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DeNAでは2020年から、新型コロナウイルス感染症拡大により、オフィスに通勤して働くスタイルからリモートワークを基盤とする働き方へ移行してきました。しかし、新しいワークスタイルになる中で、運動不足が健康課題としてあげられるようになりました。
そこで、社員のパフォーマンスを健康面から支えるCHO(Chief Health Officer)室が中心となり、楽しみながら運動する機会として、2021年に立ち上げたのが、1ヶ月かけておこなう社内運動イベント「Fit Festa Online(フィットフェスタオンライン)」です。初年度は、オンラインでの開催をメインとし、家庭用ゲーム機を用いた運動×オンラインコミュニケーション企画やグループごとの歩数対決などをおこないました。
2022年には対面でのコミュニケーション要素も取り入れ、「コミュニケーション不足」解消にさらに寄与する「Fit Festa Online+(フィットフェスタオンラインプラス)」とバージョンアップして開催。社内eスポーツイベントの開催など、エンタメ性を強く打ち出す形をとりました。
今回は、社内課題解決にゲーミフィケーションを取り入れた「FFO+」の活動を通し、DeNAが社内課題であるリモートワーク下の社員の健康課題にどう向き合ってたのかをお伝えします。
リモートワークが始まった2020年から最初の2年は、全社向けにおこなったアンケートによる悩みの上位は「運動不足・体重増加」で、4割の人の歩数が1日1500歩以下になり、また6割の人が1kg以上体重増加、内4割が3kg以上増加したという結果がでていました。
そこで、オンライン対応の家庭用ゲーム機を用いたり、DeNA子会社であるDeSCが運営するkencomアプリ内のイベント「みんなの歩活」を活用して歩数を競ったりするオンライン運動会「Fit Festa Online」を開催。他にも、CHO室が開催するストレッチ教室や年2回のウォーキングイベントへの参加などを経て、1日1500歩以下の割合が3割に回復、1日6000歩以上の割合が1割から2割に回復するなど、一定の効果を感じることができました。
2022年に入り、リモートワークとシェアオフィス利用によるハイブリッドな働き方へと変化すると、課題は「食生活」と「社内コミュニケーション」へ移行。健康診断結果から脂質異常リスク有症者の割合が高いことが判明するなど、依然として運動の必要性が減ることはないものの、以前に比べ、オフィスへの出社がしやすくなるなど、対面のコミュニケーションの増加が見込めることはポジティブな結果に。
そこで、2022年には「Fit Festa Online+」として、バスケットボールやサッカーのスタジアム観戦ツアーや、社内eスポーツ大会を開催するなどオフラインでのコミュニケーションにも重きを置いたイベントの開催に踏み切りました。CMO兼CHOの三宅邦明が自ら「広告塔」となり、社内への認知に務めてイベントを盛り上げました。またCHO室をはじめ、eスポーツ部・スポーツ事業本部・広報部・技術統括部・デザイン本部などさまざまな部署から有志が集まり運営事務局を結成。また、それぞれ別分野の社員が自分の部署の社員を誘うなどしたことで、結果的にリモートワークがメインになった中でも「横のつながり」がうまれました。
チームを組み、参加社員の歩数を毎日計測して競い合うゲーム性が特徴のkenkomアプリ内イベント「みんなで歩活」。Fit Festa Online+では、「みんなで歩活」と組み合わせて参加者の合計歩数で世界一周を目指す、独自のイベントを開催しました。社内チャットでどの国まで到達したかをお知らせすることで、達成感を味わうとともに歩くことも毎日意識させるきっかけづくりとしました。またデイリーランキングをシェアすることで、チーム内で発破をかけ合ったり、歩いた場所の写真をシェアしたりとコミュニケーション活性の一端にもなったという声も。
社内チャットツールやオンラインミーティングツールを活用することが、運動に対して関心が薄い層に対する働きかけになると考え、CHO室所属の理学療法士とパーソナルトレーナーの社員によるオンライン対談を開催しました。運動に触れる機会を増やしたことに加え、こうしたオンラインツールを生かしたコミュニケーションも発生するなど、運営事務局の期待を超える反応がありました。
初の試みとして、オンライン&オフラインのハイブリットで参加できるシューティングゲームの社内大会を実施しました。部署メンバー、同期入社、家族など、バラエティに富んだチーム編成で、参加したのは16チーム・64人。当日はオフィスラウンジでのリアル開催、実況中継つきのオンライン配信のハイブリッドで構成しました。現地での盛り上がりはもとより、オンライン配信を視聴している社員のチャットも大盛り上がり。リモートワークで希薄になりつつある「仲間と一緒にチャレンジする機会」を、ゲームを通じて楽しめる場となりました。
横浜DeNAベイスターズの本拠地 横浜スタジアムでは、スタジアム見学やクイズウォークを、サッカーSC相模原とバスケットボール川崎ブレイブサンダースでは、歩いて会場にいく観戦イベントを実施しました。久しぶりに顔を合わせた社員同士で話が盛り上がったり、家族も参加した社員の中では子ども同士の交流が観られたりするなど、賑やかさを見せました。
「お父さん、ちゃんと歩活がんばって!僕も歩く!」と、子どもから応援される社員の姿も。社内での運動機会啓発イベントが家族にまで広がっていることは、「社員だけでなく、その家族や取引先、地域までを健康に」したいという理念を持つCHO室の活動が、リモートワーク下においても浸透してきていることがわかる瞬間でした。
1ヶ月の期間を経て、終了した「Fit Festa Online+」の参加者へのアンケートでは、回答者の9割が満足と答える結果になりました。また、運動や同僚とのコミュニケーションのきっかけになったというポジティブな回答も多く寄せられ、企画の狙い通りにこのイベントが社員の行動変容変化の一端となったことがわかりました。
新型コロナ感染症拡大によって変化した働き方。それに伴ってまた変化する、社員の生産性向上を阻む健康課題。今後もCHO室が主体となり、さまざまな事業を持つDeNAの強みを掛け合わせ、社員の健康課題解決にも向き合っていきます。
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