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小学生の頃、"走る"方法について教えてもらった経験はありますか?腕をしっかり振る、脚を高く上げるなど、なんとなく方法は教わってもなぜそれが上手に走ることに繋がるのかまで理解して取り組んだ方は少ないのではないでしょうか。
横浜DeNAランニングクラブでは、2015年より渋谷区・世田谷区の小学校を中心に、子どもたちに走り方の基本動作や、楽しく身体を動かすことを学んでもらうための訪問ランニング教室を実施しています。そして今夏、新しい取り組みとして実施したのが、小学校教員向けのランニング指導講座です。
今回参加したのは、22名の横浜市の公立小学校教員。そして指導するのは、箱根駅伝や実業団で活躍した豊富な経験を持つ横浜DeNAランニングクラブアカデミー※のコーチ陣たち。陸上のプロとして、また子ども達に身体を動かすことや走ることの楽しさを伝える先生として活躍するメンバーによって研修が行われました。
※横浜DeNAランニングクラブアカデミーについてはこちら
▲中央の参加者はパー、手前右の参加者はチョキを身体で表現
ストレッチをしっかり行い、レッスン開始。まずは"全身を使ったじゃんけん"です。グーでしゃがんで、チョキで左右逆の手足を前後に、パーのときは両手両足を大きく広げます。二人一組になって対戦すると、身体を大きく動かすため参加者の声も大きく響きわたり、会場は大盛り上がり!
うっかりチョキのポーズで同じ側の手足が動いてしまった参加者には「小学校で教えてあげるときには、『先生も間違っちゃったから、大丈夫だよ』と声かけしてみましょう!」とコーチの助言も。
続いて小学校の授業でも使われる、梯子状のアイテム"ラダー"を使ったトレーニング。サッカーやテニスでは瞬発力や動作の細かさを養う神経系のトレーニングとして使われますが、陸上競技の場合は、姿勢を保ったままひざを腰の位置まで高く上げてしっかり下ろす動きを身につけます。
「子ども達の場合でも、速く動こうとするあまりひざが上がらず小さな動きになってしまったり、反って腰が落ちてしまうこともあります。特に姿勢に気をつけて、取り組みましょう」とコーチ。
脚だけでなく腕も一緒に動かし身体全体を使うことで、さらに速く走ることができます。やや前傾姿勢で、腕を90度に腰の高さまで上げるのがポイント。拇指球(親指の付け根)で押すように踏み込むと、しっかり地面を蹴ることができます。
最後にミニハードルを使い、ラダーで身につけた動きをより本格的な走りに取り入れます。小学校低学年は80cm程度の間隔から始め、体型やスキルに応じてミニハードルを広げることでストライド(歩幅)を伸ばし、より速く走ることができます。
ここまでに学んだポイントを身体で覚え、いざ実践。ミニハードルの間隔を広げて走ってみると、参加者の走る姿勢に明らかな変化が。ひざをしっかり上げることで、誰一人ハードルを倒すこと無く走りきった際には、参加した教員の皆さんにも笑顔が。
レッスンを終えて、参加した皆さんから様々な感想をいただきました。
「ラダーを使ったことはあったのですが、動きの速さを気にして脚を上げる意識は持っていませんでした。また、頭を使って身体を動かすのは難しいなと感じました。運動が苦手な子どももいるなかで、楽しく走る技術を教える方法を知ることができて、とても勉強になりました。」
「今後、胸を張って子ども達に運動を教えることができそうです。走るだけではなく、様々な体育の授業に活かせると感じました。」
「走るってこんなに難しいのだなと感じました。普段の授業でも『脚を高くあげて』と子ども達に伝えていましたが、どうやったら実現できるのか科学的に伝えられていませんでした。今回の学びを活かすことで、子ども達も"なんとなく"ではない走り方を身につけてもらえるのではと思います。」
初めての教員向けレッスンでしたが、参加者の皆さんに良い学びを提供することができました。今後も横浜DeNAランニングクラブでは、若い世代から各世代を通じて、走ることやスポーツ全般、体を動かすことが好きな子どもの育成を目指すとともに、教育関係者に向けたレッスンも引き続き行う予定です。
横浜DeNAランニングクラブ:https://dena.com/running/
小学生向けのスポーツクラスについて:http://dena.com/jp/article/2017/04/21/003364/