいという世界観が理想です。
それには、スポーツのリテラシーや知識は人によってさまざまですが、知識に差がある人々が集まっても一体になれる仕組みづくりや、思わず応援したくなる空間にしていく必要があると考えています。
スポーツに詳しくなくても、&LIVEからお客さまにスポーツの楽しみ方を提供していきたいです。
中寺: 例えば、試合に出場している選手のカードをランダムにお客さまに配り、そのカードの選手を応援していただき、その選手がヒット1本打ったらビールが半額になるといったといったことを考えています。その選手をそれまで知らなかったとしても、応援するきっかけをつくることで、つい応援したくなる仕組みを提供していきながら、ライブビューイングならではの楽しみ方を作っていきたいと思います。
また、大きなビジョンで観られる、音が素晴らしい、料理が美味しいといったことも大事な要素ではありますが、それだけではライブビューイングとしては成り立ちません。
先ほどお伝えしたような、思わず応援したくなる仕組みやそこでの出会いなどを、能動的に&LIVEから提供していくことが、ライブビューイングの価値や特徴の一つにしていきたいと考えています。
あまりスポーツに興味がなかった人でも、&LIVEでスポーツ観戦を体験してもらうことで、自然とファンになったり、横浜スタジアムなどの実際の試合会場にも行ってみたいと思ってもらえたりするサイクルが生まれたら理想的です。
2026年のLVAのオープンに向けて、リアルとITの融合、さまざまなサービスの横断や掛け合わせなど、DeNAにしか出来ないことにトライしていきながら、お客さまと一緒に空間づくりをアップデートしていきたいと思います。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです