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6月、渋谷ヒカリエにあるDeNAオフィスに140名もの高校生がやってきました。岡山県立総社高等学校の2年生が修学旅行初日の最初のイベントとして体験したのは、DeNAと「Life is Tech!(ライフイズテック)」によるインターネットとプログラミングに関する学習です。
DeNAでは通年を通して中高生を対象としたオフィスの訪問学習を受け入れていますが、5~6月は修学旅行時期ということで、多い日では1日に3校もの訪問を受け入れることもあります。
この日は特別プログラムとして、中高生向けのプログラミングスクール事業などを手がけるライフイズテックとタッグを組み、修学旅行生に向けてゲーム開発の仕組みやインターネットマナーに関する説明、そして生徒自信も参加する形でプログラミング学習を行いました。
ライフイズテックによる最初のプログラムは、"頭の中を可視化する"作業です。自分が好きなもの、興味があることなどを自由に書いていくうちに、緊張気味だった生徒にも笑顔が見えてきました。さらに、"10年後の未来予想動画"と、10年前に作られた"10年後の未来予想動画(つまり、現在を予想した動画)"を見ながら、テクノロジーが生活に与える影響について考えます。実現するの?と感じるような未来予想も、意外と実現するのかも......。高校生の顔にそんな驚きと期待が満ちてきました。
次に行ったのは「TED」でも紹介された、世界的に有名なチームビルディング演習「マシュマロチャレンジ」。パスタ(乾麺)一束とテープを使ってマシュマロをいかに高いところに置けるかを、それぞれのチーム対抗で競うゲーム型の演習です。これには先生チームも参加し、約20分のシンキングタイムは大盛り上がり。
結果発表後、「考えすぎる人たちほど結果が悪いんですよ(笑)」と司会者が説明すると、最下位だった先生チームもホッとした雰囲気に。実はこのゲーム型演習、世界的に見てもマシュマロを高いところに置けるのは幼稚園児やエンジニアが多いそう。逆に経営者は残念な結果になるんだとか。「あれこれ考えて戦略立てる経営者タイプより、トライアンドエラーを繰り返しながらよりよいものを作っていくという思考が求められる」ことがわかる演習だったと説明されると、生徒たちも納得した様子でした。
ゲーム制作に関する講義では、DeNAの人気ゲーム「逆転オセロニア」プロデューサーの香城卓(こうじょうたく)が登壇。生徒も遊んだことのあるスマホゲームがどのようなプロセスで出来上がるのか、また制作にはどんな職種が関わるのかなどが紹介されました。
企画からリリースまでひとつのゲームができるまでに2年ほどかかることや、スマホゲームの特徴として、リリース後によりよいゲームにしていくための運用作業があることなど、普段は聞くことのできない裏側に生徒も興味津々の様子。ゲームを作るために、ゲームを開発するエンジニアの他にキャラクターデザインをするデザイナー、企画をするプロデューサーなど多くの人が関わっていることも語られました。
また、実際の仕事現場として香城自身の作業デスクを写真で紹介。資料作成用、チャット用などパソコンの画面が4つも並んだデスク風景に顔を見合わせて驚く生徒たちも多く見受けられました。
高校生のなりたい職業ランキングにゲームクリエイターやイラストレーターなど、ゲーム関連が入る昨今。ゲーム作りに携わる上で必要なことは何なのでしょうか。
「ゲーム作りの大事なところはいろんな価値観にふれること。持っている知識と、新しい知識を融合させることが大切。ゲームを作るというと理系というイメージがあるが、文系には文系の、美術系には美術系のゲーム作りへの関わり方がある」という香城の説明に、会場の高校生が深く頷く場面も。普段は見られない作り手の裏側を知り、高校生がリアルに感じる進路に落とし込むことで、高校生も自分の将来について考える良いきっかけになった様子です。
ゲーム関連の仕事に就きたいと話す生徒からは「ゲームに興味があったが、どんな職業を目指せばいいかわかりませんでした。でも今日のお話で少し具体的に考えられそうです。進学したい専門学校にゲーム関連のコースがあるので、そこの資料を取り寄せたくなりました」という感想も。
先生も「普段から、進路についてなどの教育もしているが、実際にその職業に就いている方から話を聞けるのはとても貴重な体験。今後、進路を考える生徒にとって、いい刺激になったのではないか。僕も学生の頃聞きたかったですね」と生徒を羨ましがるほどでした。
DeNAの訪問学習で必ず実施するプログラムに、「インターネットの正しい使い方」についての啓発授業があります。いまでは中高生のほとんどが使っているSNSで起こりうる個人情報の流出や、一度情報を発信してしまうと、SNS投稿を削除しても履歴は一生残ってしまうなど、リスクやきっかけについて説明されると生徒たちは神妙な面持ちに。
毎日SNSを使うという女子学生は「仲間内に伝えるつもりだけだったのが、なぜリスクにつながるかわかった。これからは投稿前にもっと気をつけようと思った」と意識の変化があったようです。
終盤は各自に与えられたパソコンを使っての実習です。自分の好きな画像を、ソースコードを使って大きくしたり、長さを変えたりして動かすことができるiPhoneアプリを作りました。
カーソルを使って動かすことには慣れていた生徒たちも、その裏側にある仕組みを使うことに少々四苦八苦。そこで活躍するのが各チームに配置された大学生のメンターたちです。生徒たちの質問に気軽に答え手助けをするので、生徒たちも最後まで興味を失わずに取り組むことができたよう。画像が動くと、最初の緊張した面持ちとは打って変わった、満足そうな笑顔が印象的でした。そんな興奮冷めやらぬ中、訪問学習は終了。修学旅行生は東京散策へと出かけました。
DeNAでは、中高生に向けたキャリア教育とともに、2020年に改訂を予定している次期指導要領で必修化される小学生へのプログラミング教育推進に取り組んでいます。このような活動を通して、ITの利便性と課題を理解した上で積極的に活用していける人材の育成を支援してまいります。
小学生に向けて3年に渡りプログラミング授業を行ってきた軌跡はこちら:http://dena.com/jp/article/2017/03/03/003309/
DeNAのプログラミング教育について:http://dena.com/jp/csr/it-nurture/
※本プログラムはライフイズテックとDeNAが共同で開催したイベントのため、通常のDeNA訪問学習の内容とは異なります点をご了承ください。