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幼少期に多様性に富んだ運動スキルを身に付けることで、子どもの運動スキルやスポーツへの可能性を広げていくことを目的として2021年より運営している「DeNA スポーツスクール」。2023年7月には、川崎・武蔵小杉エリアの新規校を開校し、現在では神奈川県内で3校を運営しています。
本スクールでは、DeNAが運営する、野球・バスケットボール・サッカー・陸上の4つの競技のほか、バレーボール・体操・ダンスなどさまざまなスポーツの基礎スキルにも繋がるプログラムを年間を通して提供。また、選手経験やプロ選手の育成に携わった経験からスポーツの知識が豊富なコーチの指導のもと、DeNAが持つスポーツアセットも活かしたオリジナルのプログラムで、フィジカルだけでなくこころの成長にも繋げることを意識しています。
どのような想いを持ち、子どもたちに向き合っているのか、カリキュラムの監修を務める塚原 賢治と、ヘッドコーチを務める柴田 尚輝に聞きました。
▲塚原 賢治(ダイレクター)
横浜DeNAベイスターズにて選手の体を支え続けて29年の実績をもち、コンディショニング統括を歴任してきた塚原賢治が全面監修。日体大大学院で身体動作学を修め、1990年に横浜大洋ホエールズに入団。トレーニングコーチとして選手の体を支え続け、1998年に球団を日本一にまで導いた実力の持ち主。2019年より横浜DeNAベイスターズのスクール事業にてコーチンググループリーダーに就任。DeNAスポーツスクールでは、学術的側面から子どもたちの実態に合わせた運動カリキュラムを監修。
▲柴⽥ 尚輝(ヘッドコーチ)
元陸上競技長距離選手/IAAFレベルⅠコーチ 取得/JAAF公認コーチ 取得
東海大付属浦安高等学校在学時にジュニア世界クロスカントリー日本代表に選出。駒澤大学に進学後、4年時に全日本大学駅伝5区区間賞を獲得し優勝を経験。箱根駅伝では10区を走り、総合優勝のゴールテープを切る。大学卒業後は実業団へ進み、世界クロスカントリー日本代表や日本選手権5,000mで5位入賞など活躍。現役引退後、2015年4月にDeNA Running Clubの育成普及コーチに就任。2016年2018年7月、横浜DeNA Running Clubアカデミーヘッドコーチに就任。実業団の第一線で活躍してきた経験を活かした丁寧かつクオリティの高い指導が人気。
――長きにわたり選手の育成や、選手の経験をされているお二人ですが、どういった経緯で子どもたちへスポーツを教えるにいたったのでしょうか?
塚原:私はこれまで長きにわたりプロ野球選手のコンディションを見てきたのですが、「早い球を投げる・打つ」などの技術は目覚ましい進化を遂げているのに対して、走る、跳ぶ、止まる、捻るといった基本的な身体の動きを知らない若手が増えていることに気づいたんです。全てではないと思いますが、それは幼少期に体を動かす機会や場所が少なかったり、限られてしまっているからではないかと考えました。特に都心では、学校の遊具も限られていますし、公園も少なくなっていますからね。
その当時横浜DeNAベイスターズの寮長だったのですが、子どもたちにちゃんとした体の動かし方を教えたいと思い、スポーツスクール事業へ異動させてもらいました。
柴田:私は自分より先にスポーツを始めていた姉に追い付きたいという思いでスポーツを始めて、野球や少林寺拳法、ミニバスケットボール、サッカーなど多くの競技を経験しました。団体競技よりも1人で極めていくスタイルに楽しみを覚え、最終的に陸上に辿り着いたのですが、自分にあったスポーツに出会えたことが私の成功体験にも繋がっています。
誰にでもいろんな可能性が眠っていますが、自分1人ではなかなか見つけにくいものです。さまざまなスポーツに触れた結果、自分にあったスポーツに出会え、それが成功体験に繋がったたという経験を子どもたちにも味わってほしい、その手伝いをしたいと思ったのがきっかけです。
また、マルチスポーツ体験を通し、スポーツだけでなく仲間と協力しあう体験や、自分で考えてみる経験が、子どもたちの成功体験や次に繋がるといいなと考えています。
――プログラムはどのようなことを意識して組まれているのでしょうか?
