loading
DeNAと株式会社バンダイナムコフィルムワークスは、スマートフォン向けゲームアプリ『takt op. 運命は真紅き旋律の街を』を6月28日より配信開始しました。DeNAと広井王子氏が原作を手がける本作は、音楽の力を身に宿した少女たち「ムジカート」とともに人類の敵「D2」に立ち向かう、世界を調和に導くシンフォニックRPGです。
「takt op.」は、アニメとゲームの両輪であるメディアミックスプロジェクトとして2017年から始動。イラストレーターのLAM氏やキーピアニストのまらしぃ氏を始めとする、著名なクリエイター陣を巻き込んだ壮大なプロジェクトとなりました。
ゲームの前日譚を描いたTVアニメ『takt op.Destiny』には、株式会社MAPPAと株式会社マッドハウスが加わったことでも大きな反響を呼び、「takt op.」の公式Twitter(現「☓」)の登録者数が10万人に達するほどの盛況を見せます。
ところが、アニメのクライマックスに向かっていた2021年11月、DeNAはゲームリリースの仕切り直しを発表。なぜ、完成間近のゲームを一旦止めたのか。当時の葛藤と1年半の裏側を、運営プロデューサーの張本 龍司とマーケティング責任者の髙島 彩に聞きました。
ーーそもそも、なぜ仕切り直しが必要だったのですか?
張本:実はαフェーズ(ゲームの大枠)が2021年の春に出来上がっている状態でした。なのですが、アニメの反響が想定を遥かに越えていまして……。
開発を始めた2017年から4年経った状態で、当時主流だったゲーム性でいくべきか、末永く楽しんでいただけるゲームに改めるべきか、開発チームの中で大いに議論しました。そして、未来を見据えたゲームを作ろうという舵を切りました。
具体的には、αフェーズでは2Dだった状態から、新たに3D でMAPやミニキャラなどを構築していきました。
ーー方針の変更があってからは、どのような状態だったのですか?
張本:仕切り直しの発表後、ゲーム開発における抜本的な体制変更をおこないました。「takt op.」の世界観に共感したDeNA Chinaが開発に名乗りを上げ、プロジェクトに本格的に加わったためです。
そこから「takt op.」というIPを尊重しながら、もともと強みだったストーリー性に加え、3D実装や謎解き・バトルシーンの強化などRPGの要素を急ピッチで作り上げていきました。
正直、アニメの人気ぶりからIPとしての土台は確立できていましたが、ゲーム開発は綱渡り状態でした。しかし、日中協力体制でスクラップアンドビルドによる開発を爆速で進めたことによって、無事にゲームの完成を迎えることができました。
ーーその間、ファンへのコミュニケーションはどうしていたのですか?
髙島:「takt op.」は、アニメの反響もあり、既に期待をして待ってくださっている方が大勢いらっしゃいました。そんな中、私たちは延期という形で皆さまの期待を裏切ってしまったところからの再スタートと感じていました。
そのため、マーケティングとしては、失ってしまった「信頼」を取り戻し、もう一度応援したいと思っていただけることが最優先だと考えました。再スタートの第一弾としておこなった公式番組「takt op.情報局」では、ここまで遅れてしまった経緯をプロデューサー自ら説明した上で、現在の状況をできる限りオープンに伝えました。その後も、番組を通して継続的に情報発信をしながら「信頼できる新作アプリだな」と思っていただけるように努めました。
アプリのマーケティングでは、短期間で一気に情報を発信し、熱量が高い状態ですぐに配信を迎えるのが定石だと思っています。しかし、本タイトルはこの再始動からリリースまで半年以上の期間があり、他タイトルと比べても足の長いマーケティングとなりました。
長い期間にわたって熱量を維持するというのはなかなか難しいのですが、その期間をキャラクターへの愛着を育むためのポジティブな時間として捉えていただくために、キャラクターの魅力を、イラストや映像、音楽などのさまざまな視点から伝えていく施策を考えました。
キャラクター紹介・楽曲紹介・ゲーム紹介など多くのPVや4コマ劇場、#タクトオーパス診断、YouTubeでのアニメの全編公開(現在は各種配信サイトで公開中)など、いろいろな企画を用意していましたね。
例えば、『takt op.(タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を』ファイナルトレーラーは、リリースまでの間に配信していた6本のゲーム紹介PVの1つです。アニメシーンはPV用に新規制作するなど力を入れた映像となっています。
ーー実際の反応はいかがでしたか?
髙島:ありがたいことに、生放送などで新情報を発表するたびに、「待っている」「楽しみ」など温かいコメントをたくさん頂戴しました。そういった皆さまからの言葉が、開発・運営メンバーにとっても大きな励みになっていました。
また、リリース直前に発表したアニメ「takt op.Destiny」とのコラボレーションについては特に反響が大きく、Twitterトレンドにもランクインするなど、皆さまの熱量を直接的に肌で感じました。この企画は一番のプレゼントになると感じていたため、実際に喜んでいただけて嬉しかったですね。
さらに、リリース直前直後はより幅広いターゲット向けに、TVCMやOOH(屋外広告)、デジタルマーケティング、ゲームメディアジャックなど大がかりな施策を一気に投下し、盛り上がりの瞬間風速を最大化することも心がけました。世の中にはさまざまなゲームが溢れている状態なので、「takt op.」を認知していただいた状態から「このゲームは絶対やってみなければ」という気持ちまで高める必要があると考えたからです。
ゲームの事前登録者数が150万人を突破したことや、App Store・GooglePlayの無料ゲームランキングで1位を獲得できたのは、こうした地道な積み上げと大火力マーケティングの組み合わせが効いたのだとも思います。
ーー運営プロデューサーより、最後に一言お願いいたします
張本:延期などがあった中、「楽しみが長く続く!」「がんばれ!」など、本当にたくさんのファンの皆さまが味方してくださいました。そんな皆さんの期待に絶対に応えようと改めて身が引き締まりました。
DeNAが2017年から6年かけて拘りぬいた読みごたえのあるストーリーと、DeNA Chinaの馬力をもって実現させた遊びごたえのあるゲーム体験を、『takt op. 運命は真紅き旋律の街を』でぜひ楽しんでいただけたら幸いです。
©DeNA/takt op. game partners
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです