エンターテインメント

2020年代を代表するアニメを創れ!Project ANIMA "会いにいけるプロデューサー" 対談

2018年05月25日
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  DeNA、創通、文化放送、毎日放送(MBS)が中心となり、TVアニメの原作を一般から公募する「Project ANIMA(プロジェクト アニマ)」。「マクロス」シリーズで知られるサテライトをはじめ、J.C.STAFF、動画工房といった一線級のスタジオと提携し、「SF・ロボットアニメ」「異世界・ファンタジー」「キッズ・ゲームアニメ」の3部門に亘ってコンテストを開催します。

0からオリジナルアニメを一般公募して創出するという大胆な企画は、いったいどういう経緯で生まれたのか。総合プロデューサーの上町 裕介(かみまち ゆうすけ)、宣伝プロデューサーの有田 真代(ありた まよ)に話を聞きました。

0から1を作るには作家が必要だった

――改めて、「Project ANIMA」発足の経緯から教えてください

上町:DeNAに入社する以前からIP(ゲームやアニメの作品原作)創出をおこなうプロデュース部署に所属していて、ビデオグラムメーカーさんや音楽メーカーさんと一緒に原作開発をおこなってきました。ですが、どうしても企画が綺麗にまとまってしまったり、過去のヒット作の分解と再構築になりがちで、「何かもっと感情を揺さぶるようなアイデアや企画が大量に生まれてくるような仕組みが作れないものか」と考えていました。その一つの答えが「Project ANIMA」です。

有田:上町さんに「何でDeNAに入社しようと思ったの?」と訊いたとき、「プロデューサーだけで熱量のある作品を作るのは難しい、1を10にするのはできるけど、0から1を作るにはやっぱり作家の力が必要だから」と答えていたのが印象的でした。

上町:DeNAがこれまで長い時間をかけて運営してきた、「エブリスタ」「マンガボックス」というクリエイターのプラットフォームがあるからこその企画だと思っています。その上で「クリエイターの熱量を最大化するためにも、何か明確なゴールを用意してあげたい」と思って、「選ばれたらアニメ化決定」という今の形が作られました。

――サテライトをはじめ、とても豪華なスタジオが揃ってますよね。どうやって交渉したんでしょうか

上町:原作も決まってないのに「制作ラインを押さえさせてください!」というのは業界でも普通ありえない話で、ましてや今、アニメの制作ラインは2022年まで埋まってるような状況です。ただ実際にお話を伺うと、どの制作会社さんも「今までにない新しい作品や才能を発掘したい!」という思いはお持ちで、意外にも「待ってました!」と快いお返事ばかりでした。なので交渉というよりは、2020年以降のアニメへの熱い思いとか、「創作」の本質とは――みたいなエモい話を延々して、打ち合わせを重ねていった感じです。

「好きを貫き通す熱量」が伝播していく

有田:「エモい」はProject ANIMAのキーワードの一つですね。わたしたちは作家さんの大事な原案をお預かりする立場ですし、制作会社さんにも埋まっているラインをこじ開けていただいている。プロジェクトの立ち上げ初期から、熱量が人から人へとどんどん伝播していくイメージは一貫して持っています。感情を揺さぶる作品を生み出すためには、自分たちがその熱量に負けていられない。むしろ増幅させながら2020年代のアニメファンまで届けたいので、エモ or DIE くらいの気持ちで取り組んでいます。

――応募方法が小説・脚本・マンガ(ネームもOK)・企画書とかなり多彩です。この選考方法も、「熱量」を大事にした結果なのでしょうか?

上町:「好きを貫き通す熱量」をプロジェクトの核に置くからには、そのフォーマットはなにものにも縛られてはならない、というのが募集範囲を広くとった理由ですね。けれど実際に受付を開始したら、応募者の方から「作中ヒロインが歌うシーンがあって、その曲も作って歌ったから聞いてほしいんですけど、音楽はどこから投稿すればいいですか?」といったお問い合わせが来て。クリエイターさんの方が一枚上手でした。もっともっと自由に創作が出来る環境を作っていかねば......と、まだまだ試行錯誤の途中です。

有田:日本全国でクリエイター向けの説明会&持ち込み会を開催しているんですが、先日福岡に行ったら、熊本や大分からもクリエイターさんが足を運んでくださって、嬉しかったですね。しかも皆さん、すごくレベルの高い企画書を持ってこられていて。在野の才能ってこんなにいるんだなと驚きました。書ける作家さんはたくさんいる、ただ見つけられていないだけなんです。

上町:これまでにない企画で、クリエイターさん側も戸惑う部分が多いと思うので、「会いにいけるP(プロデューサー)」をめざして定期的に説明会を開催しています。渋谷でもやるし、地方にも行くし、一人ひとりに会って名刺を配って、質問に答えて、作品を持ってきてくれた方には直接コメントもする。募集して待つだけじゃなく、結構泥臭く作品を集めています。文字通り「強い奴に会いに行く」状態ですね。

大賞受賞作以外も書籍やコミックに

――第一弾「SF・ロボットアニメ部門」の応募が終了しましたが、手応えはいかがでしたか?

有田:当初予想していた数倍の応募がありました。いま絶賛選考中なのですが、レベルの高さに驚いています。絶対にヒットアニメまで持っていきたい。また、第一弾にご応募いただいたクリエイターさんの多くが「第二弾も書き始めました!」とおっしゃっていて、常連さん化しているのが嬉しいです。

――第二弾は「異世界・ファンタジー部門」ですね。

有田:いま旬のテーマなので、応募数は一番伸びるのではないかなと期待しています。だからこそ、今まで見たことのないような、キラリと光る新しい才能に出会いたいですね。沢山のファンタジー作品がすでにある中で、それでもこれを自分は書きたいんだ!書かないといけないんだ!という熱量をぶつけてほしいです。

――大賞発表後はどういう経緯でアニメ化までいくのでしょう?

上町:4月15日に応募が終了した第一弾の場合、DeNA・創通・文化放送・MBS・サテライトの5社で作品に合った脚本家や監督を立て、「原案」を「アニメ原作」に落とし込む作業をおこないます。そのうえで実際のアニメ制作のラインに乗せていきますが、原案がアニメになっていく過程も一般のお客さんに公開していければなと思っています。第二弾以降も基本的には同じ流れです。

有田:原案の良さや作家の熱量を土台に、アニメ作品として面白いものにすること、そしてアニメ以外のIP展開を成功させることが、プロジェクトとして大きなミッションですね。コミカライズや書籍化といった出版領域には、大賞受賞作だけではなく入選作品なども含めてしっかりと取り組んでいく予定です。

10年愛される作品を送り出したい

上町:「IP創出」の「IP」の定義は人それぞれあると思いますが、僕は「10年以上ファンを熱狂させられる作品」をIPだと思っていてます。そんな作品をDeNA発の作品として世の中に送り出したいと強く思っています。

有田:わたしの定義はちょっと違っていて、偶然も含めて「ファンが10年愛したら、結果的にその作品はIPになる」という順番なのではないかと。「小学生のときにお年玉で買ったなー」とか「中学校の教室で回し読みしたわー」とか、そういう思い出補正が入ってやっと作品はIPになる。先は長いですが、ANIMA作品のオンリー同人誌即売会が開かれている様子とかを妄想して頑張っています。

上町:2020年頃のテレビ放送をめざす長期的なプロジェクトですからね。関わっている会社さんも多いですし、連動してラジオ番組があったり、リアルイベントがあったり、大変だけど楽しいですよ。少しでも興味を持っていただけたら、気軽に応募してほしいです。一緒に2020年代を代表するアニメを創りましょう!

Project ANIMA:https://project-anima.jp/