塚原:幼少期から1つのスポーツに絞らず、野球だったりサッカーだったり、投げる、捕る、打つ、走る、蹴る、そして時に転ぶといったさまざまな動作を経験することで、より万能な運動能力が形成されていきます。できるできないに関係なく、さまざまな動作やスポーツを経験してほしいという想いでプログラムを監修しています。
また、プログラムを始める際はあまりハードル設定を高くしすぎないよう意識しています。例えば、さまざまな運動種目を始める前に、まずは基本の運動動作として走るところから始めたり、球技の場合は扱いやすい大きなボールから始め、捕る、投げることを経験したのちに、野球のような小さなボールに変えていくといった具合です。
少しずつできるようになった、1つひとつハードルを乗り越えたという成功体験を積んでいくことでスポーツを好きになってほしいと考え、段階的なプログラムにしています。
柴田:他にも、運動能力とチームワークを高める「チャレンジカード」の取り組みもおこなっています。自分が頑張ったことや、仲間への声掛けと協力をどれだけしたかを可視化できるメダル集めのシートです。
子どもってシール集めたりするのが好きだったりしますよね。そこに目を付けたのですが、何かを達成するたびに「ブロンズ・シルバー・ゴールドのメダル」を集めることができるもので、保護者や周囲から褒めてもらったり、自分に向いている項目が目に見えて分かったりするツールになっています。
人と比べてどうかではなく、自分が頑張ったことを評価されることが大切な成功体験に繋がると考えており、この取り組みには手ごたえを感じています。
また、スポーツ体験だけでないところも成長できるようプログラム形成を意識しています。例えば、仲間の応援や協力すること。皆で話し合い戦略を立て、上手くいった際にはお互いに喜びあったり、または次に活かせるよう反省しあったりするグループワークの時間を設けています。
――プログラムの最後には対話の時間も取り入れていますね。
柴田:そうですね。プログラムの終わりに今日学んだことなどを話し合う時間を設けていて、その発表をする前に子どもたちと一緒に心と頭を整理する時間をとっています。
その時間で自分と向き合い、自分なりに今日学んだことなどを整理して周囲に伝えることが、自分自身で考える力を伸ばしていくことにも繋がります。
私が陸上選手だった頃は、どうすればいいか迷ったらコーチや監督に聞き、答えをもらえる環境が定石でした。ですが、最近では選手自身に考える機会を与えるスタイルが主流になってきています。選手時代を振り返ったときに、自分自身で競技についてもっとつき詰めて考えることができていたら、もう少しいい結果を残せたのではないかと思うことがありますし、スポーツに限らず考える力は自分自身の能力を引き出す力になると考えているので、プログラムの1つとして大切にしています。
――スポーツに限らず、子どもたちのさまざまな可能性や能力を伸ばしていきたいという想いで教えているのですね。最後に、今後目指すところについて教えてください
柴田:昨今の子どもたちには、時間・空間・仲間が足りないと言われていますが、少しでもこれらを補えるようなスポーツスクールにしていきたいと考えています。
また、スポーツスクールに限らず、DeNAのスポーツを通して子どもたちにスポーツの楽しさを伝えていくことが我々のミッションだと捉えています。
塚原:私は人生の大半をスポーツの世界で生きてきたのでスポーツの魅力をもっと伝えたい、多くの人々の生活の一部にスポーツが取り入れられるといいなという想いがあります。
スポーツ領域の盛り上がりはもちろん、スポーツを介した街の活性化も期待できますし、健康寿命にも影響するのではないでしょうか。その為には、幼少期からさまざまなスポーツに慣れ親しんでもらう必要があります。気軽にスポーツに一歩を踏み出せるようなそんなスポーツスクールを目指して、今後も子どもたちと向き合っていきたいと思います。
DeNA スポーツスクール:https://www.baystars.co.jp/school/sports/
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