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DeNAが提供中のドラマチック逆転バトル『逆転オセロニア』。2016年のリリース以来、全国各地でオフラインイベントを積み重ねながらプレイヤーとの信頼関係を築いてきました。そして、プレイヤー同士がリアルで会うことで面白さが増すという確固たるポリシーを、リリース7年目を迎えた今も持っています。
そこへ立ちはだかったのが新型コロナウイルス感染拡大の壁。コミュニティ形成を大事にしている『逆転オセロニア』は、大きな変革を強いられました。オフラインでの交流が制限された世の中で、代わりとなる施策とは……。
『逆転オセロニア』が貫くコミュニティファーストのポリシーと、コロナ禍で築いた新しいつながりについて、前編と後編に分けて紹介します。対戦ゲームの面白さを支えるAI技術については、こちらの記事もぜひご覧ください。
『逆転オセロニア』の運営は常に順風満帆だったわけではなく、リリース直後は鳴かず飛ばずの11ヶ月間を過ごしました。その間、宣伝活動よりも最優先でおこなったのが、全国各地でのコミュニティ形成です。「自分の町にもプレイヤーがいることを知ってもらおう。自分の周りに『逆転オセロニア』を好きな人がいることを体感してもらおう」そんな願いを込めて、オフラインイベント開催に専念しました。
理由は、人は誰かに賛同してもらえる確信を持ってはじめて「これが面白い!」と胸を張って言えるものだと考えたためです。たとえ参加者が少なくてもいいので、自分以外にも同じゲームを楽しんでいる人がいることを体感できる場づくりを重ねていきました。こうして全国各地で面白さを語り合える関係性を構築していった結果、プレイヤーがゲームヒットへ導く立役者となってくれました。
初めてテレビCMを放映した際に、そのプレイヤーたちがこぞってオフラインやSNS上で面白さを発信してくれました。この口コミがYouTuberの目にとまり、YouTuberが『逆転オセロニア』のゲーム配信をしてくれたことが、更なるヒットの後押しとなります。オフラインで積み上げてきたファン交流が、SNS上での盛り上がりを生んだとも言えるでしょう。この頃には「オセロニアン」と自称するプレイヤーが登場し、呼び名が広まったことから、運営でも公式に使わせてもらうようになりました。
コミュニティを形成する上で、リアルの場でオセロニアン同士が交流することには、2つの意義があると考えています。1つは、仲間と知り合えるキッカケになる点です。相手の雰囲気など、テキストだけでは伝わらない情報から気の合う仲間を探すことができます。また、一度でも会ったことのある相手とは、会話の場がSNS上へ移行しても誹謗や中傷の言葉が飛び交いにくく、コミュニティ全体が思いやりに満ちた場となります。
もう1つは、気軽に会話ができる環境を提供できる点です。オフラインイベントでは、オセロニアが好きな人しかいないため、自分の考えを自由に発言する上での心理的安全性に繋がっていると考えています。ステージを眺めながら会場の仲間同士で雑談をしたり、対戦中に思わず独り言がでたり、対話が自然と始まったりする気軽さもリアルの場ならではの特徴です。これが、オンライン特有の不特定多数に全体公開される環境になると、反応が気になって本音をつぶやくことのハードルが上がってしまいます。
親睦を深めるためのイベントをファンミーティングと呼び、オセロニアン同士や運営との交流、対戦を楽しめるような内容です。オセロニアン自身がイベントを企画することや、有名プレイヤーを招いたコラボ企画を開催することもあり、規模や型を問わない自由さが特徴です。公式イベントの中でも大規模な「オセロニアンの宴」は、1つの会場へ300人前後のオセロニアンを集めて、各々が思い思いの相手と会話しながら対戦を楽しんでもらうための企画です。名前は知っていたけど初対面となる相手と交流できたり、会場でのユーザーID交換を機に戦友なったりするなど、さまざまな出会いを生む機会を担っています。
親睦系のイベントとは別に、オセロニアン同士のガチ対戦を目的としたオフラインイベントもおこなっています。対戦系のイベントで最高潮の盛り上がりを見せるのが「オセロニアンの戦」です。決勝では、全国各地で開催される地区予選を勝ち抜いたファイナリストが東京に集結し、トーナメント形式で優勝を目指します。
対戦画面を巨大スクリーンへ投影し、会場のオーディエンスが見守るなかで白熱したバトルが繰り広げられるため、普段はアプリを一人でプレイしているときとは異なる体験を届けるための舞台となっています。会場の一体感や臨場感はもちろん、挑戦者が予選から勝ち上がっていく一連のサクセスストーリーをみんなで祝福するシーンが見受けられるなど、感動体験を埋めるコンテンツでもあります。
イベントを通してサービスを伸ばしてきた『逆転オセロニア』にとって、コロナ禍によりリアルな場での交流を閉ざされたことは大きな試練となりました。2020年に開催された4周年記念の「オセロニアンの祭典 4th Anniversary」を最後にオフラインでのイベント実施は一切封印。オンライン上に限られたイベント運営へ体制変更を強いられました。
しかし、そんな逆境の中でも着実に新規プレイヤー数を伸ばし続けています。実際、コロナ直前に2700万DLだったところから、コロナ禍に3300万DLを突破。オフラインの代わりとなるイベントを模索する中で支えとなったのが、昔から応援してくれているオセロニアンの存在でした。
後編ではコロナ禍で変化したコミュニケーションや新しい価値体験、貫いたポリシーについてお話します。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです