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2024年4月から、DeNAの旧デザイン本部は、売上拡大/顧客満足を追求するソリューション本部と合流し「デザイン統括部」へと体制変更をおこないました。DeNA全体の「コトづくり」のためのサービスデザインの推進を強化することを目的にした変更です。
全社横断型の独立したデザイン組織だった旧デザイン本部は、今回の体制変更により、データ・AI、マーケティング、システム開発、カスタマーサクセスなど、同じく横断組織として存在していた部門が合流し、ソリューション本部として一丸となって事業推進をおこなう体制となりました。これによって、今までの横断型デザイン組織としての役割に加え、ソリューション本部の各部門との連携を深め、さらなる事業推進の方法を模索し・実践していくことになります。
本記事では、今回の体制変更の背景や狙い、今後の展望についてご紹介します。
※本記事は、2024年8月21日に「Cocoda」にて掲載された記事を一部編集し、転載しております。
DeNAのデザイン組織は「デザインをDeNAの競争力の1つにする」ことを目指し、10年以上にわたってデザイン組織としての事業貢献を模索し、実践し続けることで拡大してきました。
従来、ゲーム事業を主力に発展してきたDeNAではエンジニアと営業の影響力が強い一方、デザインにおいては周囲の理解が進みづらく、デザイナーは「編集さん」と呼ばれていました。
このような状況の中から、徐々にデザインの重要性が浸透し、グラフィックからユーザー体験、事業へとデザイン範囲を広げていった結果、80名以上が所属する組織へと成長しています。
デザインが事業への相乗効果をもたらした事例も、数多く生まれ続けています。
今後さらにデザインと事業の相乗効果を生んでいくためには「デザインを、デザイン組織だけに閉じない」ことが重要だと考えています。DeNAは幅広い領域で事業を展開しており、シード期からレイター期まで、異なる成長段階にある事業がいくつも存在しています。
さらに、デザイン組織だけでなく、データ・AI、マーケティング、システム開発など、異なる専門性を持った横断部門がそれぞれ各事業の成長を支援していました。その中で、各部門が連携することでより大きな事業価値を生み出したり、新たな領域の検証を進められる事例も増えてきていました。
一方、今まで各横断部門同士の連携はさほど強くありませんでした。プロジェクト単位での連携はあったものの、事業部の課題に対して各部門が独自にソリューションを提供するケースも多く、各部門が密接に連携することで「 (各部門の強みを踏まえた) 最適なソリューションの提供」ができる余地がありました。
このような背景を踏まえ、市場理解、システム開発、データ・AI、顧客理解を一気通貫で考えられるようにソリューション本部に合流し、新たな事業貢献の方法を模索していくことになりました。
特に強化すべき項目として次の2つを設定しています。
また、各事業フェーズに合わせた横断デザイン組織としての役割も変化させていきます。
今までは、旧デザイン本部がいわば「中央集権的」に、各事業への支援や評価、アサインなどをおこなっていましたが、ミドル・グロース期〜レイター期の事業においては、その事業部内でのデザイン組織構築を支援するような「自律分散型」の組織づくりも進めています。
実際に、レイター期事業に位置する「IRIAM」では、デザイン統括部で培ってきたナレッジを活かし、IRIAM事業部内でデザイン組織を立ち上げていくような事例が生まれています。
このように、自律分散型の組織づくりも進めていくことで、各事業で求められるケイパビリティに沿ったデザイン組織運営がしやすくなります。
一方で、評価やアサインなど横串で基準を担保すべき部分はデザイン統括部が担うといったバランスを取っていくことも重要だと考えています。
今回の体制変更は完成形ではなく、組織としてあるべき姿を模索していく過程における、現時点での最適解だと考えています。
新たな組織の形として「デザイン統括部」となることで、今までにない範囲・アプローチで事業に貢献していける可能性が大きく高まったと考えていますので、DeNAの今後のデザイン力にもぜひご期待ください。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです
Cocoda【DeNA DESIGN】:事業を牽引する組織としてのアップデート。「DeNAデザイン統括部」への体制変更の狙いについて
DeNA DESIGNカルチャーデック:https://design.dena.com/uploads/pdf/culture-deck.pdf